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Tr換装

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kachan

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Normal基板では、HyperDash2程度までが限界で、PowerDashなどのハイパワーモータは、トランジスタを焼損してしまうとのことなので、大容量のタイプと交換してみました。


★FWD/REVの切り替えは、Q4,5,6,7の4つのトランジスタ(Tr)でHブリッジを構成しています。

  • トランジスタの詳細情報を知りたい方は こちらへ
  •  (”ROHM”のサイトにリンクしています)
  • トランジスタ購入の見積は こちらへ
  •  ("ELISNET”にリンクしています)



【 準備 】
NormalのTrを取り外す。。。
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3本ある足を半田でブリッジして、同時に熱が掛かるようにします。
こてを2本用意して、ブリッジした部分と逆側のタブの部分を同時に加熱すると、するりと滑って取り外すことが出来ます。
但し、上側のTr(Q6/7)はTrの裏面がパターンに貼り付いていることがあり、無理に取り外そうとすると、絶縁皮膜が剥がれてしまうことがありますので、注意が必要です。

 kachan?cmd=upload&act=open&pageid=10&file=P1040822.JPG
万一剥離してしまった場合は、透明マニキュアなどで絶縁層を作り、補修します。画像のような専用の補修材もあります。



【改造前 上面】
左側に2つある黒い四角がモータスイッチング用のTrです。
2SD2098(Q6,7) NPN Ic=5A
(ちなみに右下にある小さめの4つ並んだTrはステア用のものです)
?cmd=upload&act=open&pageid=10&file=P1040058.JPG

【Tr換装後 上面】
Ic=10Aタイプの2SC5001と交換しました。
?cmd=upload&act=open&pageid=10&file=P1040055.JPG



【改造前 下面】
右側に2つある黒い四角がモータスイッチング用のTrです。
2SB1386(Q4,5)  PNP Ic=5A
(左側の16pinのICは、受信機用のチップです。Radio/Driveの両方を制御する、凄いヤツです)
?cmd=upload&act=open&pageid=10&file=P1040059.JPG


【Tr換装後 下面】
上面同様に、Ic=10Aタイプの2SA1834と交換しました。
?cmd=upload&act=open&pageid=10&file=P1040060.JPG



【 パッケージ比較 】
?cmd=upload&act=open&pageid=10&file=060507_1456%7E01.JPG
左が標準用 右が改造用です。 大きさが随分違います。


そのため、ここで紹介したTrを取り付ける際には、一工夫必要となります。

?cmd=upload&act=open&pageid=10&file=P1040056.JPG

?cmd=upload&act=open&pageid=10&file=060507_1808%7E01.JPG 左:加工前 右:加工後

隣り合うTrは、シャシとの幅方向の干渉を避けるため、隙間を空けずに密着させます。
内側になる足は、ほぼ垂直のまま、外側の足を内側に曲げてピッチ調整します。同時に高さも整形し直します。


?cmd=upload&act=open&pageid=10&file=060612_1502%7E01.JPG
エミッタ/コレクタの位置を基準に取付位置を決めると、コレクタ部分が基板より、はみ出してしまうので、適当な銅板(半田吸取線など)で、パターンを延長する必要があります。このためTrは基板より浮き上がることになります。


【注意】

  • 既存のTrを取り外す際に、無理な力を掛けない事。(パターンが剥離します)
  • 基板上面側は、基板の絶縁皮膜が剥離しやすいので、Trを再度取り付ける際には、絶縁処理を十分に行う事。(電池短絡につながります)
  • Trの半田付けは、1ヶ所3秒以内に完了すること。(熱劣化を起こします)



【Tr情報】
あるBBSにて、標準のTrと同じパッケージサイズで、Ic=9Aの大電流が流せる「SANYO 2SA2014/2SC5567」を紹介していただきました。
換装成功事例も報告されていますので、安心して使えると思います。



【 改造基板によるデータシート 】

・シャシ:モンスタシャシ
・電池:Ni-MH AA 4セル
・ピニオン:8T   * (2)HIGH SPEEDのみ10T
・ターボ:使用せず

< 駆動電流表 > モータ単体
(A)
シャシ組付け
(A)
1)HIGH TORQUE st1 
0.26
0.38
2)HIGH SPEED st1 0.37
0.45
3)TorqueTune 0.48
0.60
4)HyperDash2 0.85
0.92
5)PowerDash  0.77
0.98
6)PlasmaDash(改)   0.99
1.12
7)PlasmaDash  2.07
2.39

データ採集中に起動電流を観察していましたが、やはり定常時の3-4倍以上の突入電流が流れているようです。

5)PowerDashについては、ちょっと意外に思うほど低燃費の様子。加速力/最高速/燃費など、ベストバランスだと思います。
ミニ四駆のSpeedCheckerによる測定では、19km/hが表示されました。
(ピニオンは8Tを装着しています)

実験中、7)PlasmaDashの回転速度は、他のモータを圧倒しており、大いに期待していましたが、走行状態では、起動トルクが全く不足し、Normalモータよりも加速が悪い状態に陥りました。
>>>電池パワーが落ちていたのが原因でした。充電直後の電池なら、PowerDash並みの走りを見せてくれました。

モータ単体の電流値から推察するに、恐らく走行時は5A以上の電流を欲していて、電池の放電能力を大幅に超過するために、加速がもたついているように見えます。電池の並列化をすれば良いのでしょうが、発熱の問題など、総合的に考えると、むしろ定格の3Vでドライブすることを考えた方が良さそうです。

また、無改造基板でもOKである、3)TorqueTuneや4)HyperDash2は、Tr換装により、今まで以上に元気になったことを、付け加えておきます。


→その後・・・2006/5/11SprintDash+8Tで走行させてみましたが、PowerDashと比べ、加速性が劣っています。TopSpeedは恐らくSprintの方が早いのでしょうが、加速でモタツクと体感的に遅く感じます。
10Tを組むのであれば、むしろPowerDashの方が適しているみたいです。>>>2006/6/19ハイパー爆ダッシュEngチョット気になります。PowerDashよりトルクフルなので、ハイギアード向きかな??



【エミッタライン(給電ライン)・パターン強化版】



PlasmaDash対応の為に製作しましたが、電池の放電能力が限界である事と、6V給電によるモータの過剰な発熱により、実験段階で終了し、実用化することはありませんでした。

PlasmaDashを安全確実にドライブするには、カスタマの4セル給電は過激すぎです。このモータの場合は、定格電圧の枠内で使用した方が良さそうです。
基板上で、コントロール部とドライブ部を、4セル(6V系)/2セル(3V系)に分けて、Plasmaの定格電圧を給電できるようにすれば、今より遥かに安定するものと思われます。
そのうちに、チャレンジしてみるつもりです。



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