よみがえる空 -RESCUE WINGS- - teltel55 @Wiki

よみがえる空　-RESCUE WINGS-

●７点

ＴＶ放送全十二話（ＤＶＤで番外編＋一話を予定）。

航空自衛隊の航空救難団。
「救難活動最後の砦」と呼ばれる人命救助のエキスパートである彼等の、
仕事に立ち向かう日々を、
小松基地に配属された新人、内田の成長を軸に描くドラマ。

アニメには珍しいくらいの、リアルかつ地味な作りが最大の特徴。
日常描写の割合が多く、視聴者に現実との繋がりを意識させようとしているのがわかる。
メインである救助活動の場面においても、ヒーロー的な派手な活躍はあまり描かれず、
救助者の死亡が毎回のようにある辛い仕事という、現実的な部分がクローズアップされる。
そうした中で悩み、少しずつ成長していく内田の目を通して、
特別な晴れ舞台ではない、日々の仕事を懸命に働くプロの姿が良く描かれている。

全体に、アニメ的な過剰な演出は抑えられている。
会話などでもキャラの心情を明言せず、行間を読ませるような描き方がされていて、
じっくりと観ていく楽しみがある。
作画等はまずまず。問題のない出来。

悲惨なエピソードも多いが、観終わった後は爽やかで前向きなものが残る。
良作という言葉がぴったりくる良い作品だと思う。
こういう地に足の着いたアニメがもっと増えて欲しい。

難点はキャラクターデザイン。
レギュラーの大半が大人の男性で、髪型などもリアルな範囲のため顔の見分けがつかない。メインキャラですら分かりにくいときがあるのには困った。