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フランとゴリラの大冒険!りたーんず!第1話『VS武術部員』


フランとゴリラはとっても仲良し。
いつも一緒にお散歩するの。

「今日は武道場の裏まで花見に行きましょう。」
「ウホウホ。」

だけど、おやおや?
桜の木どころか、武道場がありません。

「道を間違えたかしら」
「ウホウホ」
「あの人に聞いてみましょう」
「ウホウホ」

「九万九千九百九十八、九万九千九百九十九、十万ッ!…ふう。」
「ごきげんよう。」
「ウホウホ。」
「押忍。自分に何か用ッスか」
「武道場はどこでしょうか。」
「ウホウホ。」
「え?武道場ならここに…ってあれ??」

湯気でホカホカしていた男の顔が急激に青ざめました。
「またやっちまったッスーーー!!」
「どうしたの?」
「ウホウホ。」

「それが…。この能力のおかげで、巻藁は吹き飛ばすわ部員達は吹き飛ばすわ。いつまで待っても誰も帰ってこないから仕方なく正拳突きしてたんスけど。今度は武道場を吹っ飛ばしちまったみたいッス」
「大変ですね。」
「ウホウホ。」
「そうだ、こんなところにバナナがあるよ。」
「ウホウホ。」
「腹ごしらえして落ち着けってことッスね。御好意痛みいるッス。」
「キノコもあるよ。」
「ウホウホ…ウホッ!!」

その時、突然ゴリラが男に跳びかかった。
「うわあっ、何をするッス!!」
不意をつかれた男はその場に組み伏せられる。
その刹那、高速で回転する円盤状のものがゴリラの背中のキノコをかすめて飛び去った。
高さ的にはちょうどさっきまで男の頭があった位置だ。

「あ、ありがとうッス。」
「ウホウホ(いいってことよ)。」
「でも、ちょっとだけ重いっす。」
「ウ、ウホッ(ご、ごめん///)。」
「油断するなゴリラ!戻ってくるぞ!」
フランの一声で我に返る二人。
なんと、一度通り過ぎたはずの円盤が旋回して戻ってくるではないか。

「ゴリラさん。早く立つッス!」
「ウホッ(痛ッ。やだ、足をくじいたみたい)。」
「ゴ、ゴリラさんっ。」
「ウホウホ(私に構わずあなただけでも逃げて)。」
「そんなことできる訳ないッス。」
「来るぞ!!」
「こうなったらやってやるッス。」

恐ろしい速度で回転しながら飛来するソレ――驚くべきことにそれはマンホールの蓋であった――に向けて腰を落として拳をまっすぐに突きだす。
凄まじい拳速が巻き起こす風が、円盤を、周りの空気を、そしてフランとゴリラを次元の狭間に吹き飛ばす。

「山之端 一人もその力を使って殺害したのか?三八九 繁次。」
フランとゴリラが最後に聞いたのは、そんな言葉だった。


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