かっちゃん @Wiki
Tr換装
最終更新:
kachan
★FWD/REVの切り替えは、Q4,5,6,7の4つのトランジスタ(Tr)でHブリッジを構成しています。
【 準備 】
NormalのTrを取り外す。。。
3本ある足を半田でブリッジして、同時に熱が掛かるようにします。
こてを2本用意して、ブリッジした部分と逆側のタブの部分を同時に加熱すると、するりと滑って取り外すことが出来ます。
但し、上側のTr(Q6/7)はTrの裏面がパターンに貼り付いていることがあり、無理に取り外そうとすると、絶縁皮膜が剥がれてしまうことがありますので、注意が必要です。
万一剥離してしまった場合は、透明マニキュアなどで絶縁層を作り、補修します。画像のような専用の補修材もあります。
【改造前 上面】
左側に2つある黒い四角がモータスイッチング用のTrです。
2SD2098(Q6,7) NPN Ic=5A
(ちなみに右下にある小さめの4つ並んだTrはステア用のものです)
【Tr換装後 上面】
Ic=10Aタイプの2SC5001と交換しました。
【改造前 下面】
右側に2つある黒い四角がモータスイッチング用のTrです。
2SB1386(Q4,5) PNP Ic=5A
(左側の16pinのICは、受信機用のチップです。Radio/Driveの両方を制御する、凄いヤツです)
【Tr換装後 下面】
上面同様に、Ic=10Aタイプの2SA1834と交換しました。
【 パッケージ比較 】
左が標準用 右が改造用です。 大きさが随分違います。
そのため、ここで紹介したTrを取り付ける際には、一工夫必要となります。
左:加工前 右:加工後
隣り合うTrは、シャシとの幅方向の干渉を避けるため、隙間を空けずに密着させます。
内側になる足は、ほぼ垂直のまま、外側の足を内側に曲げてピッチ調整します。同時に高さも整形し直します。
エミッタ/コレクタの位置を基準に取付位置を決めると、コレクタ部分が基板より、はみ出してしまうので、適当な銅板(半田吸取線など)で、パターンを延長する必要があります。このためTrは基板より浮き上がることになります。
【注意】
- 既存のTrを取り外す際に、無理な力を掛けない事。(パターンが剥離します)
- 基板上面側は、基板の絶縁皮膜が剥離しやすいので、Trを再度取り付ける際には、絶縁処理を十分に行う事。(電池短絡につながります)
- Trの半田付けは、1ヶ所3秒以内に完了すること。(熱劣化を起こします)
【Tr情報】
あるBBSにて、標準のTrと同じパッケージサイズで、Ic=9Aの大電流が流せる「SANYO 2SA2014/2SC5567」を紹介していただきました。
換装成功事例も報告されていますので、安心して使えると思います。
【 改造基板によるデータシート 】
・シャシ:モンスタシャシ
・電池:Ni-MH AA 4セル
・ピニオン:8T * (2)HIGH SPEEDのみ10T
・ターボ:使用せず
< 駆動電流表 > | モータ単体 (A) |
シャシ組付け (A) |
---|---|---|
1)HIGH TORQUE st1 |
0.26 |
0.38 |
2)HIGH SPEED st1 | 0.37 |
0.45 |
3)TorqueTune | 0.48 |
0.60 |
4)HyperDash2 | 0.85 |
0.92 |
5)PowerDash | 0.77 |
0.98 |
6)PlasmaDash(改) | 0.99 |
1.12 |
7)PlasmaDash | 2.07 |
2.39 |
データ採集中に起動電流を観察していましたが、やはり定常時の3-4倍以上の突入電流が流れているようです。
5)PowerDashについては、ちょっと意外に思うほど低燃費の様子。加速力/最高速/燃費など、ベストバランスだと思います。
ミニ四駆のSpeedCheckerによる測定では、19km/hが表示されました。
(ピニオンは8Tを装着しています)
実験中、7)PlasmaDashの回転速度は、他のモータを圧倒しており、大いに期待していましたが、
>>>電池パワーが落ちていたのが原因でした。充電直後の電池なら、PowerDash並みの走りを見せてくれました。
モータ単体の電流値から推察するに、恐らく走行時は5A以上の電流を欲していて、電池の放電能力を大幅に超過するために、加速がもたついているように見えます。電池の並列化をすれば良いのでしょうが、発熱の問題など、総合的に考えると、むしろ定格の3Vでドライブすることを考えた方が良さそうです。
また、無改造基板でもOKである、3)TorqueTuneや4)HyperDash2は、Tr換装により、今まで以上に元気になったことを、付け加えておきます。
→その後・・・2006/5/11SprintDash+8Tで走行させてみましたが、PowerDashと比べ、加速性が劣っています。TopSpeedは恐らくSprintの方が早いのでしょうが、加速でモタツクと体感的に遅く感じます。
10Tを組むのであれば、むしろPowerDashの方が適しているみたいです。>>>2006/6/19ハイパー爆ダッシュEngチョット気になります。PowerDashよりトルクフルなので、ハイギアード向きかな??
【エミッタライン(給電ライン)・パターン強化版】
PlasmaDash対応の為に製作しましたが、電池の放電能力が限界である事と、6V給電によるモータの過剰な発熱により、実験段階で終了し、実用化することはありませんでした。
PlasmaDashを安全確実にドライブするには、カスタマの4セル給電は過激すぎです。このモータの場合は、定格電圧の枠内で使用した方が良さそうです。
基板上で、コントロール部とドライブ部を、4セル(6V系)/2セル(3V系)に分けて、Plasmaの定格電圧を給電できるようにすれば、今より遥かに安定するものと思われます。
そのうちに、チャレンジしてみるつもりです。