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2-3-2 「バックラッシュ」の言説史 2003年~2004年


2003年1月

  • 千葉県にて、「男らしさ、女らしさを一方的に否定することなく」と記された男女共同参画条例に関する自民党独自案が提出。
  • 『週刊新潮』が「女性器にまで触らせる小学校の『過激すぎる性教育』」(23日号)、「高校生にも男女同室着替えをさせる「ジェンダーフリー」教育の元凶」(30日号)という特集記事を続けて掲載。「文化的マルキスト」「理想はカタツムリ」とキャプションをうち、山谷えり子、八木秀次、高橋史朗らのコメントを掲載しつつ、大沢真理、上野千鶴子を「2大教祖」「ジェンダーフリーを広めた同志2人」と批判。
  • 国際勝共連合(「統一教会」の教祖、文鮮明が共産主義思想打倒のために設立した団体)、「・2003年 内外情勢の展望」にて「共産主義者は青少年の堕落を誘うべく過激な性教育論を学校に持ち込んでいるばかりか、はき違えた『男女共同参画』論を行政に持ち込み伝統的な家庭観と男女観潰しに奔走し、さらには税制や社会保障政策にも介入し家庭の絆を崩壊させる方向で徘徊している」と言及。
  • 『正論』(03年02月号)、中川八洋「両性具有への人間改造 ジェンダー・フリー教育の正体」掲載。

2003年2月

  • 産経新聞、「長野でも過激性教育 小一に性器名称」(19日)、「府中の市立小 黒板に性器名称」(20日)「広島でも小一に性器名称」(23日)など「性教育批判」のキャンペーンを展開。
  • 林省吾、内閣委員会にて「産経新聞が、男女共同参画社会条例、この条例にいろいろと問題があるということを盛んに書いております。中には、表現の自由の侵害もあるというふうなことまで言っているわけであります、明らかにいわゆるジェンダーフリーまで認めてしまうような男女共同参画社会のあり方でいいんだろうかと。今、いろいろなところでいろいろな問題が起きています。例えば、今大学で、教師がまともに学生の目を見て授業ができない。目が合うと、はいセクハラだ、ああだこうだと言われるわけです。下を向いて、前を向くときには肩と肩の間を見て、天井を見て授業をする。恥ずかしい話ですが、こんなことは一々世間では問題にはなっておりません。これは明らかに行き過ぎではないかということを、いろいろと、こまごまとお聞きをするつもりでございました」と言及。
  • 水島広子、予算委員会第一分科会にて「最近、自治体のプログラムなどで、ジェンダーフリーと名前のついたものが認められなくなるというような動きがあると聞いております」と言及。
  • 山谷えり子、予算委員会第一分科会で岡山県新見市、千葉県市川市、茨城県水戸市、三重県桑名市などの男女共同参画条例に触れ、「表現の自由と抵触するおそれがあるというようなものが、全国で二十五を超える自治体で規定が見られるわけでございます」と言及。
  • 日本の家庭を守る地方議員の会、「ぶっとばせ!ジェンダーフリー ―男女共生・児童の権利の政治的歪曲を赦さない緊急集会」主催。山谷えり子、高橋史朗が講演。
  • 千葉県、男女共同参画条例廃案。
  • 宝島real『まれに見るバカ女』出版。

2003年3月

  • 秋田県、公文書からジェンダーフリーという表現を見合わせることに決定。
  • 『正論』(03年04月号)に高橋史郎「理想はフリーセックス・同性愛! 過激な性教育の背景を暴く」、小島新一「これは本気だぞ 男女平等教育の真の狙いは革命にあり」、新田均「あの上野千鶴子女史も仰天! 全国一ひどい桑名市のジェンダー条例」、など掲載。

2003年4月

  • 新潟県白根市茨曽根小学校の校長が「ジェンダーフリー思想は共産主義思想に基づく」「男女混合名簿はマルクス主義フェミニズムにもとづいている」として男女別名簿に変更。
  • 『正論』(03年05月号)、山谷えり子・高橋史郎・長田安司「家族が危ない! 国自ら国を滅ぼす子育て支援策の大愚」掲載。

2003年5月

  • 東京都青少年センター企画講座「“性”がわかれば素敵な恋愛もデキル!正しい性の知識を持とう」が抗議で中止。
  • 日本政策センター、中川八洋『これがジェンダー・フリーの正体だ』発行。日本政策センターは機関冊子『明日への選択』で男女共同参画やフェミニズム批判を展開するほか、『ここまで来ている「男女共同参画」』『選択性だからこそ問題だ』等を発行。

2003年6月

  • 『正論』(03年07月号)、高橋史郎「相次ぐ過激な男女共同参画条例制定 家族解体伝統破壊へと暴走する自治体」
  • 石原慎太郎、施政方針演説でジェンダーフリー批判。「最近、教育の現場をはじめ、様々な場面で男女の違いを無理やり無視しようとするジェンダーフリー論が跋扈」「この問題に対峙してまいります」と言及。

2003年7月

  • 福岡市に「男女共同参画は性犯罪助長」というポスターが貼られる。市によって40枚撤去。
  • 鹿児島県議会、「男女の区別を一切排除しようとする立場はあやまり」とする、「新の男女共同参画社会の実現」を決議。これは6月に提出・受理された「県内の幼稚園、小、中学、高等学校でジェンダーフリー教育を行わないように求める陳情」を受けたもの。
  • 「男女共同参画とジェンダーフリーを考える会」(連絡先は日本会議事務局)が『あぶない!「男女共同参画条例」』を刊行。日本会議のブログ「草莽崛起」、機関紙『日本の息吹』、メールやFAXなどで繰り返し宣伝される。『正論』(03年08月号)、粕淵由紀子「フェミナチ(フェミ原理主義者)の再攻勢が始まった」、田中英道「日本のメディアを支配する隠れマルクス主義 フランクフルト学派とは」を掲載。
  • 東京都立七生養護学校に古賀俊昭、田代ひろし、土屋たかゆきの各都議会議員、町田の大西宣也市議、日野の渡辺眞市議、杉並の松浦芳子区議達と、東京都教委、産経新聞の記者達が「調査」に入り、性教育の教材を没収。この件について、産経新聞が「まるでアダルトショップのよう」と言及。本件に関連し、9月には都立養護学校の教員の大量処分がなされる(22校の校長、教頭、教員計102名を減給あるいは戒告、厳重注意処分。但し、性教育の実践内容については処分なし)。
  • 読売新聞、「ジェンダーフリーの呪縛を解け」とする社説を掲載。
  • 日本会議、ジェンダーフリーへの批判を含むパンフレット『教育基本法の改正を』発行。
宝島real『まれに見るバカ女との闘い』出版。

2003年8月

  • 『正論』(03年09月号)、土屋たかゆき「ここまできた性教育 アダルトグッズが乱舞する教室」掲載。
  • 土屋たかゆき、世界日報(4日)にて「保健室はまるでアダルトショップ」と語る。
  • 東京都に設置された「都立盲・ろう・擁護学校経営調査委員会」が、全56校1分校のうち、28校で「不適正な実態」があったと報告。

2003年 9月

  • 石川県、宮元陸県議「ジェンダーフリーは生殖器以外の男女の性差を認めないという危険な思想だ」と言及。県文化局長が「県が新たに作成する文書でジェンダーフリーの使用は控えます」と回答。
  • 福岡市議会、男女共同参画推進の中間とりまとめを発表、パブリックコメントを募集。約2・200件の応募、約8割が男女共同参画への批判。

2003年10月

  • 東京都荒川区長、「形式的、機械的平等論の行く末は、家庭の崩壊、性道徳の乱れ、教育の無力化、伝統文化の否定につながり、ひいては日本社会の崩壊を招きかねない危険な考えを内包している」と言及。
  • 石川県男女共同参画推進条例の運用に際し、「ジェンダーフリーと称する過激な思想運動に利用されてはならない」とする請願を採択。
  • 徳島県議会、「男女の区別を一切排除しようとする立場は誤りとする真の男女共同参画社会実現を求める決議」採択。

2003年11月

  • 『正論』(03年12月号)、野牧雅子「過激性教育の伝道者たちよ、そんなに批判が怖いのか!」掲載。
  • 山口県議会にて、橋本尚理「日本の家族と愛する国を次の世代に正しく伝えるか否かは、極端に偏向したフェミニストによりつくられた『ジェンダー』思想に、国を初め、多くの地方自治体が振り回されている今こそ、ジェンダーフリーの危険性を我々自身が認識し、行動を起こすことが必要である」と言及。
  • 『諸君!』(12月号)、八木秀次「ジェンダー“スーパーフリー”という妖怪」掲載。

2003年12月

  • 三重県、土橋伸好教育長が「あいまいな定義であるジェンダーフリーという言葉は、今後県教育委員会では使わない」と言及。
  • 荒川区長、男女共同参画社会懇談会に林道義、八木秀次、高橋史朗らを条例案策定の懇談会委員に任命。後に報告書を提出するも、条例案は撤回される。
  • 『正論』(04年02月号)、石井公一郎「ジェンダーフリーの元祖はやっぱりマルクスとエンゲルス」掲載。

2004年1月

  • 鹿児島県議会、ジェンダフリー教育反対の陳情採択。
  • 国際勝共連合、運動方針に「家庭や伝統基盤を破壊する過激な性教育やジェンダー・フリー等の共産主義思想の浸透および策動を阻止し、その克服をめざす」と明示。また、公式HP「勝共連合36年の歩み」には、「日本国内には、マスコミ界や学界、教育界、地方政界など、いまだ各界に共産勢力が温存されているばかりか、過激な性教育推進論や、ジェンダーフリーを唱えるはき違えた男女共同参画論など共産主義思想が巧妙に姿を変えて浸透し、日本の伝統基盤を根底から崩壊させようとしており、こうした動きを看過するわけにはいかない。本連合は地方基盤の拡充に力を注ぎ、きめ細かな勝共運動によって共産主義一掃に全力を挙げるべきであると考える」と記述。
  • テレビ朝日『TVタックル』、「2004年新時代の大ゲンカ!なんかヘンだぞ!?ジェンダーフリー論争!」を放送。

2004年2月

  • 大阪府豊中市男女共同参画センター「すてっぷ」、館長三井マリ子雇止め。「バックラッシュ裁判」に。
  • 渡部昇一、新田均、八木秀次『日本を貶める人々』(PHP研究所)出版。

2004年 3月

  • 青森県、公文書でジェンダーフリーという表現を使わないと決定。
  • 三重県議会、「性教育、ジェンダーフリー教育の是正を求める請願」を不採択。一方、「ジェンダーフリー」は県教委で不使用に。
  • 長野県岡谷市、「互いの特性を認め合う」条例修正案を可決 。これに関連して、衆議院予算委員会で、西川京子自民党衆議院議員(日本会議の「日本女性の会」副会長)が「男女の機会平等をめざす男女共同参画社会基本法の理念と違う、行き過ぎた教育がジェンダーフリーの名の下に行われている。国の秩序を乱し社会問題となっている」「性差否定の教育が急激に広まっている。中性人間を創るような教育現場に危惧を感じる」と言及。
  • 山口県、「教育再生地方議員百人と市民の会」の岡村精二議員に、ジェンダーフリーという言葉が誤解を招くとして「学校における男女平等教育推進の手引き」不使用を通達したと答弁 。

2004年 4月

  • 内閣府、ジェンダーフリーの用語にについて「使用しないほうが良い」の考えを示す。
  • 石原東京都知事、教育施策連絡会にて「男女は本来等質でない。質が違うということは大事なことであり、それを差別とか不平等と勘違いしてはいけない。ジェンダーフリーの考えは非人間的だと思う」と言及。米長邦雄(東京都教育委員)、「一番大きな問題は男女混合名簿です。これについては校長が毅然とした態度ではねつけることが大切です」「皆さん方がやることは2つです。男女混合名簿に屈するな。もう一つは、出したい教師は必ず出してくれ」と言及。
  • 『正論』(04年05月号)、神野吉弘「アダルトグッズ店長を招いた品川区シンポの非常識 男女別トイレは暴力?」掲載。
  • 千葉展正『男と女の戦争 反フェミニズム入門』(展転社)出版。

2004年 5月

  • 東京都教育委員会、「男女混合名簿が性差をつぶすことに刷りかえられるのは危険。男女平等を短絡的にとらえているようにも取れる」と言及。
  • 『正論』(04年06月号)、「山口敏昭「フェミニズム条例を一掃しよう!」を掲載。

2004年 6月

  • 自民党改憲プロジェクトチーム、憲法24条の見直しを提言。
  • 福岡県筑後市議会で「男女の区別を差別と見誤って否定の対象としないように」の条例修正案を可決
  • 『正論』(04年07月号)、山谷えり子・マークス寿子・富田和巳・川島隆太「脳科学が証明した家庭教育と父性・母性の重要性」、新田均「レイプや近親相姦は当たり前!? 子供達に過激な性教育を注ぎ込んでいるのは誰か」を掲載。

2004年 7月

  • 東京都荒川区長が区議会で男女共同参画社会基本条例案を取り下げる。
  • 毎日新聞、論点「男女平等とジェンダーフリー教育」を掲載。

2004年 8月

  • 東京都教育委員会、ジェンダーフリーの言葉不使用を決め都立学校に「男らしさ女らしさをすべて否定する意味で使われることがあり誤解を招きかねないため」「男らしさ女らしさをすべて否定するような誤った考え方としてのジェンダーフリーに基づく混合名簿を作ってはならない。男女平等理念に基づくものは従来どおり使える」と通知。
  • 『正論』(04年09月号)、増谷満「闘いはこれからだ! ネット言論にみるフェミニズムの横暴」、林道義「フェミ・ファシズムの無法をあばく 魑魅魍魎の世界「東京都荒川区」の真相」を掲載。
  • 保守系専門番組「日本文化チャンネル桜」、「スカイパーフェクTV!」767chや、一部ケーブルテレビにて放送開始(但し、インターネット掲示板は・2003年8月頃から運営されていた)。

2004年 9月

  • 神奈川県教育委員会、「ジェンダーフリーという言葉を改定中の男女平等教育の指導資料で使わない」方針。曽根教育長、「男女の違いを画一的に一切排除するという意味での使用の場合があり、誤解を招く恐れがある」と説明 。
  • 『正論』(04年10月号)、山谷えり子・長谷川三千子「少子化・負け犬時代に女の矜持を語る」掲載。

2004年10月

  • 高橋史朗、埼玉県教育委員に就任。性教育などへの批判を繰り返し行う。
  • 「青少年健全育成と美しい家庭を考える会」(連絡先は世界平和青年連合武蔵野・三鷹支部と同じもの。世界平和青年連合は、文鮮明師の提唱により創設された青年組織)、吉祥寺で「純潔!」と叫びながらデモ行進。「過激な性教育の元凶はジェンダーフリー教育」とのプラカードとシュプレヒコール。

2004年11月

  • 細田博之、参議院内閣委員会にて「着替えや宿泊を同じくするなどということは男女共同参画の趣旨とは全く異なると考えております。ジェンダーという言葉は、一九九五年の第四回世界女性会議で採択された北京宣言及び行動綱領において、生物学的な性別を示すセックスに対して、社会的、文化的に形成された性別を示す概念として使用されております。これを受けて、男女共同参画基本計画においても、社会的、文化的に形成された性別、ジェンダーと定義した上で、ジェンダーに敏感な視点などの形で使用しております。基本法におきまして、ジェンダーという用語はまだこなれていないということで使用しておりませんが、第三条におきまして、「男女が個人として能力を発揮する機会が確保されること」等の文言にこの考え方は盛り込まれております。ジェンダーフリーという用語につきましては、使用する人によりましてその意味や主張する内容は様々であり、また、男女共同参画社会基本法、基本計画等においても使用しておりません。ジェンダーフリーという用語について、一部に画一的に男女の違いをなくし、人間の中性化を目指すという意味で使用している方がおられるようでありますが、男女共同参画社会はこのようなことを目指すものではありません」と言及。以後、「男女共同参画はジェンダーフリーを否定」と主張する際の論拠として用いられる。
  • 山谷えり子、少子高齢社会に関する調査会にて「教科書では、祖母は孫を家族と考えていても、孫は祖母を家族と考えない場合もあるだろう、犬や猫のペットを大切な家族の一員と考える人もあるという。これは本当に東アジアの文化圏としてはちょっとおかしいんじゃないかなと思うような記述」「外注化するだけではなくて、母性を育てるプログラムの充実策というような視点からの切り口という研究をしていただきたい」「今現在、地方条例で、例えば水戸市では、家事労働、育児などに対し経済的評価を与えることを家族の目標とするような形で、その男女共同参画の中に非常にラジカルな、フェミニズム的な思想とか、あるいはそのジェンダーフリー思想ですね、そういうものが入っている場合があるんですね。ですから、その辺もちょっと注意しながらこれから政策等々を考えていかなければいけないというふうに感じております」等と言及。
  • 山谷えり子、少子高齢社会に関する調査会にて「教育現場での家庭科の教科書とか副教材、年齢を無視した過激な性教育の実態と、こういうものは是非調べていただきたいというふうに思います。といいますのも、欧米でこのような過激な性記述教育しましたところ、性病が増えて中絶が増えた。今、日本でも、十九歳の女の子の十三人に一人が性病にかかっている。中絶も増えております。子宮頸がん、性病が原因の子宮頸がんもこの十年で四倍というような日本の現状を非常に憂えておりますので、そのようなこと。ジェンダーフリー教育も問題ですし、そういう教育の現状をお調べいただきたいと思います」と言及。
  • 『正論』(04年12月号)、千葉展正「これは怖い 教科書黒書ジェンダーフリー版」

2004年12月

  • 埼玉県、高橋史朗を教育委員に選任。
  • 産経新聞、大阪府吹田市教育委員会の作成している性教育副読本を「過激な性教育」として批判。
  • 渡部昇一『男は男らしく女は女らしく』(ワック株式会社)
  • 三重県桑名市の「男女平等をすすめるための条例」が失効。合併による新市に引き継がないことを決定 。
  • 『正論』(05年01月号)、新田均「やっぱり常識が勝った! 上野千鶴子女史が激賞したジェンダーフリー条例失効の顛末」を掲載。