武蔵野鉄道4000系電車
武蔵野鉄道4000系電車は、平成4年に輸送改善と旧型車置き換えのために登場した通勤型電車である。
概要
当時の武蔵野鉄道は、沿線人口の伸びが鈍くなり、また東武鉄道などの他社ともライバル関係にあり、従来の3000系電車の増備ではサービス面での要求に応えられなくなってきていた。さらに、時代は省電力・経済性を求めるようになってきた。このような背景のなか4000系電車は誕生した。主な置き換え対象は当時ほとんどが残存していた8000系(初代)である。純粋な輸送力増強目的で導入された編成も多い。
コンセプト
- 経済性
メンテナンスコスト低減と性能向上のために、半導体を利用して三相交流誘導電動機を制御するVVVFインバータ制御方式を当社の車輌として初めて採用した。日立製作所製の1C8M方式のGTO-VVVFインバータで定格155kwの主電動機を制御する。なお、2両固定編成と6両固定編成のモハ4400型に関しては、三菱電機製のGTO-VVVFインバータ制御(1C4M)を採用している。なお、当系列はすべての編成においてMT比1:1を固守している。車体は量産車では同社初の軽量ステンレス鋼車体を採用し、長寿命化、軽量化、塗装作業の軽減が実現している。2000系以降の流れである幅広車体も継承している。台車は3000系に引き続き片板ばね式ボルスタレス台車を採用し、乗り心地、整備性の確保、将来の高速化に備えている。ヨーダンパー・アンチローリング装置は当初から設置している。モニタ装置の採用で、点検作業の軽減、異常時のすばやい対応が可能になった。
- 向上した性能
主電動機は、定格出力が5kw向上したうえ誘導電動機ゆえに高速域の特性が向上し、歯数比が6.53と従来より高めながら、最高運転速度が120km/hのまま維持されている(設計上は130km/h運転にも対応可能)。また、起動加速度も3.0km/h/sに向上している。在来車との併結もブレーキがHSC-Rであるため(減速度は常用4.0km/h/s、非常4.5km/h/sと従来と同等)可能であるが、性能が起動加速度が2.6km/h/sに制限される。また、6両固定編成については、Mユニット車と単独M車間で高圧母線の引き通しを行い、編成当たりのパンタグラフ数の削減を実現した。
- 客室設備のレベルの向上
今までのコンセプトを引き継ぎ、ゆったりとした掛け心地のロングシートを採用した。LED表示による旅客案内装置を採用し、次駅・停車駅案内、広告などを表示している。自動放送装置も採用した。また一部の地上用車輌では扉間すべて転換クロスシートとなっている(車端部ロングシート)。冷房は、新造時より取り付けられている。
- 乗務員支援モニタの採用
時刻表(乗務行路表)のICカード化に対応し、マスコンのノッチ段数・ブレーキ圧力・空調装置など各サービス機器の動作状況を確認・設定できる「乗務員支援モニタ」を4000系で初採用した。従来の車両と連結した場合の互換性も考慮されている。
増備について
平成4年から平成10年の6年間にかけて、2両編成、4両編成、6両編成が製造された。2両編成と6両編成は1000系軽量SUS車が並行して製作されていたため本数が少ない。製造年ごとにドアや袖仕切、足回りなどに違いがある。武蔵野車輌製造ほか数社で製造された。
令和10年ごろまでは廃車せずに使用を続ける予定。
令和10年ごろまでは廃車せずに使用を続ける予定。
車輌更新工事の予定
平成24年から4000系電車の大規模更新工事が開始された。1000系軽量ステンレス車の同系列への編入改造も同時に開始された。
更新工事の内容は、ガラス製袖仕切り、妻仕切り扉の採用、座席の改良、従来の中吊り広告の位置へのLCD旅客案内装置の取り付け、化粧板、ドアエンジンの交換、VVVFインバータ、SIV装置の新設計品への更新(IGBT化)、車両情報装置(TIMS)の搭載とそれに伴う制御伝送化、電気指令式ブレーキ化、ブレーキ読み替え装置取り付け、車体外板ブラスト洗浄など多岐にわたり、60000系電車に近い仕様になる。VVVFインバータに関しては1C4M方式で冗長性と粘着性の向上、ピーク電力の抑制を狙っており、三菱電機と東洋電機製造が制御装置を納入する。1000系軽量ステンレス車については電動車の台車の交換、制御電動車の電装解除・中間車化も施工されている。
平成26年度以降更新工事を施工する車両は、運転性能に余裕を持たせ省エネルギー性を高めるため、主電動機が高効率・低騒音の全密閉内扇電動機(定格出力は190kW)に変更され、三菱製の機器についてはVVVFインバータとSIVの制御素子の材質が炭化ケイ素に変更された。平成25年までに更新された車両も初回の重要部検査で主電動機を全密閉タイプに乗せ換えたうえで、VVVFインバータのソフトウエアを更新した。なお27年度更新される車両の一部は某所から入手したDDMとそれに対応する東芝製のVVVFインバータを搭載している。
平成30年に大規模更新工事が終了した。
更新工事の内容は、ガラス製袖仕切り、妻仕切り扉の採用、座席の改良、従来の中吊り広告の位置へのLCD旅客案内装置の取り付け、化粧板、ドアエンジンの交換、VVVFインバータ、SIV装置の新設計品への更新(IGBT化)、車両情報装置(TIMS)の搭載とそれに伴う制御伝送化、電気指令式ブレーキ化、ブレーキ読み替え装置取り付け、車体外板ブラスト洗浄など多岐にわたり、60000系電車に近い仕様になる。VVVFインバータに関しては1C4M方式で冗長性と粘着性の向上、ピーク電力の抑制を狙っており、三菱電機と東洋電機製造が制御装置を納入する。1000系軽量ステンレス車については電動車の台車の交換、制御電動車の電装解除・中間車化も施工されている。
平成26年度以降更新工事を施工する車両は、運転性能に余裕を持たせ省エネルギー性を高めるため、主電動機が高効率・低騒音の全密閉内扇電動機(定格出力は190kW)に変更され、三菱製の機器についてはVVVFインバータとSIVの制御素子の材質が炭化ケイ素に変更された。平成25年までに更新された車両も初回の重要部検査で主電動機を全密閉タイプに乗せ換えたうえで、VVVFインバータのソフトウエアを更新した。なお27年度更新される車両の一部は某所から入手したDDMとそれに対応する東芝製のVVVFインバータを搭載している。
平成30年に大規模更新工事が終了した。
その他
平成19年7~9月にかけて6両編成1本にTVアニメ「ゼロの使い魔 双月の騎士」のラッピングが施されたことがある。
編成図
形式番号の下2桁が50番台の型式が扉間転換クロスシートないし2wayシート
←行田市
クハ4100 | モハ4200 | モハ4300 | クハ4400 |
ATS | PT VVVF | CP SIV | ATS |
クハ4150 | モハ4250 | モハ4350 | クハ4450 |
ATS WC | PT VVVF | CP SIV | ATS |
クハ4100 | モハ4200 | モハ4300 | モハ4500 | サハ4600 | クハ4400 |
ATS | PT VVVF | CP SIV | PT VVVF | CP SIV | ATS |
クモハ4700 | クハ4800 |
ATS PT VVVF | ATS CP SIV |
クモハ4750 | クハ4850 |
ATS PT VVVF | ATS CP SIV |
(1000系軽量ステンレス車編入車のみ)
クハ4180 | モハ4280 | モハ4380 | サハ4480 | サハ4180 | モハ4280 | モハ4380 | クハ4480 |
ATS | PT VVVF | CP SIV | PT VVVF | CP SIV | ATS |
関連
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