男「お、ありがと」
優「えへへー」
男「・・・なんだか久しぶりだね」
優「そうだねー」
優「久しぶりー」
男「まだ来ないかな来ないかなと毎日vip確認してたわけだが」
優「すっかりやさしさ中毒だねー」
男「そういえばこの前下校中の電車の中で辛そうなお婆さんがいたんだよ」
優「ほうほうそれでそれでー?」
男「もちろん席譲ったぜ」
優「偉いよー。早速実行したんだー」
男「おうともさ!・・・ってまあこの状態では自画自賛なんだが」
優「なんのことー?」
男「いや、なんでもない。ああ、それともう一つ言っておきたいことがあったんだ」
優「なになにー?」
男「>>1乙」
優「おつー」
男「お、サンキュ」
優「えへへー、なんだかうれしいねー」
男「…そうだな。思ったより早く会えた」
優「またたくさん消しゴムを拾ってあげるよー」
男「いや、一つでいいから」
友「じゃあその分は俺が!」
男「…えーっと」
友「誰だっけ?みたいな顔はやめてくれ」優「きっとすっぴんだからわからないんだよー」
友「そうか!じゃあ」
ブワッ
池「これでどうだ!」
男「あー、思い出した。イケメン化したくせに三枚目の役どころにされてる奴だった」
池「ひでえ…俺のことわかってくれるのは優ちゃんだけだ…。優ちゃん、こいつはほっといて、俺といっしょn
女「で、私もほっとく気なわけね」
池「ひいっ見つかった!?」
女「もう飽きたけど一応やっておかないとね…ほらちょっと来なさい!」
池「うわ痛だから耳はやめてって痛いいたい~」
男「やっぱ三枚目だな」
優「仲がいいのはいいことだよー」
男「夫婦喧嘩は犬も食わない、ってか」
優「わたしたちも仲良くしようねー」
男「お、おう(////)」
優「あ、そうだ。言い忘れてたことがあったよー」
男「奇遇だな、俺も思い出した。一緒に言うか」
優「うん!せーの、」
優・男『ただいまー!』
姉「・・・・・・おかえり」
男「あぁ、ありが」
優「…油断したなー?」
男「!!…し、しまった…久々の優しさに触れて…
俺は…!俺は油断して…!」
優「ククク…!コンマ5秒だ…!このコンマ5秒で…!」
男「……!!!!」
チュッ
優「ククク…甘いっ…決定的にっ…甘いっ…」
男「…やわらかい…しかし…しかしッッ…
何たる屈辱っ………無念っ…」
優「なになにー?消しゴムがー?」
男「優は消しゴムのことしか頭にないのか」
男「ありがと」
優「・・・このスレは落とさないよー」
男「なんのことだ?」
男「そ、そうか・・・」
- 優「私が保守するから、みんなは他のスレを見てて良いよー」
やさしいマン「行ってきまーす」
オタク「ブヒヒはい、気を付けてねビヒヒッ」
巌「夕方には帰ってきなさいね!」
池「あんあんー………あれ涙が」
やさしいマン「あれ、あそこにいるのはおとこくんじゃないかー」
おとこ「わーん!消しゴム落としちゃったよー!わーん!」
やさしいマン「どうしたんだいおとこくんー」
おとこ「わぁっやさしいマンー」
やさしいマン「こんな森の中で何がどうしたんだいー」
おとこ「森の中で消しゴムを落としたんだー」
やさしいマン「そうだったのかー」
むぎっ
やさしいマン「僕の消しゴムを」
おとこ「wwwwいらないwwww」
男「頭がレゲエおじさんみたいだと思ったらカラフルな消しゴムだったのか」
優「愛と勇気だけが友達なんだよー」
男「wwwww俺は?wwwwww」
優「君は違うよー」
優「君はー…」
優「あ!誰かが泣いてる!」
男「wwwwwwwちょwwwww」
男「あ、優だ。おーい、優ー!」
優「しーっ。だよー」
男「…ひそひそ(なになに?どうした?)」
優「ひそひそ(見てみてー)」
男「ひそひそ(あ、転んで泣いてる子が…)」
「…ひそひそ(…助け起こしてやんないの?)」
優「ひそひそ…(うん…)」
男「ひそひそ(優のわりに冷たいな)」
優「ひそひそ(あ、見てー)」
男「ひそひそ(あ、起きた。…かーちゃんとこに走ってく)」
優「…よしよし。いい子だいい子だー」
男「なんで見てるだけだったん?」
優「自分で起きれるようにならなくちゃー。ホントは手伝ってあげたいけどー」
「見守る優しさってものもあるんだよー?」
男「おぉ、すまんな」
優「別にいいよー」
男「いや、毎回拾ってもらってて、繰り返しみたいで悪いなーと思ってさ」
優「いいんだよー、あ、男くん黒板ー…」
男「ん?」ポロッ
優「あ、消しゴム落としたよー」
男「あぁ、すまんな」
優「別にいいよー」
男「いや、毎回拾ってもらってて、繰り返しみたいで悪いなーと思ってさ」
優「いいんだよー、あ、男くん黒板ー…」
男「ん?」ポロッ
優「あ、消しゴム落としたよー」
十分後
男「おぉ…すまん…な」
優「…別に…い」
男「待て…ちょっと…ループ…」
優「…えー…あ…黒板…」
男「…黒板…消しゴム…繰り返…」ガクッ
優「…」ガクッ
先生「ふむ。十分で気付いた…が、体力は無し、と」
男「ん?」
優「けぇしごむをー」
男「あぁ、ありがとう、てあれ?」
優「おぉとしましたぁー」
男「…あぁ」
優「しかぁし、あなたはぁー重要な事実をぉー見逃していますぅー」
男「…重要な事実…?」
優「そう…その事実とは…(省略されました。続きを聞くには消しゴムを落として下さい)」
男「いいから返してね」
友「…えいっ」ポロッ
優「…であるからしてぇー」男Σ
男「ありがとう」
優「礼にはおよばないよー」
男「礼はあげるつもりないけどさ」
優「・・・」
ポトッ
優「消しゴム落ちてるよー」
男「・・・」
優「そうだねー」
男「なんでこんなに過疎ってるんだ?」
優「多分今頃みんな必死で長編書いてるんだよー」
男「なるほど。そりゃ期待だな」
優「うん、きっと・・・いや絶対そうに決まってるんだよー!」
男「・・・どこ向いて言ってんだ?」
- 「優は優しいね」とよく言われるけど、「優しい」ってなんだかわからない。
私は、何かをしてあげたいだけ。
「ありがとうって言葉の意味、わかる?」
いつだったかお母さんが教えてくれたことがある。
ありがとうを漢字にすると「有難う」。つまり、普通だったらありえないことだということ。
もしかしたら優がなんでもないと思っていることをしたとしても、
ありがとうって言ってくれた人にとって、星の数ほどいる人間の中で一瞬だけでも優が「特別な存在」になったんだよ。
お母さんが教えてくれたことを鮮明に思い出しながら目を開けると、そこはいつもの教室。
隣の席には、ノートに決して上手いとは言えないような字を一心不乱に書いている男君の横顔。
床には、見慣れた消しゴム。
いつもの景色。いつもの光景。
もぅ、いっつもいっつも気づかないんだからー。
私はいつものように消しゴムを拾い、
そんな私のことすら見えない程ノートに向かっている男君。
その横顔を見て私はふっと微笑む。
そして私は男君の制服の袖を引っ張る。
「消しゴム落ちたよー」
消しゴムを拾うことはなんでもないこと。
お礼なんて必要ない。けど、男君だけには期待してしまう。
男君がいっつも言ってくれる、素敵な言葉を。
一瞬でも、男君の「特別な存在」になりたいから。
「ありがとう」
最終更新:2006年09月18日 19:10