武蔵野鉄道7000系電車
武蔵野鉄道7000系電車は、平成8年に中距離列車のサービス改善のために登場した近郊型電車である。
前期型
後期型
特別車輌
概要
当時の武蔵野鉄道の中距離電車は、5000・6000系の増備および更新の効果である程度安定していたが、特に5000系電車が時代遅れになりつつあった。ライバルの東武鉄道との競争でも有利な立場になるべく、新形式の投入が求められていた。このような状況のなか7000系電車は登場した。
コンセプト
- より快適な列車に
5000系電車は、混雑時にその構造ゆえ乗降に支障をきたすようになっていた。、快適性を確保しつつ乗降性を確保した設計を行った。具体的には普通車にJR西日本223系1000番台と同一の3ドア転換クロスシート(出入口付近は固定クロスシート)を、特別車にはJR西日本681系普通車と同一の座席を採用した点などが挙げられる。車輌の設計には近畿車輛が大きくかかわったとされる。その他については、4000系電車に準ずる。
- 安定した性能
基本的に、足回りや基本システムは4000系電車のものを基本とし、起動加速度(3.0km/h/s)、高速性(最高運転速度130km/h)が向上している。ただし、将来の東海道湾岸鉄道乗り入れを考慮して電動機出力と歯車比が異なる(電動機出力190kW、歯車比5.6)。
ただし、VVVFインバータについては前期型はGTOサイリスタ素子(三菱電機もしくは日立製作所)を用いているが、後期型はIGBT素子(三菱電機もしくは日立製作所)を用いる違いがある。
台車は、軸ばり式ボルスタレス台車(ヨーダンパ・アンチローリング装置付)を採用。また、応答性の良い電気指令式ブレーキを採用し空気・回生(発電)ブレーキの高い協調性と優れた効き(減速度 常用4.0km/h/s 非常5.0km/h/s)を実現している。
5000系や6000系との連結は非常時以外考慮していない。一方10000系電車との営業運転での連結は可能で、50000系登場以後はTIMS搭載の通勤電車とも営業運転での連結が可能になった。
基礎ブレーキは電動車は両抱き踏面ブレーキ、付随車は踏面ユニットブレーキ併用ディスクブレーキで、付随車のブレーキディスクの枚数は1軸あたり2枚である。足尾線乗り入れ対策として耐寒性能の強化、押しボタン式半自動ドア、抑速発電ブレーキの搭載などの対策を施している。
ただし、VVVFインバータについては前期型はGTOサイリスタ素子(三菱電機もしくは日立製作所)を用いているが、後期型はIGBT素子(三菱電機もしくは日立製作所)を用いる違いがある。
台車は、軸ばり式ボルスタレス台車(ヨーダンパ・アンチローリング装置付)を採用。また、応答性の良い電気指令式ブレーキを採用し空気・回生(発電)ブレーキの高い協調性と優れた効き(減速度 常用4.0km/h/s 非常5.0km/h/s)を実現している。
5000系や6000系との連結は非常時以外考慮していない。一方10000系電車との営業運転での連結は可能で、50000系登場以後はTIMS搭載の通勤電車とも営業運転での連結が可能になった。
基礎ブレーキは電動車は両抱き踏面ブレーキ、付随車は踏面ユニットブレーキ併用ディスクブレーキで、付随車のブレーキディスクの枚数は1軸あたり2枚である。足尾線乗り入れ対策として耐寒性能の強化、押しボタン式半自動ドア、抑速発電ブレーキの搭載などの対策を施している。
- 居住性の高さ
座席は転換クロスシートで、ゆったりとしたものにすることにより、長時間の乗車に耐えうるものとした。また。また、身体障害者むけ(車椅子スペース、便所など)の設備も充実している。LED表示による旅客案内設備も設置。
特別車輌は、JR東日本のE217系電車のものを基本に設計した2階建て車輌である。
特別車輌は、JR東日本のE217系電車のものを基本に設計した2階建て車輌である。
増備について
前期型は平成8~11年に、特別車輌組み込みの5両編成が14本、モノクラスの2両編成10本、合計90両製造されている。製造年ごとにドアなどに違いがある。2両固定編成はワンマン運転準備仕様になっている。
近畿車輛・川崎重工業・日本車輌製造・東急車輛製造・武蔵野車輌製造が製造を担当した。特別車輌に関しては東急車輛製造と川崎重工業が半数ずつ担当している。
5000系電車を全廃したことで増備目的を達成したため、前述の通り平成11年にいったん生産終了した。
しかし麻帆良線の開通と6000系の置き換えのため車輌数調整が必要になったためブロック工法で平成15~18年に特別車輌組み込みの5両編成が5本、モノクラスの2両編成10本の合計35両が追加生産されている。追加生産分は一般車両は日本車輌製造と武蔵野車輌製造で、特別車両は東急車輛製造が担当した。特筆すべき点としては、東海道湾岸鉄道乗り入れ対応を本格的に考慮した大規模な設計変更が行われており、ブレーキの強化、車体間ロールダンパ、車体間ヨーダンパの準備工事、先頭車へのアクティブサスペンションの搭載など、のちの50000系に近い仕様になっている。(しかし電動機出力などはそのまま)。付属編成については新造当初からワンマン運転対応かつ魔帆良電鉄乗り入れ対応のためのATS-Mを取り付けた仕様になっている。その他、特別車輌のみ従来どおりの工法で組み立てられている。
近畿車輛・川崎重工業・日本車輌製造・東急車輛製造・武蔵野車輌製造が製造を担当した。特別車輌に関しては東急車輛製造と川崎重工業が半数ずつ担当している。
5000系電車を全廃したことで増備目的を達成したため、前述の通り平成11年にいったん生産終了した。
しかし麻帆良線の開通と6000系の置き換えのため車輌数調整が必要になったためブロック工法で平成15~18年に特別車輌組み込みの5両編成が5本、モノクラスの2両編成10本の合計35両が追加生産されている。追加生産分は一般車両は日本車輌製造と武蔵野車輌製造で、特別車両は東急車輛製造が担当した。特筆すべき点としては、東海道湾岸鉄道乗り入れ対応を本格的に考慮した大規模な設計変更が行われており、ブレーキの強化、車体間ロールダンパ、車体間ヨーダンパの準備工事、先頭車へのアクティブサスペンションの搭載など、のちの50000系に近い仕様になっている。(しかし電動機出力などはそのまま)。付属編成については新造当初からワンマン運転対応かつ魔帆良電鉄乗り入れ対応のためのATS-Mを取り付けた仕様になっている。その他、特別車輌のみ従来どおりの工法で組み立てられている。
東名首都圏電気鉄道乗り入れ改造
50000系電車の投入に伴い7000系電車も平成21年から24年ごろにかけて改良が実施された。座席モケット張替え、旅客案内用LCD(17型ワイド)取り付け、140km/h対応に伴うブレーキ強化、車体間ロールダンパーの取り付け、先頭車へのセミアクティブサスペンションの取り付け、50000系連結対応のための読み替え装置の搭載などである。付属編成のうちワンマン準備工事のままであった初期車のワンマン対応本工事と麻帆良電鉄乗り入れ対応のためのATS-M取り付け工事を実施した。これにより、武蔵野鉄道全線・アーバンメトロ新都心線、東海道湾岸鉄道線の一部区間で車内収受ワンマン運転対応の車両が走ることになるが、東京23区の普通鉄道および地下鉄で車内収受ワンマン運転対応車が営業運転で走る例はこの例以外ない。超満員の長編成の電車の車内に車内収受ワンマン運転用の運賃箱、整理券発行機、運賃表が存在する様子はシュールである。また、編成組み換えとそれに伴う新造車組み込みも実施されている。組み込み車(新モハ7300、新モハ7400)は混雑対策でロング・転換クロスの千鳥配置(配置は名鉄3300・3150タイプ。座席そのものは転換クロスシートはJR東海313系8000番台、ロングシートは京急1000形(二代)と同一)になる、50000系に順ずる構体、台車、主電動機、VVVFインバータになるなどの変更がある。同時に新橋方面発着のラッシュ時に混雑が顕著になるモハ7700・クモハ7800(旧モハ7400、旧クモハ7500)は1+2列の転換クロスシート(1列の部分はJR西日本223系2500番台と同一、2列の部分は既存の座席の布地とクッション交換で対応)とロングシート(京急1000形(二代)と同一)の千鳥配置に改造されている。観光シーズンにはその快適性と俊足を生かして、50000系導入以前は基本編成が新橋~中禅寺湖間の特別快速運用につくことがあった。現在は基本編成8両化の影響で当形式付属編成や50000系付属編成がその任務を担当している。
前期型の機器更新
前期型は平成29年時点で一番古い車両で製造後およそ20年が経過しており、平成21~24年ごろにかけて東名首都圏電気鉄道乗り入れ対応工事を実施したとはいえ、長年にわたる高速走行、製造時からソフト変更以外大きな手を加えていない主電動機やVVVFインバータなどの主回路、各種補機類など一定レベル老朽化が進んでいるため機器更新工事を実施することとなった。内容は以下の通りである。
- 主電動機、VVVFインバータ、電動空気圧縮機、SIVを50000系と同等品に交換する。(モハ7300型とモハ7400型は新造時から50000系準拠のため変更なし)。
- クモハ7800型の電装解除によるクハ7800型への型式変更。
- 制御伝送装置を50000系と同一のものに変更する(=TIMS搭載)。これに伴い、8連化組み込み車であるモハ7300型とモハ7400型の読み替え装置を撤去しクハ7100型とクハ7800型に移設する。HSCブレーキ車との連結は引き続き救援時のみ対応する。(同じく組み込み車のサロ7600型はサロ7500型準拠の設計のため制御伝送装置の交換を実施)。
- ブレーキ制御方式も50000系と同一のものに変更する。(新造時から50000系準拠のモハ7300型とモハ7400型は除く)。
- 化粧板、座席表地など内装の張り替え(モハ7300型とモハ7400型、サロ7600型は除く。モハ7700型と新クハ7800型は化粧板の交換のみ)。
- 扉間クロスシートのオール転換クロスシート(JR東海313系8000番台と同一)化(モハ7300型とモハ7400型は新造時より扉間のクロスシートはすべて転換クロスシート。モハ7700型とクハ7800型は仕様が異なるものの東名首都圏電気鉄道乗り入れ時に施工済み)。
これにより、静粛性や乗り心地の向上、省エネルギー化、信頼性の向上による輸送障害の低減を実現する。
平成29年度は8両編成2本に施工した。
平成30年度は8両編成5本に施工した。
令和元年度は8両編成5本に施工した。
令和2年度は8両編成2本、2両編成4本に施工した。
令和3年度は2両編成6本に施工した。これをもって前期型の機器更新は終了した。
平成30年度は8両編成5本に施工した。
令和元年度は8両編成5本に施工した。
令和2年度は8両編成2本、2両編成4本に施工した。
令和3年度は2両編成6本に施工した。これをもって前期型の機器更新は終了した。
後期型の機器更新
後期型についても前期型同様の老朽化の問題を抱えているため、前期型同様のメニューで機器更新を実施することになった。
令和6年度に8両編成3本の施行を予定している。
編成図
50000系導入以前
←太田
クハ7100 | モハ7200 | サロ7300 | モハ7400 | クモハ7500 |
ATS CP WC | PT SIV VVVF | wc | PT SIV VVVF | ATS CP |
クモハ7150 | クハ7250 |
ATS PT VVVF SIV | ATS CP WC |
50000系導入以後
←太田
クハ7100 | モハ7200 | モハ7300 | モハ7400 | サロ7500 | サロ7600 | モハ7700 | クモハ7800 |
ATS CP WC | PT SIV VVVF | CP VVVF | PT VVVF | wc | PT SIV VVVF | ATS CP |
クモハ7150 | クハ7250 |
ATS PT VVVF SIV | ATS CP WC |
機器更新後
←太田
クハ7100 | モハ7200 | モハ7300 | モハ7400 | サロ7500 | サロ7600 | モハ7700 | クハ7800 |
ATS CP WC | PT SIV VVVF | CP VVVF | PT VVVF | wc | PT SIV VVVF | ATS CP |
クモハ7150 | クハ7250 |
ATS PT VVVF SIV | ATS CP WC |