…七十二…七十三…七十四…七十五………
信玄と謙信の賭けとは百数える以内に忍びの者がここに来るか来ないか当てるという
至って単純なもの。普通考えればタイミングよく来ないと思うが、負ける戦いをしない男がそうそう不利な賭けをすると思えない
案の定、信玄は何かしらの合図らしき動作をしており、謙信はそれを見逃さなかった
(やはりな。お付の忍びの者を呼び寄せようという魂胆なのだろう)
無論、謙信にも勝算はある。かすががそれを妨害してくれる思ったからだ。彼女は優秀な忍び
うまくやってくれたのだろう
…八十二…八十三…八十四…八十五………
(ええい! 佐助は何をしとる!)
信玄は少しムッとしていた。何度か合図として小石をこっそり投げたのだが
彼が来る気配は毛頭無かった
信玄と謙信の賭けとは百数える以内に忍びの者がここに来るか来ないか当てるという
至って単純なもの。普通考えればタイミングよく来ないと思うが、負ける戦いをしない男がそうそう不利な賭けをすると思えない
案の定、信玄は何かしらの合図らしき動作をしており、謙信はそれを見逃さなかった
(やはりな。お付の忍びの者を呼び寄せようという魂胆なのだろう)
無論、謙信にも勝算はある。かすががそれを妨害してくれる思ったからだ。彼女は優秀な忍び
うまくやってくれたのだろう
…八十二…八十三…八十四…八十五………
(ええい! 佐助は何をしとる!)
信玄は少しムッとしていた。何度か合図として小石をこっそり投げたのだが
彼が来る気配は毛頭無かった
九十五…九十六…九十七…九十八…九十九……
「謙信様ぁぁ!!」
「 ?! 」
突然の声に謙信は青ざめた。その声は姿は見えぬど間違いなく彼女の忍び…かすがだ
(愛しき美しい剣よ…そなたが来るのは嬉しいが今はその期ではなかった)
彼女は内心恨み言を呟いた
「謙信?!」
信玄は目の前の女性が謙信であった事に驚嘆し唖然としていた
「…やくそくだ。そなたとつきあおう」
謙信は毅然とした態度で答えた
「謙信様ぁぁ!!」
「 ?! 」
突然の声に謙信は青ざめた。その声は姿は見えぬど間違いなく彼女の忍び…かすがだ
(愛しき美しい剣よ…そなたが来るのは嬉しいが今はその期ではなかった)
彼女は内心恨み言を呟いた
「謙信?!」
信玄は目の前の女性が謙信であった事に驚嘆し唖然としていた
「…やくそくだ。そなたとつきあおう」
謙信は毅然とした態度で答えた
深夜の上杉領
誰もが寝静まった頃、二人の人影がいた
「謙信様、本当に大丈夫なのですか?」
その一人は謙信の家臣である直江景綱。彼女を幼い頃から知り一番の良き理解者である
兄とはほとんど縁がなかった謙信には彼が兄のような存在であった
「かれはそこらのげせわなぶしょうではない。しんぱいにおよびません」
もう一人はもちろん謙信だ。赤く艶やかな色合いの着物を身に纏い、黒髪をたらした
その姿はまごうなき美しき女性の姿である
「しかし……」
景綱は少し渋い顔をした。女性が一人、男装もせず男共の集まる場所に行くのはいささか不安がある
ましてや妹のように可愛がり見守ってきたのだから尚更である
「もしものことがあれば……それなりのたいしょをするまでです」
謙信は懐から刀を見せた。彼女の決意に景綱は納得するしかなかった
彼女の頑固さは筋金入りでそれは彼もわかっていた
「おや、むかえがきたようですね」
二人の前に暗闇から迎えの馬が現れた
星合の空11
誰もが寝静まった頃、二人の人影がいた
「謙信様、本当に大丈夫なのですか?」
その一人は謙信の家臣である直江景綱。彼女を幼い頃から知り一番の良き理解者である
兄とはほとんど縁がなかった謙信には彼が兄のような存在であった
「かれはそこらのげせわなぶしょうではない。しんぱいにおよびません」
もう一人はもちろん謙信だ。赤く艶やかな色合いの着物を身に纏い、黒髪をたらした
その姿はまごうなき美しき女性の姿である
「しかし……」
景綱は少し渋い顔をした。女性が一人、男装もせず男共の集まる場所に行くのはいささか不安がある
ましてや妹のように可愛がり見守ってきたのだから尚更である
「もしものことがあれば……それなりのたいしょをするまでです」
謙信は懐から刀を見せた。彼女の決意に景綱は納得するしかなかった
彼女の頑固さは筋金入りでそれは彼もわかっていた
「おや、むかえがきたようですね」
二人の前に暗闇から迎えの馬が現れた
星合の空11