東海道湾岸鉄道10000系電車
10000系電車(10000けいでんしゃ)は、東海道湾岸鉄道?が保有する直流特急形車両。1994年から営業運転を開始した。車両価格は1両あたり1億6000万円。
10000系の車体側面に描かれているロゴ。
主要諸元
起動加速度 | 2.6km/h/s |
営業最高速度 | 160km/h |
設計最高速度 | 180km/h |
減速度 | 4.6km/h/s(通常) 5.2km/h/s(非常) |
最大寸法 | 20,000(20,740)*×2,920×3,550mm *()内は先頭車 |
編成重量 | 203.4t(6両編成) |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 | 直流1,500V |
モーター出力 | 180kW(WMT100B) |
編成出力 | 180kW×12=2,160kW(6両編成) |
駆動装置 | WN平行カルダン歯車形たわみ軸継手方式 |
電動機 | かご型三相誘導電動機 |
制御装置 | 3レベルGTO-VVVFインバータ制御 |
ブレーキ方式 | 回生併用電気指令式空気ブレーキ 抑速・耐雪・発電・直通予備ブレーキ |
保安装置 | ATS-SW,ATS-P,東鉄CS-ATC,列車防護無線装置 EB,TE装置,誘導無線装置,デジタル列車無線 |
概要
1994年9月4日の京葉空港線全線開通に合わせて運行を開始した特急「はるか」用の車両として、同年春に川崎重工業・近畿車輛で製造された。制御装置は、ほぼ同時期に登場した1000系1000番台や5000系0番台と同様に、東芝製GTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御装置を使用している。警笛は電子笛に加え、「ドミソド…」の音階を奏でるミュージックホーンを備える。
2008年現在、6両編成(基本編成)9本、3両編成(付属編成)9本の計81両が京葉総合運転所に在籍している。運転開始時は5両編成だったが、好調な乗車率のために電動車を製造・増結し現行の6両編成となり、更に3両の付属編成も登場した。
東海道湾岸鉄道の在来線特急列車としては初めて日本語と英語の二ヶ国語車内自動放送を使用している。自動放送を採用しているのは当形式のほかに5000系0・2500番台?、12000系?、40000系?といった空港連絡列車に使用される車両のみである。
普通車の座席は同じ空港アクセス用の東日本旅客鉄道(JR東日本)253系(「成田エクスプレス」用)と異なり当初から回転リクライニングシートで、グリーン車は30000系に準じた2+1列配置のリクライニングシートである。折り返し駅での清掃時間短縮のため運転席より全座席を自動で方向転換できる機構が装備されている。
また客室内を全席禁煙とし、基本編成のM車と付属編成のMc車の車端部に喫煙コーナーを設置した。室内には灰皿を2個埋め込んだカウンターテーブルを窓際に設置し、天井に換気扇を設置した。その後、2007年3月18日より全面禁煙化にともないこの喫煙コーナーは単なるフリースペースとされた。同時に灰皿は撤去され、撤去部分は金属板で塞がれた。なお、換気扇は存置されている。
航空旅客が携行するスーツケース等の大型荷物を置くことが可能な荷物置場は253系と同様に各車出入口付近に設置されているが、253系はデッキとの仕切り扉の内側の客室内にあるのに対して、本系列は外側のデッキ部にある。
営業運転開始当時は成田空港駅寄り先頭車がT-Seat車、茅ヶ崎寄り先頭車は荷物室付きの普通車であった。普通車の荷物室は茅ヶ崎駅構内に設置されていた茅ヶ崎シティエアターミナル (C-CAT) で搭乗手続を済ませた航空旅客の手荷物を収容するものであった。その後C-CAT廃止に伴い方向転換が実施されて、茅ヶ崎寄り先頭車がT-Seat車になるよう改められた。なお、荷物室は使用停止のままで、客室への改造もされていない。
年始の臨時特急に使用される以外は「はるか」専用に運用されており、茅ヶ崎~東京~千葉~成田空港間のみで姿を見ることができる。 朝晩の一部列車が付属編成を併結した9両で、その他列車は基本編成の6両で運転される。先頭車は貫通扉を持っているが貫通幌を装備していないため営業では使用せず、従って編成間の車内での通り抜けはできない。付属編成は成田空港向きに連結されている。
歴史
- 1994年3月 第1編成落成。運転開始までに5両編成9本(45両)が揃う。
- 1994年9月4日 空港線開通、「はるか」として営業運転開始。
- 1995年4月 中間電動車新製、6連化。
- 1995年7月 付属3両編成9本(27両)新製。
- 2002年10月1日 編成の方向転換を実施。
- 2007年3月18日 全面禁煙化に伴い、喫煙コーナーをフリースペースに改造。
編成
- 基本編成
- 付属編成