【!家電製品に表示されている仕様の周波数とは違う周波数の地域で使用する場合について!】
日本国内では、西日本(60Hz)と東日本(50Hz)では、電源周波数に違いがあります。
その為、国内で販売されている電化製品の殆どは、50/60Hz仕様となっておりますが、海外の電化製品などは、220V/50Hzといった、50Hzのみの仕様であったり、逆に60Hzのみの仕様の製品があります。
海外製品を国内で使用する場合、電源電圧はステップアップトランス(昇圧変圧器)で電源電圧を昇圧させることで対応は可能ですが、電源周波数を変更することができません。
50Hz仕様の製品を関西などの60Hz地域で、60Hz仕様の製品を関東などの50Hz地域でご使用になる場合、十分に性能を発揮できないばかりか、故障の原因になる場合がございますので注意してください。
また、タイマーを使用する製品においては周波数が違うことによって、時間が遅れたり早くなったりするなど正しい時を刻めなくなるなどの問題が発生する場合があります。
※西日本(60Hz)地域で60Hzの製品を使用する場合は、ステップアップトランス(昇圧変圧器)を使用して仕様通りの電圧に昇圧し、50Hzの製品を使用する場合は交流安定化電源や常時インバーター給電方式UPS(無停電電源装置)を使用して周波数変換&電圧昇圧を行い、安全に注意して使用してください。
※東日本(50Hz)地域で50Hzの製品を使用する場合は、ステップアップトランス(昇圧変圧器)を使用して仕様通りの電圧に昇圧し、60Hzの製品を使用する場合は交流安定化電源や常時インバーター給電方式UPS(無停電電源装置)を使用して周波数変換&電圧昇圧を行い、安全に注意して使用してください。
【海外の調理家電製品を日本で使うのに必要な物】
1.ステップアップトランス(昇圧変圧器)
(※海外の調理家電製品の動作する電圧に、変換(電圧を昇圧)する装置です。)
(※電磁誘導型の、昇圧変圧器を使用してください。)
(※出力される波形が、正弦波になる昇圧変圧器を使用してください。)
(※トラベルアップトランスなどの製品ではサイリスタチョッパ制御の製品が多く、出力される波形が正弦波にはならないので主にコードレスハンディーブレンダーなどの充電式製品で、正常に動作しない・製品本体の発熱・発火・爆発(バッテリの破裂等)などを招く恐れがあるので使用できません。
非充電式製品でも正常に動作しない・電源ケーブルや製品本体が発熱・発火・爆発(電解コンデンサの破裂/妊娠等)する場合があります。
その他にも電源ラインや昇圧変圧器の爆発(破裂)が起こる場合もあるので、必ず電磁誘導型の昇圧変圧器を使用してください。)
2.変換プラグアダプター
(※電源コードのプラグを日本国内用に変換する物です。)
(※変換プラグアダプターのみで調理家電製品を使用することはできません。)
【ステップアップトランス(昇圧変圧器)の選び方】
電気調理器などの調理家電でモーターやコンプレッサーを使用する製品や、熱を発する消費電力の大きい製品を変圧器を通して使用したいという場合は、定格容量の2~3倍の容量のステップアップトランス(昇圧変圧器)が必要になります。
(例:1200Wのドライヤー ─> 3600Wの変圧器が必要)
定格容量が1500W~3000Wを超えるものについては、ポータブルタイプでも大きくてとても重たい変圧器が必要になります。
また、定格容量が大きいステップアップトランス(昇圧変圧器)は値段も大変高価なので、家電製品+ステップアップトランス(昇圧変圧器)の合計購入金額が国内向け製品を買うのと変わらない値段かそれ以上となってしまいます。
※ステップアップトランス(昇圧変圧器)を30分以上連続使用する場合は、昇圧変圧器定格容量の80%以内容量でご使用下さい。
【可能であれば用意したいもの】
1.交流安定化電源
◆通常運転時、インバータを経由して出力するのはUPSと同じですが、停電時にバッテリからのバックアップ機能がありません。
◆入力電源に含まれるノイズを取り除き、常に一定電圧、一定周波数で給電することができます。
(例:入力100V±50Hzを出力115V60Hzとすることが可能)
◆また、製品によっては出力電圧を選べたり、出力周波数を50Hz・60Hzどちらか選べたり、入力周波数と非同期で出力周波数を一定の範囲内で可変させることが可能なので、周波数変換器の代わりになります。
(※数種類の電圧入力に対応していたり、数種類の電圧出力に対応していたり、周波数の変換ができるなど国内外で使用できる製品があります。)
(※ポータブルタイプのほかにラックマウントタイプもあり、省スペースで使用できる製品もあります。)
(※周波数を変換できる機器では家庭用サイズであるが、理化学実験用や電子機器評価用などの製品が多くUPS同様気軽に買える値段ではありません。)
(※交流安定化電源を30分以上連続使用する場合は、製品仕様によっては交流安定化電源定格容量の80%以内容量でご使用下さい。)
2.常時インバーター給電方式UPS(無停電電源装置)
◆インバータによって、常に調整された安定した出力を接続機器へ出力するUPSです。
◆通常インバータ回路が常に給電することになるため、常時インバータ給電方式と呼んでいます。
◆この方式では商用電源に生じる電源障害が機器に伝わることはなく、停電発生時にも運転切り換え時の断時間を発生することなくクリーンな電力を供給します。
◆連続したインバータ運転が可能であるため、バッテリを増設することでバックアップ時間の延長が可能であることも特徴のひとつです。
◆また、製品によっては出力電圧を選べたり、出力周波数を50Hz・60Hzどちらか選べたりするので周波数変換器の代わりになります。
(※数種類の電圧入力に対応していたり、数種類の電圧出力に対応していたり、周波数の変換ができるなど国内外で使用できる製品があります。)
(※ラインインタラクティブ方式/常時商用給電方式を採用した製品もありますが、停電時の電源障害(瞬断)が機器に伝わることがあります。
メリットとしては、常時インバーター給電方式UPSよりも若干安価で購入できます。
デメリットとしては通常時は交流スルー方式が多く、電圧の変換や周波数の変換が出来ない製品や出力波形が矩形波の製品もありますので製品選択には注意が必要です。)
(※非常に高価なため50Hz・60Hzの周波数が合った製品+昇圧変圧器を使用したほうが安上がりな場合があります。)
(※常時インバーター給電方式で周波数を変換できる機器は大半が業務用サイズであり、価格も高価で手軽に買える値段ではありません。)
3.AC電圧スライダー(ボルトスライダー・電圧調整機)
(※交流電源の電圧を可変させるもので、周波数の変換は出来ません。)
(※出力できるアンペア数違いでいくつか製品が存在します。)
(※値段がピンキリになりますので、ステップアップトランスと良く比べていただいてお選びください。)
4.自作周波数変換器(AC/ACコンバータ)
参考情報サイトhttp://www.mokkin.jp/elec/fcon.htm
【絶対に注意しなければならない重要事項】
1.個人輸入代行の海外製品販売店では『日本国内で動作確認済み』となっている場合が多いですが、入力電圧/入力周波数が製品の仕様と違っても正常に動作するかどうかは購入前にしっかり確認する必要がありますので、購入の際はご注意ください。
2.個人輸入代行の海外製品販売店では『120Vの製品を100Vで使用するのは米国では許容範囲内』と表記している場合が多いですが、120V+/-10%が適正な許容範囲です。
3.許容範囲を超えての使用(製品の仕様に適合した入力電流/入力電圧/入力周波数でない場合等)は製品の正常な能力を発揮できないだけでなく、能力を発揮しようと許容電流値を超した電流が流れるため電源ケーブルや製品本体が発熱し、最終的には発火・故障・爆発(電解コンデンサの破裂/妊娠等)などを招く恐れがあります。
4.アイスクリーマーなどのコンプレッサー使用製品で問題となるのが電源周波数です。
アイスクリーマーのコンプレッサーはモータを使っていますが、モータの回転数は、極数と周波数で決まります。
2P(2極)のモータで60Hz地域ですと、60Hz×60sec=3600rpmですが、50Hz地域ですと、50×60=3000rpmとなります。
つまり、アイスクリーマーの場合、60Hz地域から50Hz地域への移動は能力の低下を招きますのでご注意ください。
5.個人輸入代行の海外製品販売店では主に60Hzのアメリカからの直輸入が多いので、50Hzの東日本地域で使用する場合はヨーロッパ方面の50Hz地域の仕様の製品、もしくは、50/60Hz仕様の製品を個人輸入する事をお勧めします。
6.日本では、50Hz/60Hzの周波数を切り替える『周波数変換器』という周波数の変換に特化した製品が発売されていますが、非常に高価であり定格容量が大きい物は大型で家庭向けではないのでお勧めできません。
主要海外電圧&周波数一覧(※直輸入の多い国順※) |
国名 |
住宅用公称電圧 |
工業用公称電圧 |
周波数 |
プラグ形状 |
日本 |
単相2線100V |
3相3線200V |
50・60Hz |
A |
単相3線200V |
アメリカ合衆国 |
単相2線120V |
3相4線208V |
60Hz |
A |
単相2線265V |
3相4線460V |
単相2線277V |
3相4線480V |
単相3線115/230V |
|
単相3線120/240V |
|
単相3線240/480V |
|
カナダ |
単相2線120V |
3相4線208V |
60Hz |
A・BF |
単相2線240V |
イタリア |
単相2線220V |
3相4線380V |
50Hz |
C・SE |
オーストラリア |
単相2線240V |
3相4線415V |
50Hz |
O |
フランス |
単相2線230V |
3相4線400V |
50Hz |
C・SE |
ドイツ |
単相2線230V |
3相4線400V |
50Hz |
C・SE |
イギリス |
単相2線240V |
3相4線415V |
50Hz |
B・B3・BF・C |
グアム島 |
単相2線120V |
3相4線208V |
60Hz |
A |
ハワイ |
単相2線120V |
3相4線208V |
60Hz |
A |
単相2線277V |
3相4線480V |
単相3線120/240V |
最終更新:2018年04月07日 19:22