【格安で行こう、マチュピチュの旅】
第2話)高すぎるゾ!! マチュピチュへの道。

《ペルー旅行記|クスコ|マチュピチュ|ティポン|リマ|》

マチュピチュは世界的に有名な観光地である。なのでペルーに着いてさえしまえばそこに行くのたやすいことだと思っていた。

甘い、甘すぎる。 世界第一級の観光地・マチュピチュにたどり着くためには、多くのお金を落とさせる仕掛けが仕込まれていた。

その最たるものが拠点となる街クスコから遺跡の麓アグアスカリエンテス村までの交通手段である。この区間は道路がない。より正確に言うと途中のオリャンタイタンボからアグアスカリエンテス村の間の、ウルバンバ川に沿った区間に道路がない。唯一の交通機関が鉄道である。ところがこの鉄道、料金がべラボーに高いのだ。時間帯やクラスによって料金体系は変わるものの最も安いものでも片道60ドルもする。

ぺルー旅行記|オリャンタイタンボ駅
オリャンタイタンボからアグアスカリエンテス村までは鉄道が交通機関

買えるか、こんなチケット!

現地のペルー人用に激安のローカル列車も走っているらしいのだが、かといってペルー人になるわけにもいかない。

外国人は高い鉄道料金を払わないとマチュピチュに行けないのか!!

ところが最近こんな当局の仕掛けの裏をつく激安ルートが登場した。

アグアスカリエンテス村からウルバンバ川沿いを10km程先に行くと水力発電所(Hidroelectrica)がある。その発電所まで、ぐっと大周りになるが、道路が繋がっている。

最近クスコの旅行会社はその水力発電所までのバスの手配を始めだした。料金は片道 40ソル(約1,400円)と激安!! そのかわり7時間の車の移動を覚悟しなければならず、加えて途中、未舗装道路含む曲がりくねった山道に耐えねばならない。

難関はまだまだ続く。残りの水力発電所からアグアスカリエンテス村までの10kmはどうやって移動するのか。

方法は2つある。楽なのは鉄道を使う方法だ。クスコからアグアスカリエンテス村までの鉄道は、実は水力発電所まで延長しており、この区間の輸送サービスもひっそり行なっている。ただしこれを利用すると外国人料金で25ドルも取られる。こんなに取られては激安ルートの意味がない。

では残りの方法は何か?

歩くのである、

線路脇を約2時間半かけて。

ぺルー旅行記|ぐるっと大回りして車7時間+徒歩2時間半でアグアスカリエンテス村へ
ぐるっと大回りして車7時間+徒歩2時間半でアグアスカリエンテス村へ

C球の歩き方にもロンリーPラネットにもこの方法は載っていないが、ネットを検索してみると結構ポピュラーな方法であることが分かる。

線路脇を歩くスタイルが映画スタンドバイミーに似ていることから、一部で「スタンドバイミー」ルートと呼ばれている方法だ。

2時間半も歩くと思うと随分大変なことのように思うが、マチュピチュ観光にはインカ古道をトレッキングするツアーがあり、短いもので2日、長いもので5日をかけ山道を歩いてマチュピチュ遺跡に行くツアーが人気だという。これらのツアーに参加すると100ドルから500ドルぐらいかかるという。

それに比べ、こちらはトレッキング気分を味わえるうえにお金が節約できるのである。一挙両得ではないか。

と言うことでこのルートに挑戦してみることにした。

ただし一抹の不安はある。クスコは標高3000mを超える高地の街。慣れないと高山病にかかってしまう。そんな状態で長時間の自動車移動に耐え、さらにその後2時間半歩き続けることなんてできるのだろうか? 徒歩移動の最中に動けなくなったら誰も助けてくれる人はいない。

ともかくできることは体調を十分に整えることだけだ。後は運を天に任せ、成るようにな成れ。イザ実行あるのみだ!!

(続く)


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最終更新:2017年10月31日 23:55