【新疆ウイグル★シルクロードは"知る苦"の旅??】
第7話)新疆屋台のスイーツたち!

《中国・新疆ウイグル自治区・シルクロード旅行記|ウルムチ|クチャ|カシュガル》

夏の終わりの新疆ウイグル。暑さはさほどでもないが空気が異様に乾燥しているためやたらと喉が渇く。乾いた大地で育つ作物は自ら水分を蓄えようとするのであろうか、スイカやメロン、ハミ瓜などは恐ろしく巨大に実る。

シルクロード旅行記・新疆ウイグル|スイカ・瓜・いちぢく・葡萄…晩夏のウイグルは果物天国
スイカ・瓜・いちぢく・葡萄…晩夏のウイグルは果物天国

屋台では至るところでスイカや瓜が切り売りされ、一切れ1元(約17円)のスイカをかじれば、水分補給にペットボトルなど必要ない。この時期、新疆は果物の季節だ。市場にはたわわに実った葡萄が出回り、日本では見たことのないまん丸い形のイチヂクが露店の店先を賑わす。

カシュガルではザクロジュース屋台などというモノまで見かけた。手動の圧搾器で搾りたてを飲ませてくれるのだ。ウイグルのフルーツを堪能するならこの時期に限る。

シルクロード旅行記・新疆ウイグル|カシュガル、ザクロジュース屋台
ザクロジュースを飲ませる屋台

フルーツの他に、新疆の渇いた喉を潤すものに乳製品がある。

とある屋台で人々が丼に注がれたミルクらしきものを飲んでいた。何だろうと近寄ってみると、屋台の親父はやおら巨大なフォークを取りだしガシガシと氷の固まりを砕きだす。続いてポリバケツから液状の乳製品を器に注ぎ、ハチミツを加え砕いた氷とともにシェイクする。供されたのはハチミツ ヨーグルト ドリンクだった。

シルクロード旅行記・新疆ウイグル|カシュガル、ハチミツヨーグルトドリンク
ハチミツ ヨーグルト ドリンク

酪農の盛んなウイグルではヨーグルトも特産品だ。そして果物の宝庫には、その実を結ばせる蜂たちの恵み・ハチミツも豊富だ。オールウイグルの結晶がつまったこのヨーグルトシェイク、旨くないわけがない。

そんなウイグル屋台で驚いたスイーツがもう一つ。

 なっ、何だ!その山のように盛られた白い塊は。え"っ、それアイスクリームじゃん!!

テーブルの上には1mを超える高さにまで、アイスクリームがこんもりと盛られていた。注文するとおばちゃんはスプーンで巨大な塊をすくって小さなカップに入れる。食べて見るとそれはアイスクリームと言うよりフローズンヨーグルトであったが、素朴な酸味とほのかな甘味が疲れた身体を癒してくれる。美味い。

とはいえ、この山のようなアイスの塊。ディスプレイ効果は満点だが、冷蔵庫にも入れず外に出していたら、いずれ全部溶けちゃうじゃん。勿体ない!と思ってしばらく店を監察していたら、頃合いを見計らっておばちゃんは熔けだしたアイスの液をすくいボウルに回収。そしてその液を妙な機械にぶち込んだ。

シルクロード旅行記・新疆ウイグル|クチャ 山のようなアイスの塊
山のようなアイスの塊、溶けたら撹拌器で再生だ!!
シルクロード旅行記・新疆ウイグル|クチャ アイスの撹拌器

スイッチを入れるとその機械はブルブルと身体を震わせだした。なんと、原始的な冷蔵撹拌器が脇に供えつけてあったのだ。

溶けたアイスもこのブチ再生工場で空気を含ませると、ヒンヤリ出来立てのアイスクリームにリメイクされるのだ。

つまりこの屋台アイスでは、継ぎ足し継ぎ足し再生されたアイスの液が使われているということだ。これは老舗うなぎ店のタレと同じ原理ではないか。とすると、僕が食べたアイス、正確にはフローズンヨーグルトだが、その何千分の一かの成分は、年代もののレアなビンテージ乳酸菌だったということだ!!

うむむ、やるなぁ、ウイグル屋台のスイーツたち!!

(続く)


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最終更新:2016年08月27日 09:25