東海道湾岸鉄道400系電車
400系電車(400けいでんしゃ)は、東海道湾岸鉄道?の特急形電車。1967年から1976年にかけて製造された。全車が静岡総合車両所に所属している。
主要諸元
起動加速度 | 2.2km/h/s |
営業最高速度 | 140km/h |
設計最高速度 | 155km/h |
減速度 | 3.8km/h/s(通常) 4.6km/h/s(非常) |
最大寸法 | 20,500×2,946×3.745mm |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 | 直流1,500V |
出力 | 120kW / 基(MT54) |
歯車比 | 1:3.33 |
制御装置 | 直並列組合せ抵抗制御、弱め界磁制御 |
駆動装置 | 中空軸平行カルダンたわみ板継手方式 |
電動機 | 直流直巻電動機 |
ブレーキ方式 | 電気指令式空気ブレーキ 抑速・耐雪・発電・直通予備ブレーキ |
保安装置 | ATS-SW,ATS-P,東鉄CS-ATC,列車防護無線装置 誘導無線装置,デジタル列車無線 |
概要
東海道湾岸鉄道初となる特急列車「かがやき」で使用することを前提に、東海道湾岸鉄道線内全線を走行可能な特急形電車として開発された。ベースは当時国鉄が投入していた485系(厳密には481系)で、東海道湾岸鉄道(当時は湾岸急行鉄道)には交流区間がないことから、交流機器の搭載を見送っている。しかし、後にこの判断は失敗だったとされ、後継車である30000系?と50000系?は共に交流機器を搭載している。これについては後述する。
外観は中間車やカラーリングはあっさり決定したものの、先頭車は複数の案が提示され、先頭車の設計は難航した。そのためコンペティションが行われ、一番優勢であったことや、当時の国鉄特急形車両の標準であったことからパーツの流用も可能であり、コスト削減にも繋がるとして前期型はボンネット形の先頭車を採用した。カラーリングは東海道湾岸鉄道オリジナルであるが、イメージとしては151系を踏襲している。0番台は前照灯に白熱バルブを使用していたが、100番台はシールドビーム化された。このシールドビーム式前照灯は後に改造で0番台にも普及している。
1972年から製造が始まった後期型も485系の設計を踏襲し、ボンネットが廃止されて「電気釜」と呼ばれるタイプの先頭形状に変更された。冷房装置もモハ410形は1基で1両全体を冷房できる集中式のAU71形に、その他の形式が分散式の AU13E形5基搭載になり、特徴的なきのこ形カバーを持つAU12形や薄板プレスの車内ルーバーは廃止され全体的により機能優先指向となった。このため、モハ410形は新たに200番台に区分され、クハ400形は前面貫通形である200番台区分の製造後、貫通扉が廃止された300番台が製造された。台車は電動車がDT32E形、付随車はTR69E形だが、クハ400-311・313・315~354、サロ400-115~133、サハ400形100番台はブレーキシリンダをダイヤフラムシリンダとしたTR69H形を履く。また1974年製以降のクハ400形300番台・モハ400-207~255・モハ410-309~345・603~614・サハ400-15~19・101~118は、従来のT-17系回転クロスシートに代わり、R-51系簡易リクライニングシート装着で落成している。この簡易リクライニングシートは投入当初こそ問題にならなかったが、特急列車の増加と運転距離拡大に伴って乗客からの不評が続出、特急「サンダーバード」の運転開始と前後して30000系と同等の座席に換装されている。
その後、1976年度に最終増備車が登場した後はしばらく動きがなかったが、1988年の「スーパーかがやき」運転開始に伴い、本形式を改造した専用車両を投入することとなったためサロ400形5両とサハ400形1両を種車としてクロ400形2000番台5両とクロ400形2100番台1両に改造した。この両者はパノラマグリーン車で、改造にあたっては西日本旅客鉄道(JR西日本)の485系「スーパー雷鳥」編成のパノラマグリーン車の改造を参考にしている。この「スーパーかがやき」編成は2001年に50000系投入に伴う「サンダーバード」の運転拡大によって「スーパーかがやき」がなくなった後、熱海電車区に転属して新宿~静岡間の臨時特急に使用されていたが、2003年のダイヤ改正で池袋・新宿~静岡間に「カーネリアン」が設定されたため再び品川第一車両所に転属し、現在は「かがやき」に使用されている。
全盛期は192両もの在籍数を誇った400系だが、後継車両の30000系・50000系の登場によって徐々に数を減らし、2009年4月現在では9両編成6本54両が品川第一車両所に在籍しているのみである。既に電気釜スタイルの先頭車を静岡方に連結している編成はなく、全てパノラマグリーン車を連結している編成である。