【東チベット‐幻の僧院都市を目指せ!!】
第4話)幻のアチェンガルゴンパ
《東チベット旅行記|成都|丹巴|甘孜|康定|アチェンガルゴンパ|》
丹巴(タンパ)から甘孜(カンヅ)まで、またもやバスの長旅である。朝7時に出発したバスの到着は午後3時であったが、高原を走るバスの車窓はとても美しかった。独特な装飾を施された建造物や高原で草を喰むヤクの姿を見ると、チベット文化圏にどっぷり入っていることが実感できる。
甘孜(カンヅ)を拠点に明日はいよいよ この旅のハイライトであるアチェンガルゴンパに向かう。
宿につくと、中国版グーグルマップである百度(パイドゥ)の地図アプリを見せて「アチェンガルゴンパ行きのバスはどこから出ている?」とフロントスタッフに尋ねて見た。すると、
「アチェンガルゴンパ、ノー。ポリス、ストップ。」
え"っ、行けないのはラルンガルゴンパで、アチェンガルゴンパはOKのはずなのに。
「什么时候? シャマシホ(いつから)」
「最近 ツイチン(最近だよ)」
互いに下手くそな英語と中国語のチャンポンでなかなか意図が通じにくかったが、要するにごく最近、アチェンガルゴンパも外国人立ち入り禁止となってしまったらしい。
この宿ではWIFIが通じるので、念のため、「アチェンガルゴンパ 外国人 立ち入り禁止」等と検索してみると「アチェンガルゴンパ、いけなくなりました」と言ったブログ記事が幾つか見つかった。日付は半月ほど前で、実際に行こうとしたら行けなかったというリアルな体験談だった。
「アチェンガルゴンパ、いけなくなりました」とのブログ記事がヒット
何ということだ!!!!!
幻となる前に訪れておこうと思っていたチベット仏教の聖地は、半月前に既に幻と化していたのであった。
あまりのショックと、長いバス旅の疲れと、そして高山地帯の酸素の薄さから、あらゆる気力がオイラの身体から消え失せてしまった。
最終更新:2019年06月16日 21:59