【格安で行こう、マチュピチュの旅】
第4話)ついに来たマチュピチュ

《ペルー旅行記|クスコ|マチュピチュ|ティポン|リマ|》

マチュピチュ遺跡の見学には当然のことながら入場料を払わねばならない。そしてこの遺跡には1日あたりの入場制限が設けてある。つまり事前購入しておかないと当日行っても遺跡に入れないという事態が起こり得る。

さらに今年新しいルールが追加された。チケットの有効期間が午後と午前に別れたのだ。 要するにチケットは半日間だけ有効というとなってしまった。

 「これバスに並んでるんですか」

 「そうだよ」

早朝6:30、マチュピチュ遺跡に向かうバスの停留所には、既に長蛇の列が出来上がっていた。 列の最後尾は川沿いの道のはるか上流だ。

ペルー旅行記|早朝、マチュピチュ遺跡に登るバス停には長蛇の列が
早朝、マチュピチュ遺跡に登るバス停には長蛇の列が

午前の部を購入した観光客は制限時間の12時まで目いっぱい楽しもうと、朝早くから遺跡に登るバスに並んでいたのであった。バスは数台でピストン輸送しているのだが、これだけの大人数を一度にはさばききれない。結局1時間弱並んで、やっとバスに乗ることができた。

曲がりくねった山道をバスは土埃をあげて駆け上がっていく。崖から見える谷間の景色はハッとするほど美しい。

しばらくしてバスは遺跡入口に到着した。遺跡の中にトイレはないので入口脇の有料トイレで用事を済ませたが、何とここの利用料が2ソル(約70円)もする。相場の2倍である。観光客からとことん金を搾り取ろうとするペルー当局の姿勢には一点の曇りもないが、驚いたことにキチンと領収書を発行する。生まれて初めて、そして生涯最後であろうトイレ代の領収書を受け取った。

ペルー旅行記|入口脇の有料トイレとその領収書
入口脇の有料トイレとその領収書

身分証明書とチケットを見せ遺跡の中に入る。細い小道をしばし登っていくと、突然視界が開け、OH! This is マチュピチュ の光景が現れた。

雑誌やテレビ・ウェブで何度も見慣れた光景だけど、本物はスケール感が全く違う。この壮大さは来てみないと実感できない。

ペルー旅行記|マチュピチュ入口付近は観光客でいっぱい
マチュピチュ入口付近は観光客でいっぱい

マチュピチュの遺跡からは、さらに上の山に登ることができる。ワイナピチュ山とマチュピチュ山だ。ともに入山するには遺跡とセットになった入場券を買わなければならない。ワイナピチュ山は特に人気が高く、自分がマチュピチュ旅行を手配した時にはもう売り切れていた。マチュピチュ山の方はまだ余裕があったが、そこまで登らなくても、インカ古道を登ってインティプンク(太陽の門)という地点まで遺跡のみの入場料で行けるというので行ってみた。

ペルー旅行記|インカ古道を登っていく
インカ古道を登っていく

狭い山道をズンズン登っていく。3~40分たったところで石造りの塊が見えてきた。おそらくこれが太陽の門なのだろう。そして改めてここからマチュピチュを眺めてみる。

おお、ここまで昇ると、あのマチュピチュ遺跡も小さく見える。

ペルー旅行記|遺跡をさらに上から見る。取り囲む遥かに高い山と下に広がる深い谷、本物はスケール感が全く違った。
遺跡をさらに上から見る。取り囲む遥かに高い山と下に広がる深い谷、本物はスケール感が全く違った。

遺跡を取り囲む遥かに高い山と、遺跡の下に広がる深い谷が一望できた。この壮大な大自然の中にあっては第一級の世界遺産ですら小さく見える。この全身で感じるスケール感、遺跡のさらに上まで苦労して登った甲斐があったと言うもの。こればっかりは現場に来てみないと実感できない。

それにしても山奥のこんな頂きに、何故こんなものを作っただろう。それが分からないから世界中から観光客がやって来る。そして、僕も今ここにいるのだった。

(続く)


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最終更新:2017年10月31日 23:58