満月をさがして - teltel55 @Wiki

満月（フルムーン）をさがして　全５２話

●９点
　主演声優のｍｙｃｏは、声優としても歌手としてもほぼこの作品のみの人。
　一話で神山満月の声を聞いたときには、演技のできない下手な声としか
　思えなかった。しかしそれが不思議や
　不思議、めきめき演技力がつき、途中からはもう満月の声は彼女の声
　しか考えられなくなる。プロの声優のなめらかな声ではかもしだせない
　味わいが出て、なおかつ喉の病気をもつ満月の声のためらいまでもが
　見事に演じられている感があって、後半になってくると満月のｍｙｃｏ声が
　芸術の域に達したかと思えるほど感動的になってくる。
　原作漫画はグダグダした展開へとデフレスパイラルしていったのに
　アニメは、ラストで感動的に盛り上げることに成功している。
　少女漫画のアニメ化作品としては文句なくトップクラス。

●７点
　少女漫画原作のアニメで、死の運命が1年後に迫った少女が死神の力を借りて１６歳の姿に変身し、
　アイドル歌手としてデビューする、というストーリー。
　設定はかなり無理があるしストーリーもご都合主義なパターンが多いが、１年通しの
　季節感の演出や登場人物の描写、キャラ立てはかなり頑張っており出来は悪くない。
　アイドル活動が中心になる前半は正直見続けるのがしんどかったが、主人公の死の運命が中心になる
　後半は思わず見入ってしまう話もあり、かなり楽しめた。
　前半で閉口した主人公の声も、後半には味のある良い演技なってたしね。
　ちゃんと尻すぼみになることなく終盤にしっかり話を盛り上げたのも好印象。ラストの演出も非常に良い。
　ご都合主義や設定の粗を気にしなく、感動のある余韻を味わいたい人にはお勧め。

●７点
　残り１年の命と宣告された少女と、ちょっと間抜けな死神コンビの物語。
　電波な設定に初っ端から電波な展開で飛ばしてくれたが、キャラに深みが出てきた
　後半からはかなり好感触。
　歌は上手いが演技には閉口のヒロインの声が、目に見えて上達していくのも面白い。
　最後は５２話分のキャラへの思い入れを見事に昇華した余韻のあるラスト。

　主人公の限られた命というテーマが消化不良で終わったり設定が説明不足だったり、
　ご都合主義が多かったりで－３点。