東名首都圏電気鉄道13000系電車
13000系電車(13000けいでんしゃ)は、東名首都圏電気鉄道が保有する特急形交直流電車。
主要諸元
起動加速度 | 2.6km/h/s ※車輪径820mm以上 |
営業最高速度 | 160km/h |
設計最高速度 | 320km/h |
減速度 | 常用最大5.2km/h/s、非常6.0km/h/s ※車輪径860mm以上 |
全長 | 先頭車:23,075mm 中間車:21,300mm |
車体長 | 先頭車:22,825mm 中間車:20,800mm |
全幅 | 2,950mm |
全高 | 3,690mm 4,490mm(パンタグラフ搭載車両) |
車体高 | 3,690mm |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 | 直流1,500V 交流20,000V 50/60Hz |
主電動機 | かご型三相誘導電動機(MMT200) |
主電動機出力 | 連続定格285kW(直流1,100V/160A) |
制御装置 | 2レベルPWMIGBT-VVVFインバータ MPC200(1C4M) |
駆動装置 | WM平行カルダン歯車形たわみ軸継手方式 |
台車 | MDT200形軸梁式軽量ボルスタレス台車(アクティブ制振装置・ヨーダンパ付き) |
歯車比 | 1:2.79 |
固定軸距 | 2,500mm |
車輪径 | 860mm |
ブレーキ方式 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ 応荷重、遅れ込め制御、直通予備、救援、耐雪、抑速、駐車ブレーキ付き |
保安装置 | ATS-SW2・ATC-IM・名阪形ATS・ATS-DM・列車防護無線装置・EB・TE装置 |
製造 | 1~3号車:川崎重工業、4~6号車:日立製作所、7~9号車:日本車輌製造、 10~12号車:近畿車輛 |
概要
量産先行編成の登場から23年が経過し、接客設備やメンテナンス性に難が生じ始めている10000系の置き換え用として投入される新型特急形交直流電車である。量産先行編成である10000系1000番代を置き換えるために、2015年度に第1編成が落成し、営業運転を開始する予定である。
列車名および運行形態は第1編成の営業運転開始時点では「サンダーバード」を引き継ぐこととなっているが、2015年6月1日に本形式がある程度出揃う2016年度に予定されているダイヤ改正から、本形式は東名首都圏電気鉄道東京駅 - 名阪電気鉄道大阪駅間で直通運転を行うこと、その列車名を途中品川駅・新横浜駅・熱海駅・沼津駅・静岡駅・浜松駅・豊橋駅・名古屋駅・名阪四日市駅・伏見稲荷駅・新大阪駅に停車する速達タイプを「翔鶴」、それらに加え小田原駅・三島駅・新焼津駅・名阪岡崎駅・名阪知立駅・金山駅・名阪桑名駅・名阪草津駅の全てまたは数駅に停車するタイプを「瑞鶴」としたことが発表された。更にその後、2016年2月20日に「翔鶴」よりも速い最速達タイプとして途中品川駅・新横浜駅・静岡駅・名古屋駅・伏見稲荷駅・新大阪駅のみに停車する列車を設定すること、その列車名が「大和」となったことが発表された。これらの列車名は全て大日本帝国海軍の軍艦から命名されている(*1)(*2)(*3)。
なお、本形式は当初は「50000」の形式番号が付与される予定だったが、「この車両は当社にとって特別な車両であるが、そのために付番法則を崩すと今後の新型車両に影響が出る」として取り下げられ、12000系からの続番となる13000系に変更されている。
構造
車体
12000系ではアルミ中空大型押出形材によるアルミダブルスキン構造を採用していたが、本形式ではハニカムコアを2枚のアルミ合金で挟み、ろう付けしてパネルとしたろう付けアルミハニカムパネルを使用した、アルミハニカムパネル構造を採用した。これによって、12000系と同じ車体剛性を持ちながら、車体の軽量化と車体の防音性能向上を実現している。
将来の200km/h超での営業運転を考慮し、微気圧波対策として車体断面積を縮小するために車体肩部や車体裾部を絞ったため、車体断面は円形となっている。また、先頭車両は全長(23m)の半分以上の13mに渡って徐々に断面を窄めていく流線形となっているほか、運転席は視界を確保するためにキャノピータイプとしたため、まるでジェット戦闘機のような外観となっている。これは高速運転を行うに当たり、先頭形状は断面積変化率が一定であることが望ましいという新幹線電車の開発記録に基づいた先頭形状で、先頭形状から飛び出しているキャノピー周りは代わりに側面のスリットの入れ方で断面積変化率が一定となるように調整している。断面積変化率が一定という解へのアプローチは異なるものの、このような先頭形状の採用は現代のN700系新幹線電車やE5系・H5系新幹線電車、E6系新幹線電車でも同様である。
車体の段差をなくし、空気抵抗と騒音を低減することを目的として、旅客用乗降ドアには閉扉時に段差が生じないプラグドアを採用し、客室窓外側にはポリカーボネートを貼り付けて段差を縮小している。先頭車乗務員用ドアに設けられている手すりには平滑取手を使用し、70km/hに達するとカバーがせり上がり、車体と平滑になるようにされている。
塗装はベースをライトグレーとし、客室窓回りにダークグレーの帯を配し、その下にブルーの帯を配した。先頭形状先端付近から屋根に掛けてはグレイッシュブルーで塗装されているが、キャノピーとヘッドライトケース周りは窓回りと同じダークグレーで塗装されて表情を引き締めている。
これら車体の設計には西日本旅客鉄道(JR西日本)から提供されたある新幹線電車の設計が在来線仕様に縮小されて流用されており、東名首都圏電気鉄道各駅に掲示されている13000系のポスターには、その車両がかつて名乗っていた編成記号を使った『W、東京帰還』の文言が刻まれている。
搭載機器
直流区間では主変換装置で三相交流に変換して主電動機を制御し、交流区間では架線からの単相交流20kVを主変圧器で降圧した上で、主変換装置で直流に整流、その後三相交流に変換して主電動機を制御するVVVFインバータ制御方式である。
編成全体は1号車から3号車の3両(Mc+M1+M2)と4号車から6号車の3両(M'+M1+M2s)、7号車から9号車の3両(Ms+M1s+M2k)と10号車から12号車の3両(M'+M1+M2c)の4ユニットで構成されており、M1・M2車には主変換装置を、M車には主変圧器を搭載する。また、主変換装置はM1車のものはM車の主電動機を制御するため1C4M×2群制御、M2車のものはM2車の主電動機のみの制御となるため1C4M×1群制御となっている。将来的にはM1車とM2車の間に主変圧器を搭載したMp車を挿入し、M2車の主変換装置を1C4M×2群に増強して16両編成とすることも可能な設計となっている。またM車のうち、パンタグラフを搭載する車輌はM'車として区別されている(*4)。