戦国BASARA/エロパロ保管庫

徒花

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bsr_e

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  • 毛利がいつきにこれこれこう。
  • 純真無垢ないつきに夢見る人はスルー推奨。

NGワード:徒花



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「今日は晴れて良かったべ」
雲一つない空を見上げて、気持ち良さそうにほっそりとした両手を伸ばす。
「風も気持ちよいし、外に出てホントに良かったべ?」
田植えの合間に野草を集めに行くべ、と彼をひっぱりだしたのは正解だった、と満足そうに笑みを浮かべた。
足取りも軽く、下草を踏みながら先を行くいつきは、後ろに続く毛利の方へと声をかける。
「そうかもしれぬ」
手をかざしながら、いつきの視線を追うように彼も少し日に焼けた顔を上げ、日輪の神々しい姿に目を細めて息をつく。
何と眩い光であろうか。
かつては唯一の心の拠り所であったそれを見上げ、小さく口元を笑みの形に結んだ。



緩やかな傾斜の山道が続く道は丁度木の陰となっており、それほど暑さは感じなかった。
「あれ!綺麗だべ!」
「不用意に触るな、いつき!」
綺麗な花が咲いているからと手を伸ばしかけたいつきは、毛利の声に驚き慌てて引っ込めた。
「いきなり大声出すでねえ、こっちがびっくりするだ」
ぷう、と白い頬を膨らませて怒った素振りをしながら振り返ると、腰に両手を当てて彼を見上げた。
「その草は量を加減すれば薬になるが過ぎれば毒となる、下手に触れると肌を冒す」
白銀の髪にぽんと手を置くと、少し離れていろと仕草で示し、毛利は奥へと分け入った。
「おらの知らねえこと、おめえさんはいっぱい知ってんだべな」
食べられるものについてならいつきは誰にも負けない自信はあるのだが、薬草や毒の類は聞きかじった程度である。
村にも多少詳しい者は居るが、身の回りで役立つ薬草程度だ。
「生きていくには必要であった故」
素直に驚くいつきの反応を少し照れ臭く思う。
ふと『乞食若君』と綽名された幼少の頃の記憶を思い出し、僅かに顔を顰めた。
何の保護もなく、全てを奪われたあの頃を。
だが、すぐに表情を戻し、何事もなかったかのように毛利は近くにあった葉を慎重に取り、いくつかまとめて籠へと入れた。
処理をすれば高価で取引される生薬だ、少しは生活の足しになろう。
「おらも畑の虫を避ける草とか知ってっけど」
「我は毒で人を殺す術も知っておる」
「そんな恐ろしい事するでねえ!」
くくっと低く笑う声に、体よくからかわれたのだと気付いたいつきは、小さな唇を尖らせた。
「ひどいべ、なしておらを騙すだ」
「騙してなどおらぬ」
真実を述べている、と言いながら、毛利はゆっくりといつきの傍へと近付いた。
「今は必要がなくなったに過ぎぬ」
とん、と近くの木に手をついて、その幹へと寄りかかるようにして己を見上げてくるいつきの顔を覗きこむ。
「何だべ?」
きょとん、として疑いのない眼差しで真っ直ぐに見詰め返され、毛利はその先の言葉に詰まった。

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