S100系
概要
東京急行電鉄の5000系をベースに前面デザインの小変更、ATS-M搭載、主電動機の出力向上、窓形状の変更などを行った新玉川高速線の主力車両。6M4Tの10両編成。2003年9月に日本鉄道車両工業会から制定された通勤・近郊電車の標準仕様ガイドラインにも準拠している。
帯色は幕板部が田園都市線のエメラルドグリーンと立川セントラルラインのオレンジ。
窓下部が東急の赤と新玉川高速線のスレートブルー。設計・デザインは東鷹アクセント。
窓下部が東急の赤と新玉川高速線のスレートブルー。設計・デザインは東鷹アクセント。
車体
車体は東急5000系の2次車以降と同じ20m4扉の軽量ステンレス車体で、車体幅は2,778mm。
二子玉川~高速渋谷や緑山電鉄線などの地下区間や縮小限界の区間で使用される関係で、先頭車の前面に非常扉を設置し、非常階段を設置している。ただしフロントマスクはベースとなった5000系をよりスマート&ワイドにしたもので、デザイン上前面貫通扉の幅は狭められた。FRP整形のフロントマスクの色も5000系のシルバー/ゴールドに対し、ブルーグレーメタリックマイカを採用しクールなイメージを持たせた。
二子玉川~高速渋谷や緑山電鉄線などの地下区間や縮小限界の区間で使用される関係で、先頭車の前面に非常扉を設置し、非常階段を設置している。ただしフロントマスクはベースとなった5000系をよりスマート&ワイドにしたもので、デザイン上前面貫通扉の幅は狭められた。FRP整形のフロントマスクの色も5000系のシルバー/ゴールドに対し、ブルーグレーメタリックマイカを採用しクールなイメージを持たせた。
前面は強化構造で19mm厚の衝突柱および6mmまたは4.5mm厚のステンレスで構成される。車体強度の確保のため、台枠側梁の板厚を厚いものとしている。車体断面は車両限界、工法と広幅の雨樋の関係から台枠部から上に行くに従ってわずかに内側へ傾斜している。
空調装置は、通勤用車両としては最大能力である61.05kW(52,500kcal/h)の集中式を搭載する。東急5000系では三菱製・日立製が混在するが、保守の簡略化や信頼性の観点から本形式においてはすべて三菱電機製に統一している。補助送風機(ラインデリア)は車内全長にわたって10台設置されている。
車内
車内は東急5000系を基本としつつ、一部車両の車端部にボックスシートを設置。
シートの配色は青緑系で統一した。
シートの配色は青緑系で統一した。
客ドア鴨居部には有機ELワイドディスプレイを2基設置しており、左側は「TOQビジョン」として通常は主にCMを放映する他、異常時には路線図で支障区間の表示も行う(緑山電鉄線及び立川セントラルラインで運用する際は本形式の走行シーンなどを中心としたプロモーションビデオ映像を放映する)。右側は常に次停車駅、乗り換え案内、ドア開閉方向、駅ホーム設備案内などを表示。
ドアチャイムは東急5000系の「ポーン」ではなく、京王9000系などに近い音である。
客扉には全編成新製時より化粧板を貼付している。客扉窓は複層ガラスで、窓周りの凹面がない。ただしE233系とは違って角張ったガラスではなくE721系などと同じく角は丸く処理されている。
客扉には全編成新製時より化粧板を貼付している。客扉窓は複層ガラスで、窓周りの凹面がない。ただしE233系とは違って角張ったガラスではなくE721系などと同じく角は丸く処理されている。
車内放送装置は東急5000系と同様の自動放送装置装備する。
腰掛けは一般的な片持ち式であるが、座面にSバネを入れクッションの厚みを増やして座り心地を改善した。
腰掛けは一般的な片持ち式であるが、座面にSバネを入れクッションの厚みを増やして座り心地を改善した。
機器構成
制御装置は、日立製作所・東洋電機製造・東芝製(いずれも1C4M制御/2レベル)である。
IGBT-VVVFインバータ制御で全電気ブレーキを搭載する。
IGBT-VVVFインバータ制御で全電気ブレーキを搭載する。
東洋電機製造製のSHM-98もしくは日立製作所製のSHM-99で出力は230kW。東急5000系のTKM-98/99に比べ40kwの出力増強を行っている。起動加速度は3.5km/h/s(空車時約65km/hまで一定)、減速度は3.6km/h/s(常用最大)・4.6km/h/s(非常制動)(初速120km/h)。
マスターコントローラーはT型ワンハンドル式で、指定の速度域では「P3」もしくは「P4」位置から「P2」(力行2ノッチ)位置にハンドルを戻すことで定速制御が可能である。その際は運転台モニタに「定速」と表示される。速度計はアナログ(白地)の150km/hメーター+デジタル表示である。
台車は、東急5000系と同一のボルスタレス構造の軸はり式台車であるが、軸ダンパ・ヨーダンパを装備し高速域での安定性・乗り心地の向上を図っている。電動車はTS-1019S、制御車と付随車はTS-1020S。
添付ファイル