【格安で行こう、マチュピチュの旅】
第3話)線路を歩いて行こう!!

《ペルー旅行記|クスコ|マチュピチュ|ティポン|リマ|》

クスコについた最初の日は、高地に体を馴らすためその辺を散歩する程度に留めておいた。だがやはりなんだか頭が重い。心拍数も普段より高いようだ。この状態で「7時間のバス移動+2時間半のトレッキング」は少々荷が重い気がしたが、それでもゲストハウスを通じ水力発電所行きのバスの手配をしてもらった。

翌朝7:00、旅行会社のスタッフが迎えに来て15人くらい乗れる大型のバンに乗り込んだ。

そこからバンは、ウルバンバ川に沿った聖なる谷と呼ばれるエリアを走り抜け、やがて山岳地帯に突入していった。

曲がりくねった道を右に左に数え切れないくらいハンドルを切り、進んで行く。車窓に広がるのは4000mを超えるアンデスの山々だ 。ハッとするほど美しい光景ではあるが 、その一方で右に左に揺られてこれが結構胃にくる。ヤバいよ、吐いたらどうしよう。時々そんな不安がよぎってしまう。

ペルー旅行記|車窓に広がるアンデスの山々
車窓に広がるアンデスの山々

昼時になって峠のとあるレストランで休憩を撮る。一応食事休憩ではあるが 、他の観光客も同じように胃にきてるようで、誰一人食事をとってる者はいない。飲み物とスナックで軽く腹ごしらえをし、イザ水力発電所を目指す。

サンタテレーザという街を通り過ぎ、そこから水力発電所までのラスト1時間がひどい悪路だった。右に左にバンは車体を大きく揺らし苦しげに進んで行く。

それでも13:30過ぎには水力発電所の前に到着した。あたりには自分が乗っていたようなバンが何台も停まっていた。予想以上にこのルートを使う観光客は多いようだ。

 「ここに名前とパスポート番号記入して下さい。」

マチュピチュに続く道の前にはチェックポイントがあった。ゲートをくぐると水力発電所の駅が現れた。ひっそりとしたローカル駅をイメージしていただが、土産物屋が結構立ち並んでおり、意外に賑やかである。

ペルー旅行記|意外に賑やかな水力発電所の駅
意外に賑やかな水力発電所の駅

さてここからトレッキング開始である。線路に沿って歩いていくのが基本であるが、所々ショートカットの小道が整備されており、そこそこメジャーなルートであるとことが実感できる。

歩き出すと、反対コースを歩いてきた人たちと何人もすれ違う。中には結構なお年寄りもいる。

ペルー旅行記|線路に沿って歩いていく
線路に沿って歩いていく

こうして最初の1時間ぐらいは楽しく歩いていた。そろそろ半分ぐらい進んだろうと思われるあたりで1軒の茶屋を見つけた。 ここらで一休みと

 「コーヒー一杯ください」と席に座ったら、

 「シンコソーレス(5ソル)です」

マジか! 5ソル(約175円)といえば、クスコの街中で定食が食べられる料金だ。随分法外な値段ではあるが、ここ以外にお店ははない。まあ可愛くボられてあげよう 。

ペルー旅行記|線路脇の茶屋
線路脇の茶屋

 「トイレはどこかな?」

 「こっちです、1ソル(約35円)」

なんだ 、5ソルも払ってるのにさらにお金を取るのか!!

「トイレ、フリー、OK?」と、5ソルという大金を払った強味で強引にトイレ代を踏み倒した。

そして運ばれてきた5ソルの“高級コーヒー”。あれれ、カップの中にはお湯しか入っていない。どういうことだ。このアルミポットはミルクが入ってるんだろ? とポットを注いでみると黒い液体が流れてきた。これは何だ?コーヒーの濃い液だ。

世界各国でいろんなコーヒーを飲んできたがこのスタイルは初めてだ。じゃその原液の正体は何だろう? まさかインスタントコーヒーじゃあるまいよな?

 プア~ン

そんなことを考えている間に警笛を鳴らして列車が通過した。

ペルー旅行記|ときおり列車が通過する
ときおり列車が通過する

ああ、あの列車に乗れたら楽なのになぁ。。。。


一休みして、また歩き出すこと約1時間。バスが走る音が聞こえてきた。アグアスカリエンテス村と山の上のマチュピチュ遺跡を結ぶシャトルバスだ。クスコからアグアスカリエンテス村までの道路はないが、村から遺跡までは登山道路が通じている。線路脇を歩いて、とうとうその登山道路と合流したのだ。アグアスカリエンテス村はもうすぐだ。

しばらくすると集落の建物が見えてきた。長かった徒歩の道のりももう終わり。しかしこのアグアスカリエンテス村、なんか雰囲気が日本の温泉街に似ている。まあ「アグアス=水」+「カリエンテス=温かい」という意味だから、温泉ぽいのもアタリマエであるが。

さあ早く宿に着いてゆっくり温泉にでも浸かろう。

ペルー旅行記|アグアスカリエンテス村
アグアスカリエンテス村

(続く)


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最終更新:2017年10月31日 23:57