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ドラえもん のび太の魔界大冒険

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ドラえもん のび太の魔界大冒険

●8点
 ドラオタ、当時の一般ドラファン含めて劇場版ドラえもんシリーズ最高傑作の呼び声高い、映画5周年記念作品。
 当時としては微妙に最先端のCG、主題化が某当て逃げタレント(現代)など、とりあえず話題性は合った。
 と言っても、作画に特筆すべき点は無く、富永貞義によるキャラクターデザインの変化くらいで、レベルは高くない。
 原作の方での評価は宇宙開拓史に一歩譲るものの、物語の完成度はきわめて高く、映画の評価もそれによるもの。
 前作の海底鬼岩城の配給収入がお偉方には気に入らないのか、映画ドラ打ち切りの噂があったとも言われている。
 そんな中、84年の邦画が軒並み低迷する中、前作から配給収入7億円UPさせ、邦画・洋画含めて年間4位にランクイン。
 25年のドラ映画の歴史の中でも、きわめて存在意義のある作品と言える。

 作品レビューとして強調しておきたいのは、この魔界大冒険がドラの中でポピュラーでありながら最高クラスの秘密道具、
 もしもボックスとタイムマシンの2つを使ったトリックが描かれていることである。
 もしもボックスは身の回りの環境を変えるドラの道具の中でも最も強力なものであり(パラレルワールドへの移動)、
 タイムマシンは時間移動とどこでもドア以上の空間移動性能を誇る道具である。
 上の二つの道具が、上記の機能を備えながら観客(子供)にも親しまれている道具であるため、物語の冒頭の二人の石像という
 一見複雑な伏線を、児童達に上映中の間で理解させることに成功している。

 また台詞回し等も、魔界が大長編史上屈指の場所移動が多い作品であるため、説明台詞が多い。
 キャラクターの個性を醸し出すような余計な会話は極力省かれ、物語を推し進める言動が多く見られる。
 藤子・F・不二雄の魔法世界の設定や(←のため、息のできる宇宙で絨毯に乗り魔王と戦うというよく考えると凄い絵が出来る)、
 状況に応じて出される多彩な道具を楽しむのが本作品のオーソドックスな観方といえる。
 それによって複雑な物語全体を、子供でも掌握できるように作られているのが、魔界大冒険の最大の特徴だ。
 タイトルの大冒険という、看板に偽りなしと自身をもっていえる作品である。

 なお余談だが、過去何度か2chドラスレ内で大長編(映画版)を語り合った際、必ず人気のトップ争いするのが、
 この魔界大冒険(冒険派支持)と上のレスでレビューさせてもらった鉄人兵団(感動派支持)である。
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