常葉急行鉄道1000系電車
常葉急行鉄道1000系電車は、平成元年に常葉急行線開業に備えて登場した通勤型電車である。
概要
常葉急行線開業のために用意された通勤型電車で、乗り入れ先の都営地下鉄新宿線、京王線にあわせた設計が行われている。
コンセプト
- イニシャルコストの低減
車体製造費を低減するために、JR205系電車の車体を運転妻のデザインと若干の寸法の違い以外、ほぽそのまま採用した。車内に関しても当時のJR東日本の205系京葉・武蔵野線用増備車のそれの色違いといった感じの仕上がりである。
- 安定性を追求した性能
足回りは、主電動機は国鉄のMT61型、主制御器は武蔵野鉄道2000系のものに界磁添加励磁制御を付加したもの、台車は武蔵野鉄道3000系電車のボルスタレス台車に1372mm軌間向けに設計変更を施したもの、ブレーキシステムは京王6000系と同等の電気指令式ブレーキを採用するなど、実績のある機器を採用している。静止型インバータ、電動空気圧縮機などの補機類も同様である。
- 居住性の高さ
座席に関しては当時の武蔵野鉄道の標準品を採用することで高い快適性を確保している。内装に関しても明るいデザインを採用している。無論、空調は完備されている。
増備について
平成元年から平成2年にかけて、8両固定編成12本、2両固定編成6本の合計108両が開業用に用意された。平成5年に8両固定編成2本、2両固定編成1本が増発用として増備された。製造は武蔵野車輌製造、川崎重工業、日立製作所が担当した。
←守谷
クハ1100 | モハ1200 | モハ1300 | モハ1400 | モハ1500 | モハ1600 | モハ1700 | クハ1800 |
ATS | PT CONT | SIV CP | PT CONT | PT CONT | SIV CP | ATS |
クモハ1900 | クモハ1000 |
ATS PT CONT | ATS SIV CP |
今後
2010年に武蔵野鉄道の車輌に対して施工しているような体質改善工事が開始された。そのための予備編成および、増発用として新形式の2000系電車が導入された。
体質改善工事については武蔵野鉄道3000系に対して行われたものと概ね同様のもので、界磁添加励磁制御から、IGBT素子を用いたVVVFインバータ制御(1C4M)に更新され、主電動機は常葉急行鉄道2000系と同等の1時間定格190kWの三相交流かご型誘導電動機に更新された。メンテナンス性改善のため補器類も更新され、静止型インバータ、電動空気圧縮機なども更新された。内装については、袖仕切り板を同時期の武蔵野鉄道20000系と同一品に交換、旅客案内装置として、すべての客室出入り口鴨居部に17型ワイドLCDの取り付け(停車駅案内1画面+デジタルサイネージ1画面)を実施した。さらに、TIMS搭載により電気配線量を削減し、更新前より編成重量で5t程度軽量化を実現したうえ、TIMSを生かした自己診断機能によりメンテナンス量の削減も実現している。体質改善工事は自社工場のほか、武蔵野車輌製造・赤羽車輛製造でも施工が行われている。
←守谷
クハ1100 | モハ1200 | モハ1300 | サハ1400 | サハ1500 | モハ1600 | モハ1700 | クハ1800 |
ATS | PT VVVF | SIV CP | PT VVVF | SIV CP | ATS |
クモハ1900 | クモハ1000 |
ATS PT VVVF | ATS SIV CP |
中間増備車
2021年度末より東急電鉄2020系および武蔵野鉄道70000系ベースの構体(屋根と端台枠を除き無塗装で、カラー帯のみ貼り付け)と常葉急行鉄道2000系の台車とシステム(ただし主電動機は高効率の全密閉外扇かご型誘導電動機)を組み合わせた中間増備車が製造される。2022年度までに16両製造された。組み込み先の編成が老朽廃車になった場合に置き換え用の新形式に組み込むことを考慮した設計になっている。
←守谷
クハ1100 | モハ1200 | モハ1300 | サハ1400 | モハ1950 | モハ1050 | サハ1500 | モハ1600 | モハ1700 | クハ1800 |
ATS | PT VVVF | SIV CP | PT VVVF | SIV CP | PT VVVF | SIV CP | ATS |