武蔵野鉄道40000系電車
武蔵野鉄道40000系電車は、将来の武蔵野鉄道の通勤型電車の姿を模索するために平成20年に登場した通勤型電車である。
概要
さまざまな試作的要素が組み込まれた、次世代型の通勤型電車である。従来の車輌よりも性能重視で開発されている。車体はステンレス車のうち中間車2両はレーザー構体試作車で、のちの50000系製作のためのノウハウ確保に役立っている。ほかのステンレス車は20000系平成19年度車のものとほぼ同一である。アルミ車はJR東日本のアルミ製特急電車の車体断面をそのまま採用している。現在のところ多分に試作的要素が強い。
主要諸元
起動加速度 | 3.3km/h/s |
営業最高速度 | 120km/h |
設計最高速度 | 130km/h |
減速度 | 4.0km/h/s(通常) |
5.2km/h/s(非常) | |
定員 | 721(立)+344(席)=1,065名 |
最大寸法 | 20,000×2,950×3,630mm |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 | 直流1,500V |
モーター出力 | 270kW |
歯車比 | 1:6.06 |
駆動装置 | TD平行カルダン歯車形たわみ軸継手方式 |
制御装置 | 2レベルIGBTVVVFインバータ |
M-WPC15A(1C1M)ほか | |
ブレーキ方式 | 回生併用電気指令式空気ブレーキ |
保安装置 | ATS-P |
コンセプト
- 信頼性の確保
機器は徹底して多重化に努めた。主変換装置の1C1M化と主変換装置が非常時CVCF(SIV)として動作可能な設計や電気回路の多重化などが挙げられる。TIMSを組み込んだモニタ装置の採用で、点検作業の軽減、異常時のすばやい対応が可能になった。車輌間の情報のやり取りはイーサネットの技術が応用されており、伝送速度10Mbpsを誇る。
- 余裕ある性能
主電動機は、1時間定格出力270kWの永久磁石動機電動機を搭載している。更なる省電力化と安定した性能を目指した設計になっている。歯車比は6.06、最高運転速度は130km/h。台車は20000系後期形の軸梁式のダイレクトマウント台車に改良を加えて使用する。
- 客室設備について
ロングシートはJR東日本のE231系電車の東海道線仕様とほぼ同じものを採用するが、4+6+6+6+4の配列を採用するため幅が広めのものになっている。クロスシートは20000系の可変座席に改良を加えたものを採用する。旅客案内装置はLCD画面を用いたものを引き続き採用する。これは、乗降ドア鴨居部に2画面づつ設置し左手を広告などに、右手を次駅案内に使用するようになっている。LCD案内装置は乗務員室でDVDプレイヤー、PCなどにも接続可能で、音声もFM電波で流せるようになっている。テレビ埼玉、東京MXテレビ、ちばテレビなどと契約をしてTV放送をする計画がある。車椅子スペースも確保されている(各先頭車)。自動放送装置も採用する。冷房は、新造時より取り付けられている(JR東日本E233系と同等)。
増備について
武蔵野車輌製造で4両編成3本合計12両が製作された。ステンレス車とアルミ車が2:1の比率になっている。
永久磁石同期電動機は、新型近郊型電車50000系に載った。40000系電車で得た新技術は今後の通勤電車などの製作に生かされる。次世代通勤型電車では2000・3000系残存全車を置き換え対象とし、一気に車種統一を図りたい模様である。
永久磁石同期電動機は、新型近郊型電車50000系に載った。40000系電車で得た新技術は今後の通勤電車などの製作に生かされる。次世代通勤型電車では2000・3000系残存全車を置き換え対象とし、一気に車種統一を図りたい模様である。
DDM(Direct Drive Motor)の試験について
2009年1月よりDDMの試験が開始されて、現在も営業運転しながらの長期実用試験中である。
DDMすなわち車軸直接駆動方式は、永久磁石同期電動機を車軸と同じ位置に架装し、車軸と電動機はゴム継ぎ手により連結するシステムである。電動機に非常に強力なトルクが求められる反面、回転数が低いため騒音抑制に貢献し、継ぎ手や歯車がない分エネルギー効率が向上する。また構造が単純なため省力化にもつながる。DDMについてはこちらを参照のこと(注:PDFファイル)
具体的には長期実用試験になる予定で5年程度での実用化を目指すとしていたが、運用実績に大きな問題はみられないものの、量産効果が見込めずコスト高になるため、今後は従来通りの駆動方式で永久磁石同期電動機ないし
高効率の全密閉誘導電動機を採用することとした。
DDMすなわち車軸直接駆動方式は、永久磁石同期電動機を車軸と同じ位置に架装し、車軸と電動機はゴム継ぎ手により連結するシステムである。電動機に非常に強力なトルクが求められる反面、回転数が低いため騒音抑制に貢献し、継ぎ手や歯車がない分エネルギー効率が向上する。また構造が単純なため省力化にもつながる。DDMについてはこちらを参照のこと(注:PDFファイル)
具体的には長期実用試験になる予定で5年程度での実用化を目指すとしていたが、運用実績に大きな問題はみられないものの、量産効果が見込めずコスト高になるため、今後は従来通りの駆動方式で永久磁石同期電動機ないし
高効率の全密閉誘導電動機を採用することとした。
新型台車の試験について
40000系はボルスタ台車・ボルスタレス台車(牽引装置はZリンク方式のみ)の双方に対応した車体構造となっており、武蔵野鉄道グループの台車開発にも役立つ車輛である。Team TR向けの納入を目指し、現在数種類の台車(ボルスタ台車は円筒案内、円筒ゴム・コイルばね併用、SUミンデンの軸箱支持装置、ボルスタレス台車は円筒ゴム・コイルばね併用、SUミンデンの軸箱支持装置を採用したモデルの合計5種類)を現在、武蔵野鉄道グループ標準となっている軸梁式台車各種とあわせ、比較検討のための試験を行っている。
武蔵野鉄道の線路は高規格の直線主体の区間もあれば、都市部や山間部の急カーブの続く区間もあり、勾配条件も多種多様なため台車試験には好適である。