【モザンビークで観光旅行?!】
第3話)あなたの席はありません!
《モザンビーク旅行記|マプート|カテンベ|イニャンバネ|トーフ》
ヨハネスからモザンビークの首都マプートへは僅か1時間のフライトである。午前11時にマプート空港に降り立った。国際線だというのにボーディングブリッジはおろか、駐機場からのバスすらない空港である。乗客はタラップを降りるとトボトボ歩いて行かねばならない。こんな首都の空港は初めてだ。
ともかくここまで来たら後には引けない。立派に観光してやる。まってろ税関。ワイロなんかにゃ屈しないぞ。僕は途上国特有の入国審査に備えて覚悟を決めた。
「ベン・ブニード(ようこそ)!」
意に反して、税関はあっさりスタンプを押してくれた。ありゃ、意外に出だしはスムースじゃん。
さて、ここで僕はちと悩んだ。このままマプートの街に出るのか? それとも国内線で地方に一気に飛んじゃうか?
できれば地方に飛んでしまいたい。なぜなら今日は人出の少ない日曜日。街に出てもゴーストタウン状態で危険なのは目に見えている。でも、地方に飛ぶフライトは事前にスケジュールが分からないので(正確にいうとネットでスケジュールそのものは検索できてたのだが、そのスケジュールどおりホントに飛んでるか、この手の途上国ではかなり怪しい)。着いたその場で運行状況を確認し、航空券購入を試みる。
幸い2時間後に海辺の田舎街・イニャンバネ行きのフライトがあった。出発時間と便名を書いたメモを見せつつ、超片言のポルトガル語でモザンビーク航空のカウンターでチケットを購入。片道3,663メティカシュ(約1.7万円。1メティカシュ=約4.6円)はサイフに響くが仕方ない。さあ、今度は国内線のチェックインだ。
「セニョ-ル、ナォン」
え、何が「ナォン」なの! 僕はチェックインカウンター職員の言葉に声を失った。
「あなたの席はありません。」
それってどういうこと?。今さっきそこのカウンターで便名のメモまで見せて買った航空券ではないか?席がないわけないだろう。
「確かに航空券はホンモノです。でもあなた、ブッキングは済ませましたか?」
ブッ、ブッキングだとぉ! そりゃ順番的には「ブッキング」してから「購入」ではある。確かに「ブッキング」って単独行為は行なわずに「購入」したけど、そんなのって航空券買った瞬間にブッキングも一緒に済んでるのがフツーじゃないか。それともここは元社会主義国、手順をキチンと踏まないと融通が一切利かないと言うことなのか。
ともかく、チェックインカウンターで大もめにもめたのだが、やがて職員はのたまった。
「OK。ノープロブレム」
「席があるのですね。」
「いいえ、でもウェイティングリストに載せました。」
ウェイティングリストのどこが「ノープロブレム」なのだ!イニャンバネ行きは毎日ある便ではないゾ。今日を逃すと予定が最初から大幅に狂ってしまうというのに。
困ったものだが待つしかない、、、、
最終更新:2016年08月24日 09:24