B_SS04

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だれでも歓迎! 編集

黒姫射遠SS

山乃端一人の殺害から数日後、携帯を片手に次々と増え続けるトラブルの対処のため学園内を駆けまわる黒姫射遠の姿があった。
相手は同じ風紀委員会に所属しているメンバーである。

「非常にまずい状況ですね。対処も難しくなってきましたし」
一番深刻なのはそれが生徒会と番長グループ間の疑心暗鬼によるものだということだ。
今はまだ小規模な争いに収まっているが、このままでは休戦協定が破られ大規模な紛争が起こるのも時間の問題だろう。
「これは誰かが対立を煽っていると見るべきではないですかね?さすがに少し不自然な感じがします」
山乃端一人の存在は確かに大きい。彼女の死が衝撃的だったことも否定はできない。射遠自身あの事件に関してはショックが大きい。
だからと言ってここまで深刻な事態になるものだろうか?別に山乃端一人は生徒会や番長グループと対立していたわけではないのだ。
双方に不信感が広がるのが早すぎるのではないだろうか?
「少なくとも、犯人がハルマゲドンが起こしたがってるのは間違いないと思います。それが何のためかはわかりませんが」

そもそもあの事件は謎が多すぎる。
完全に面子をつぶされた形となった風紀委員会としては全力をあげて捜査しているのだが、ほとんど何も分からない。
いや、正確には手掛かりはないわけではない。むしろ多すぎるぐらいだ。
調べれば調べるほどが証拠が増えていく。犯人を名乗る者が幾人も現れる始末である。まるで葉を隠すのなら森の中と言わんばかりだ。
おそらく犯人は事前に入念に準備していたのだろう。おかげで、現状では風紀委員会の名誉は回復できそうにない。

(まあ、別に私としてはそれはどうでもいいんですけどね)

それが風紀委員会や番長グループに都合の悪い結果であっても、事件から手をひくつもりなどない。
たとえ、全てを敵に回しても、自分の正義を貫き真相を明らかにするつもりだ。
なぜなら、それが黒姫射遠の行動原理だからであり、山乃端一人への弔いであると信じているからだ

「なんにせよ真相究明を急ぐ必要がありますね。このままではいつ全面戦争が始まってもおかしくありませんから」
生徒会と番長グループの間に植えつけられた相互の不信感はは日ごと危険な水域に近付いている。
事件の真相が明らかになったぐらいでは止まらないかもしれない
電話の相手もそう考えたらしく、射遠に意見を求めてくる。
「たしかにそれは否定できませんね」
射遠はその意見を肯定する
「でも、私はあきらめるつもりはありませんよ。たとえ1%しか可能性がなくとも最後まで戦い続けます」
射遠が幼いころに見たヒーローはどんな窮地に追い込まれてもあきらめなかった。だから彼女はあきらめない。

「私は正義の味方ですから」

その結果たとえ死ぬことになっても別にかまわない。どうせあの時凍条氷馬に助けられた命だ。後悔などない。
「見ててください。犯人にこの電撃姫・黒姫射遠を敵に回したことを後悔させてあげます!!」

学園に平和を取り戻すため風紀の姫は今日も駆ける。


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