男「お、さんきゅ」
優「えへへー」
男「お帰り」
優「?」
男「思えばこの一言から始まったんだよな」
優「何? 昔のコト?」
男「消しゴムと一緒に俺を拾ってくれてありがとう」
優「えへへー」
優「消しゴム落ちたよー」男「毎回ごめんな」
優「ごめん、じゃないよー。ありがとう、でしょー。日本人の悪い癖なんだよー」
男「そか、ありがとな」
優「どういたしましてー」巌「そんな馬鹿の消しゴムなんぞ拾わなくていいだろうに」
優「巌ちゃん、酷いよー。男君は馬鹿じゃないよー」巌「おまえがいるから、男はいつまでも消しゴム落としてるんじゃないのか?」優「?男君がおっちょこちょいなだけだよー」
男「巌、俺はいいけど、優を責めるのはやめてくれよな」
巌「…それが馬鹿だっていってるんだよ」
男「…なッ!」
巌「いい加減、優を卒業しなさいよ、情けない」
優「いいんだよ、男君はずっと優が守ってあげるの」厳「………そうか」
男「なんなんだろ、アイツ…(でも、確かに優に頼ってちゃダメかもな)」
優「顔が暗いよー?男君ー?」
巌「あのままじゃ、二人とも駄目になっちゃうよ…。私がなんとかしてあげなきゃ」
- 優「Zzz……もう…消しゴム…拾いきれないよー……zzZ」
男「…夢のなかでも拾ってるのか」
- 擾「消しゴム落ちてるよ、あっ、蹴っちゃった!あー、階段に落ちちゃうー!わっ、上履き脱げちゃった!」
俺「おい、優、そんなに騒いでどうした?」
擾「わたし優じゃないよー?」
俺「・・・あ、本当だ」
男「うわっ!?なんだお前?」
消「我輩は消しゴムの神である」
男「はぁ・・・その神様が俺に何の御用で?」
消「お前はこれまで沢山の消しゴムを落としてきた。その消しゴムたちの悲痛な叫びが我輩を呼び寄せたのだ」
男「なっ!?」
消「よって、我輩はお前を消さなければならん。消しゴムの痛みをその身に刻め!!」
ケシケシケシケシ・・・・・・・
男「うわああああああああああああぁぁぁぁぁぁ―――――――――!!」
男「――という夢を見たんだ」
優「ふーん」
男「だから、俺はこれからは二度と消しゴムを落とさないようにしようと思う」
優「それはダメだよー!」
男「なんで!?」
- 修学旅行の晩。同室の同級生と、お決まりの恋愛談義が始まる。
友人A「ところでさ、お前が優と付き合うきっかけになったのって、何?」
俺「あぁ、優が俺の消しゴムを拾ってくれたのが、きっかけかな」
友人B「へっ?」
俺「その時、俺と優の手が触れてさ。それから、お互い意識するようになったのさ」
友人C「・・・くだらない話だ」
俺「なんだって」
友人A・B・C「今時、少女漫画だって、そんなベタな展開は無いぞ」
俺「お前等、俺のせつない思い出を否定したな。彼女もいないくせに」
友人A・B・C「・・・もう寝る!お休み!!」
そして、1週間後。
優「ねぇ、聞いてくれる?」
俺「ん、どうしたの?」
優「最近さ、クラスの男の子達がさ、やたらと消しゴムを落とすんだけど」
俺(・・・あいつ等) 優「なんでだろうね」
俺「もう、拾わなくていいよ」
優「どうして?かわいそうじゃないの」
そういって、小首を傾ける優の姿があまりにも可愛かったので、教室内にもかかわらず、思わず抱き締めてしまった。
優「キャッ。どうしたの、急に。恥ずかしいよぉ・・・」
優の非難と友人A・B・Cの殺意にも似た視線を感じながら、俺は考えた。
あなたの優しさが、自分にだけ向けられたらいいのになぁ。
- 今時、少女漫画のヒロインだって、そんなベタな想いに捉われたりしないかな、と。
俺「それ、白いスーパーボール」
俺「・・・そこにあるではないか」
優「ふんふふ~ん♪」(シャーッ)
男「お、優。何植えたんだ?」
優「消しゴムー」
男「なっ……!」
優「おとといここに植えたんだよー。きっといっぱい消しゴムが生えるよー」
男「そっか…がんばれよ」
コンビニ
バイト「いらっしゃいませー」
男「…………」
優「男くーんっ!」
男「今日はずいぶんご機嫌だな。どうした?」
優「今朝ね、花壇を見に行ったらね、ホラ、消しゴムが生えてたんだよー!みっつも!」
男「よかったな。優がちゃんと世話したからだな」
優「えへへー」
バイト「サー(ry」
俺「・・・あ、ありが」
優「ブレストファイアーっ!!」
俺「・・・やめてマジンガー!」
男「………うん」
俺「・・・あ、ホントだ。ひろいに」
優「エンジェルチェィンジ!!いま助けに行くからな!まってろ消しゴム!」
俺「・・・誰だお前」
優「私、あの日消しゴムがなかったと思うと…今でもぞっとするわ」
優「そしてこれが問題の消しゴム落下VTRだ」
優「はいスタジオには原寸大の消しゴムが用意されてまーす」
男「優、ただやりたいだけなら返しなさい」
優「そう、これが消しゴムのはじまりだったのだ」
男「今時コロラド州で消しゴム返さないやつなんていないぜ!」
優「何を言ってるのかー」
男「お前の真似だ、優」
男「それ角砂糖」
男「いい物?」
優「ヒント:白い」
男「綿菓子か」
優「んー、違うよー。ヒント2:固い」
男「バニラアイス」
優「・・・ヒント3:四角形」
男「角砂糖」
優「キミにとってのいい物って・・・」
男「で、何なんだよいい物って」
優「はい、消しゴム落ちたよー」
男「やっぱりそうなるのか」
俺「あ、ラーメンマン」
男「ちょwwww」
男「ちょwwwwww」
ってネタがあったな
あれはワロタ
男「こえぇ…」
優「この中にあるよ」
男「井…戸…?」
ガンッ
男「うっ!…優…おま…え…」ヒューッ
優「フフフフハハハハ」
先生 「二人とも教室に井戸を作るなー」
男「What?」
男「!、お前、今なんて?」
優「え、消しゴム落ち、、喋れてるー!」
ツカミもオチも無し
男「いや、他にも落ちてるよ」
優「消しゴム以外は自分で拾って!」
男「は、はい…」
優「…消しゴム…消しゴム…」
優「ていう夢を」
男「悪夢だな」
- 優「やぁ、ようこそ、消しゴムハウスへ。まずはこの消しゴムを受け取ってほしい。うん、「また」なんだ。すまない仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも男くんはこの消しゴムを落として、きっと言葉では言い表せない「ときめき」みたいななものを感じたと思うんだ。
そういう気持ちをいつも忘れな」
男「つまり、落とすなってことだな」
優「そゆことー」
俺「ああ、ありがとう」
優「ちょっと汚れが付いてたから削っといたよー。半分くらいー」
俺「お、ありがと・・・・・・俺、騙されてる?」
男「ありがとう、って・・・わざとか?」
優「なにがだい~?」
男「それさっき散らした消しカスじゃねーか」
優「そうだよー?」
男「なんでゴミをわざわざ拾って来るんだよ」
優「こんな小さなゴミでも後で誰かが掃除しなきゃいけないんだよ?」
男「う・・・」
優「はい、じゃあ消しカス集めて消しゴム作りましょうね~」
男「それは断る」
優「え~!ブーブー!!」
男「まともな事言ったと思ったらこれか・・・」
優「そんな時もあるよ~」
男「常に、だろ?」
優「えへへ~」
男「まったく・・・」
男(・・・これからはゴミはちゃんと捨てるか)
~ある授業中~
男(たまには俺が優の消しゴムを拾ってやろう)
巌(誰かに頼るって事がどれだけ自分を甘えさせるかを優に身を持って教えないと・・・まずは消しゴムを拾おう)
二人共(優と消しゴムを)見続ける
優(なんか視線感じるなぁ~・・・あ、手が滑って消しゴムが!)
優が瞬きをするその瞬間、二つの影が優の消しゴムに同時に襲い掛かった
友「シンクロ率増加していきます!!」
女「二人とも、すごい!!」
二人の音速を越える突撃により消しゴムは粉々になった
友「使徒・・完全に沈黙しました」
女「二人とも疲れきって眠っています・・」
先生「二人を回収、使徒の残骸を始末しろ」
女&友「はっ!!」
優「わたしの消しゴム~!!!」
男「俺のな」
優「ここに、心を重ねる」
男「何その物体。どうやって作ったの?」
優「ここからいろんなものを捨てる」
男「あぁ消しゴムと物体Xが…」
優「そしてこうなる
つ『ノストラダムス』」
男「どどど、どうやってー!!?」
俺「・・・大惨事っすね」
男「あぁどうも…ってこれ俺のじゃないじゃん」
優「消しゴムが汚くなってたから私のと変えてあげたんだよー」
男「いや…俺の返してくれよ」
優「私の宝物にするんだからだめだよー」
男「ん、ありがとう」
店員「またイチャイチャっすかwwwwうらやましいっすwwwwww」
男「うっさい黙ってろ////」
店員「サーセンwwwwwwwwwww」
書いてみたけど何このカオス
優「あ、消しゴム落と―」
(びよーん)←ゴム紐付き
(ぱしっ)
優「…」
男「サーセンwwww」
(チョキーン)←ハサミ
優「…」
男「…」
優「サーセンwwwww」
男「ん?何?消しゴムならここにあるぞ?」
優「キミの全てに、私の心が落ちました。」
男「あまーい!!!」
ごめんねごめんね
優「え?あ、ありが「?なんか書いてるのか?ケースが…」
優「や、だ、だめ!ケースとらないでー」
男「なんで俺の名前が消しゴムにかいてあるんだよw」
優「そ、それはー・・・」
男「まさか好きな奴の名前かいて使い切ると両思いなれるおまじないかw」
優「!!」
男「・・・・え?」
優「・・・うー・・・」
男「わ、悪い、泣くな・・・ほら、…早く使い切れよ、な?」
優「・・・ありがとー…」
男「なんでだよ!」
優「…落としてよー…」
男「…」コロッ
優「(!?)あっ、消しゴム落としたよー」
男「…ありがとう(なんでうれしそうなんだ?)」
優「えへへー(君のありがとうは私を幸せにしてくれるんだよー)」
俺「・・・誰だよ」
男「あぁ、毎度悪いな。ありがとう。」
優「そして男君、さらに単位までお」
男「その先は…言うなァァァッ!!」
優「大丈夫、私がちゃんと拾って届けてあげるから。」
男「優…。」
俺「・・・あ、ありが」
優「それー、サード行ったぞー!!」
俺「俺の消しゴムぅぅぅぅうううううううううう!!!」
ズザァァァァアアアアアアア!!!
男「え?あるけど・・」
優「男君のじゃないよー。はいこれ」
男友「え?あ、あぁ すまん」
男「・・・(コロン)」
優「あ、男君、消しゴム落としたよー」
男「え、あ、ありがt―――
優「意図的にー」
男「・・・」
俺「・・・あ、ありが」
優「たこ焼きに入れていいー?」
俺「良い訳無いじゃん!」
俺「・・・あ、ありが・・・あれ?」
優「ちゃんと自分で拾わなきゃダメだよー」
俺「あ、ああ・・・」
優「時には優しくしない優しさもあるって、気づいてほしい・・・」
男「消しゴム?消しゴムだぁ?なんの消しゴムだてめーーーっ!」
優「ライジングアッパーっ!」ゴシャッ
男「うっぎゃああーーーーっ!!おがっ おがっ おががっ」
巌「まだやってんの?あの二人は」
池「まあイメージトレーニングは重要だしな」
巌「そういうもんなの」
池「そうなのです」
俺「・・・あ、ありが」
優「村田兆次は人差し指と中指でつぼをつかんだという・・・」
俺「・・・はい?」
優「だから私もこの消しゴムをー・・」
ポロっ
俺「・・・日々の鍛錬を欠かさないようにせよ」
男「お、あんがと」
優「名前も書いとくよー」
男「おう、て、アレ?自分の名前書いてね?」
優「これなら誰かが拾っても、私が渡してあげれるよー」
男「(///)ちょ、おまえ頭いいな」
優「えへへー ^^ 」
姉「……お疲れ様」
巌「うゎ!いたんですか!」
姉「…ええ。巌ちゃんも早く寝なさいね。美容に悪いわよ」
巌「あ、ありがとうございます」
姉「…じゃあね」
巌「は、はいっ」
巌「しかし、なんでいたんだろ?気配もなか」
姉「まだいるわよー」
巌「きゃあああああああ!」
男「…でー?」
優「今日は広島風じゃけー」
男「毎日変わるのか…」
優「消しゴム落としたよー」
男「お、ありがと」
池「(むむ…俺も…!)」
コロコロコロ…
優「…」
池「(俺には拾ってくれないの!?)」
男「なあ優。池がさ、優が消しゴム拾ってくれないって嘆いてたけど」
優「うーん、わたしも拾ってあげたいんだけどねー」
女「あんたまたほかの子にちょっかい出したでしょ!?」
池「ひいぃ!ごめんなさいもうしません勘弁してください!」
優「ああなっちゃうからだめなんだよー」
男「…なるほど…(これもやさしさ…か?)」
優「あとは、ちょっと嫉妬かなー」
男「…え?」
優「なんでもないよー」
女「私じゃ満足できないってんでしょ!?」
池「そんなことないですあなたが一番ですから耳を引っ張るのはやめて~」
女「じゃあ私『だけ』にしなさい!二番以降はなし!」
池「耳が、耳が~!」
優「(わたしは、あんなに自分の気持ちを主張することはできないから…)」
男「…」
男「優」
優「…え?」
男「…俺は、お前だけだから…な」
優「あ、うん!嬉しいよー!」
ぎゅっ
男「お、おう///」
優「えへへー」
ブチッ
池「ひぎぃっ!」
女「あ…」
優「あなたが落としたのは、この金の消しゴムですか?それとも、銀の消しゴムですか?」
男「・・・。普通の消しゴムです」
優「あなたは正直ものですねー。ご褒美に、金と銀の消しゴムを差し上げましょう」
男「いや、金の消しゴムとか、消せなさそうなんで、いいです」
優「そうですかー」
男「あの、替わりにお願いがあるんですけど」
優「・・・。えっ?そんなんでいいんですかー」
次の日曜日。正直ものの男は、海で、ビキニ姿の優と楽しく遊びました、とさ。
男「ありがとな、優」
優「そして消しゴムを液体窒素に入れるよー」ポイ
男「は?」
パーン
優「消しゴムが爆発したよー」
男「…俺の消しゴムは?」
優「帰りに一緒に買おうねー」
男「そうだねー」
男「おぉありが( Д ) ゜ ゜」
優「どうしたなのだー」
男「( Д )何故バカボンのパパスタイルですか」
優「きょうは馬鹿田大学の後輩がくるなのだー」
男「君、高校生だよね」
優「やぁ喪変女駄路君久し振りなのだー」
池「あー先輩、先輩に菓子折りを持ってきたのに途中でお腹が減って食べてしまいましたー」
男「池、何故洗脳された」
優「初めから君の手土産には期待してないなのだー。さぁ小綺麗なうちのだけどあがってくれなのだー」
池「お腹が空いたのでご飯が欲しいです」
優「お前は後輩ながらずうずうしいやつなのだー。おーいママー」
池「…」
優「…」
男「…俺にママをやれというのか!」
その日は天才バカボンごっこ~真昼の情事篇~を楽しみましたとさ
マ「そんなこと、しないでくださいな喪変女駄路さん」
喪「ドッキーン!先輩、先輩の奥さんを恋愛対象にいれてもいいですか!」
パ「いくらきみがずうずうしくてもゆずれないのだ。」
Orz
俺「・・・いつもありが」
優「もう落とすなよー」
俺「・・・怒ってる?」
優「お、怒ってないよー・・・」
俺「・・・それならいいのだが」
最終更新:2006年09月01日 00:41