フリーザ
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この項目では、『NavyFIELD迷艦長』の登場人物について説明しています。
* 食材などを低温で保存する保管庫については「冷蔵庫」をご覧ください。 * 『ポケットモンスター』シリーズに登場するポケモン・フリーザーについては「フリーザー」をご覧ください。 * イタリアのコムーネ・フリーザについては「フリーザ (イタリア)」をご覧ください。
フリーザは、鳥山明の漫画『ドラゴンボール』及びアニメ『ドラゴンボールZ』『ドラゴンボールGT』に登場する架空のキャラクター。
原作での初登場は其之二百四十七「暗雲うずまくナメック星」、アニメ版では『ドラゴンボールZ』第44話「あらたな強敵!宇宙の帝王フリーザ」。声優は中尾隆聖。
名前の由来は、冷凍庫(フリーザー)から。原作者の鳥山は、野菜(サイヤ人)、乳製品(ギニュー特戦隊)などを統括する存在として、彼の名を本当は冷蔵庫(フリジエーター)にしたかったのだが、イマイチピンとこなかったのでフリーザーの方にしたと語った[1]。
人物像
登場時、宇宙最強の存在として描かれ、数多くの部下を従え、環境の良い星の生命体を絶滅させて他の異星人に売り飛ばす「星の地上げ行為」などの悪事を行っていた宇宙人。破壊し尽くした星を除いても、支配している惑星は100を越えている[2]。
絶対的な力で多くの部下を従えているが、普段は底の見えない落ち着いた物腰であり、圧倒的な余裕からか、部下に対しても公家調の丁寧語を使う。怒ると言動が乱暴になるが、自分の実力に絶対の自信を持っているため、相手に余裕を見せる態度は変わらない。その一方で、他者の生命を奪うことを何ら躊躇しない。殺戮を繰り返し、部下を平気で犠牲にし、星を消滅させることを「花火」と称して狂喜するほど嗜虐心が強い。部下をはじめ、周囲からは冷酷な存在と畏怖されているが、当人は「人には優しくしている」と語っている。「宇宙最強」であることにこだわり、どんな手を使ってでも自分より強い者を排除しようとする。一方で、自ら有能と判断した者や、戦闘力の高い者に対しては自分の下で働かないかと勧誘する一面もある。
数々の星を次々と征服しつつ、同時に全宇宙から戦闘力が高い人材を集めて自らの配下を増やしていった結果、フリーザたち一味は様々な宇宙人が揃った混成部隊となっている[3]。サイヤ人を含め、支配下に置いた味方の星の住人は部下として徹底的に働かせ、星を攻める際には傭兵のように使っていた。
ストーリーへの絡み
自らの私設軍の一角を占め、「星の地上げ」を行っていたサイヤ人を、その潜在能力・連携能力が将来的に自らにとっての禍根になると見なして敵視、とりわけ超サイヤ人に関しては「くだらぬ言い伝え」として一笑に付しつつも警戒していた。軍に各星に散っていたサイヤ人たちの殺害を命令する。そしてフリーザは、手駒として使える者や遠くの星に送り込まれた僅かな者を除き、サイヤ人を故郷「惑星ベジータ」もろとも消滅させる。フリーザの裏切りに気付いた孫悟空の実父・バーダックは、それを阻止するべく単身フリーザに闘いを挑むが、力及ばず宇宙に散る。惑星ベジータが消滅していくさまを、「こんな美しい花火ですよ」と叫んで狂喜していた[4]。
数十年後、サイヤ人の生き残りたちの会話を盗聴したことから銀河系で伝説とされていたナメック星の「ドラゴンボール」の実在を知り、不老不死の肉体を手に入れるべく数十人の部下とともにナメック星に向かい、多くのナメック星人を虐殺してドラゴンボールを強奪していく。その後、事態はフリーザとその部下並びにギニュー特戦隊、ブルマやクリリンら地球からの使者、反逆者ベジータ、そしてナメック星人らが入り乱れてのドラゴンボール争奪戦へと発展する。
それまで自軍を苦しめた者は殆どおらず、侵略によって直属の部下がほぼ全滅状態になったことや、自身の部下でも最高クラスの実力を持つギニュー特戦隊を最前線へと投入したのは、この時が最初であるとされている。
ナメック星のドラゴンボールを7つ全て揃えるも、ナメック語で喋らなければ発動しないうえ、クリリンたちによって奪われた挙句、最長老が死去したことで、フリーザは不老不死になるという願いを断たれた。フリーザは茫然自失の状態のクリリンたちの前に姿を現し、「絶対に許さんぞ」と叫んで怒りを露わにし、クリリンたちを皆殺しにすることを宣言する(悟飯を除いて、この発言は現実となる)。ベジータと一度差し向かい、強さを認めると、促されるような形で変身をし、ベジータたちを震駭させる。最初にデンデを攻撃しようとしたが、庇ったクリリンを襲撃し、角で体を貫通させてから海へ投げ落とした。これに怒りを爆発させた悟飯の連続攻撃を食らうが、フリーザにとってはかすり傷程度にしかならなかった。返礼として、静かに笑いながら悟飯を痛め付ける。とどめを刺そうとした瞬間に、デンデの力で甦ったクリリンの気円斬で尻尾の先端を切断される。その後ネイルと融合したピッコロが現れ、直接対決するが、肉弾戦でいささか押されたうえに、自分の渾身のエネルギー弾を跳ね返すなど、予想以上にピッコロが「できる奴」と判断。第3形態への変身を行う。ピッコロを手玉に取り、徹底的に痛めつけたが、怒りの悟飯の攻撃に脅威を感じ、このままでも全員粉々にできると豪語しつつも、遂に最終形態への変身を完了させる。
最終形態となったフリーザは、(クリリンらにわざと自分を攻撃させ、その後デンデによって回復し、自ら超サイヤ人と称するほど戦闘力を上げた)ベジータの攻撃を軽くいなし、戦意喪失させて嬲り続けるほどの圧倒的な強さを見せ、最後には心臓を貫いて殺害した。その直前に現れた悟空はフリーザに対し、「おめえをぶっ倒す」と宣言し、激闘を展開する。
フリーザは、20倍界王拳を発動させて繰り出したかめはめ波をも片手で受け止るほどの強さを見せ、戦いを見ていたピッコロたちを絶望させるが、最後の手段として悟空が作り出した元気玉の直撃を喰らって初めて生命の危機を感じる。その怒りからピッコロに重傷を負わせ、クリリンを爆殺した。しかし、それが悟空の逆鱗に触れることとなり、彼を、自身が危惧していた超サイヤ人へと覚醒させた。超サイヤ人に覚醒した悟空の圧倒的な強さを目の当たりにしたフリーザは屈辱と絶望に陥り、ナメック星を消滅させることで悟空を葬ろうと考え、星の中枢を破壊する。その後、爆発までの時間が迫る中で悟空との最後の戦いに望み、超サイヤ人となった悟空を相手どり、それまで以上に激しい死闘を演じる。最後は自身の技を避けられずに体を切断されて地面に伏す。その際に悟空に命乞いをして気を少し分けて貰って命拾いするも、即座に騙し討ちを試みる。しかし、悟空の反撃によって消し飛ばされた。
悟空との戦いで死亡したかに思われたが、辛うじて一命を取り止めていたフリーザは体の大部分をサイボーグ化し、メカフリーザとなる。復活を遂げたフリーザは悟空に復讐するべく、父・コルド大王とともに地球への侵攻を企図。だが地球に降り立った際に遭遇した謎の少年・トランクスによって一刀両断にされて、とどめのエネルギー波で完全に消滅させられた。直後にコルド大王もトランクスによって倒されており、親子ともども最期を遂げることとなった[5]。
その後は、戦闘力のインフレが進んだ結果、「宇宙最強」からは程遠い存在となってしまい、界王神に「一撃で倒せる」とまで断言された。
死後(アニメのみ)
あの世一武道会編でセルが地獄に落ちると、自分の部下たちとともに、実力が上であるセルに従えられて[6]、地獄で大暴れするが、パイクーハンに父親ともども一蹴されるなど、悪役としての弱体化が見られた。
魔人ブウ編では、界王神界での悟空たちとブウの戦いをコルド大王や部下らとともに地獄から観戦し、子供のような口調で悟空を罵倒したり、ベジータに対し皮肉を言うなど、生前とはかなり異なる面を見せていた。しかし、体力が尽きて苦しむ悟空を嘲笑しながらも、最後に悟空がドラゴンボールで体力を回復し、形勢を逆転させた際には、とくに悔しがるようなこともなく、微妙な表情を見せている。
劇場版
劇場版『復活のフュージョン!!悟空とベジータ』では地獄から自分の部下や他の悪人たち(ボージャックなど、それまでの劇場版に登場した悪役たちが中心)を率いて現世に復活し、グレートサイヤマンとなっていた悟飯と対峙する。当初のフリーザは悟飯が誰なのか分からなかったが、ナメック星で闘った悟空の息子が成長した姿であることを知ると、悟空への復讐も兼ねて悟飯に闘いを挑む。しかし、セルや魔人ブウとの闘いを経験し大幅に戦闘力を増した悟飯にとってフリーザはもはや敵ではなく、超サイヤ人に変身されることなく一撃で倒された。
ドラゴンボールGT
あの世とこの世が混ざった際、既に死者である以上負けないという自信から地獄でセルとともに悟空を襲来。しかし、セルもフリーザもすでに悟空の敵ではなく、悟空は超サイヤ人になりもせず完全に遊んでいた。最終的に合体技「ヘルズバスター」を繰り出し一時は悟空を戦闘不能にするも、結局地獄の武器を逆に利用した悟空によって、セルとともに氷付けにされて敗れた。敗北後はセルと縛りつけられた状態で牢屋に入れられ、鬼たちに運ばれていったのが最後となった。
また氷付けになった悟空に対して「イチゴシロップをかけて食べる」という趣旨の発言をするなど、それまで以上に色物キャラ化・ギャグキャラ化が進んでいた。
形態
フリーザ一族には4つの形態があり、サイヤ人やザーボンの一族のように変身によって戦闘力を強化することができる。それぞれの形態で身長は 130cm~200cm超程度。精神面も変化するのかフリーザ自身の一人称や口調までもがらりと変わり、アニメでは中尾が演じ分けていた。
第1形態
パワーを抑えて普通に生活できる形態。それでもその戦闘能力は53万に達する。小柄な体躯、短い円錐型の黒い2本の角、穏やかで公家風の口ぶり(やや女性的な口ぶりでもある)などが特徴。一人称は「わたし」や「わたくし」。部下に対しては丁寧語を使いつつ呼び捨てで話すが、実力・忠誠心の双方で一目置くザーボン、ドドリア、ギニューのことは「さん」付けで呼ぶ。激昂すると口調こそ変わるが一人称は変わらない。フリーザ自身も飛行可能だが、普段は楽だからという理由で専用の小型ポッド(宇宙環境を含めた万能マシン)で移動している。最長老の元へ向かい、その護衛を務めていたネイルと戦うが、戦闘力42000のネイル[7]を相手に、左手だけで叩きのめしてしまった。その後この形態において初めてベジータと戦うが、スカウターの数値に驚愕し第2形態への変身を半ばベジータに催促される形で決意する。
第2形態
父親のコルドに似たフリーザの形態の中でも最も大きな体躯(第1形態の2倍程度の身長)で角が闘牛のように伸び曲がり、口ぶりは粗野で一人称も「オレ」になる。クリリンやデンデたちを震え上がらせた。戦闘力は本人曰く「100万以上は確実」。なお、この形態になる前に、戦闘ジャケットを不必要と判断して気合で破壊していた。
第3形態
本人曰く、戦闘でこの形態を見せるのは、ピッコロたちが初めてだという。最終形態時に、「自分にほこりをつけたのは親以外では悟空が初めて」と語っていることから、コルド大王、クウラなどの同族以外には見せたことはなかったようだ。パワー・スピードがさらに向上。精神的にも落ち着きを取り戻すが、気弾攻撃やクレイジーフィンガービームの際には狂ったように奇声を上げるようになる。指先から、ピッコロでさえ視認できないスピードのエネルギー弾を連射する(最終形態のデスビームとは異なり、弾状のものを速射する)のが主な攻撃方法。この形態でも戦闘力のコントロールが可能であり、言葉遣いも第一形態のような穏やかなものに戻るが、声質は4つの形態のうちで最も低い声になる。他の形態では(最終形態も含め)肩は丸いが、この形態になると戦闘ジャケットのように尖る。頭部はエクレア状に後ろに伸び、フリーザの各変身形態のなかでも、最も怪物的な風貌になる。なお、この姿を披露していた時間は全形態中でもっとも短かった。一人称は「わたくし」。
最終形態(第4形態)
最終変身だが、これがフリーザ個人の本来の姿でもあり、4形態の中では最もヒューマノイドタイプに近い。外見は角や殻など余計な器官が全て取り除かれたシンプルなもので、体躯も第1形態と同じ程の小柄になる(原作では変身する描写は全く描かれなかったが、アニメでは第3形態にヒビが入りそこから登場するというものだった)。変身後にはそれ以前に切れた尻尾なども再生されて無傷の姿となる。この形態で揮えるパワーはMAXの50~70%程度、全力を使うにはやや時間をかけて気を集中し、後述のフルパワーになる必要がある。 精神面では最も落ち着いた状態で、言葉遣いはやや少年的なものとなる。一人称は「ボク」が基本であるが自身が逆上した場合は「オレ」となり、口調も荒くなる。だが、アニメや劇場版で登場する際には最終形態でも敬語を使う描写がある[8]。 悟空と初めて対峙したのがこの形態であり、「ガキっぽい」と評された容姿と裏腹に20倍界王拳を発動させた悟空でさえ全く歯が立たず、元気玉を使うことを余儀なくされたほどの強さを見せている[9]。元気玉でダメージを与えることには成功したものの、フリーザに致命傷を負わせることはできなかった。このとき、尻尾の先端が千切れて無くなっている。この形態では主にデスビームが使用され、かなり離れた位置から一瞬にしてデンデを殺害し、ベジータの心臓を貫き、ピッコロにも攻撃して半死半生にさせた。
最終形態フルパワー
ゲームではフルパワーフリーザ、100%フルパワーとも呼ばれる。最終形態から筋肉を増大させ、100%すべての力を発揮した姿(筋肉の増大以外、外見的な変化はない)。一人称は「オレ」。超サイヤ人に変身した悟空のかめはめ波を相手に退かず、一時は悟空を追い込む程のパワーを誇ったが、その反動によりエネルギーの消耗が著しく、気は徐々に低下していく。 この頃になると最初に見せていた余裕や冷静さは完全に失われ、長期間の激戦によるダメージと超サイヤ人への怒り、苛立ちによって錯乱状態に陥いりつつあった。さらに悟空に前述の弱点を指摘された上で、一方的に戦闘を打ち切られ、完全にプライドを砕かれたフリーザは、クリリンの気円斬に良く似た追尾型の気の円盤を2枚繰り出し攻撃を仕掛けるも、悟空には「つまらない技」と鼻であしらわれた。結局は自滅し、下半身と左腕を失う瀕死の重傷を負う。その後悟空に命乞いして一命を取り留めるが、宇宙一であるという自身の矜持を守るため、恩を仇で返して不意打ちをしかけ、直後の悟空の反撃によって消し飛ばされることとなった。 戦闘力は1億2000万[10]。アニメではこのフルパワー形態から前述の通常の最終形態に戻る描写があった。
メカフリーザ
孫悟空との戦いで大部分を失った身体を、機械で補完した姿である[11]。最終形態の冷静さを取り戻しており、悟空との戦いの1年後、多数の配下を従えて地球を物色するなど久々に「星の地上げ屋」としての顔も覗かせた。悟空への見せしめとして、部下に地球人を抹殺するよう命令したところにトランクスが現れ、部下や父親のコルド共々あっという間に斬殺された。悟空との戦いの時よりもさらにパワーアップしていると言っていたが、すぐに殺されてしまったため、どの程度パワーアップしたのかは不明。 アニメでは戦闘シーンが追加されており、スーパー・ノヴァで地球もろとも消し去ろうとしたシーンがあったが、実際には傷一つ負わせることはできなかった。一人称は「ボク」で、口調も第4形態と殆ど変わらない。ちなみに、『ドラゴンボールZIII 烈戦人造人間』に登場するメカフリーザは攻撃を一切受け付けないという反則的な強さを誇り、その後トランクスに瞬殺されるという完全なイベントキャラクター扱いであった。
フリーザの主な技
技自体は原作に登場するが全ての技名は原作に登場せず、ほぼバンダイ(現バンダイナムコゲームス)発売のゲームにより命名されている。作中で放つ際に叫んだ台詞がそのまま技名になっているものも多い。「フリーザメガバスター」「エビルエナジー」「デスジャンク」など、原作やアニメに登場する技に近い性質のあるゲームオリジナル技も存在する。
デスビーム/フリーザビーム/連続デスビーム/フレックスレーザー/エビルダンス
人差し指の先から光線を出す。ヒット効果は貫通する場合と爆発する場合がある。技の出が非常に早く、最終形態で使った時はピッコロに「ただ何かが光ったとしか見えなかった」と言わしめるほどである。兄のクウラや父親のコルド大王(ゲーム「ドラゴンボールZ Sparking!METEOR」より。技名は「フルパワーデスビーム」)も使用しており、彼ら一族の代表的な技といえる。また、フリーザの細胞を有するセルもこれを使用している。 作中でこの技を使って初めて殺した人物はデンデの弟・カルゴ。その後、デンデやベジータを殺した技でもある。他にも元気玉を喰らった後、これでピッコロを半死半生にした。しかし、悟空に対しては最初は手で弾かれ、その後、超サイヤ人に変身した際は簡単に避けられてしまう。さらにフリーザを挑発してわざと顔面に食らった際は口から少し血が出た程度でほとんどダメージを受けていなかった。
爆発波/ソニックボム/ばっ!!!!
エネルギーを解放して自分の周囲を吹き飛ばす。第2形態に変身した直後に使った技(左手を開いて上げる)。ゲームによっては全ての形態で使えるが、原作でも全ての形態で使えるのかは不明。「ただの挨拶代わり、これくらいサイヤ人にもできる」と発言している[12]。
スーパーノヴァ
人差し指の先に小さな光の玉を宿し、それを直径数10~数100メートルにまで巨大化させて対象に投げつける。惑星ベジータ含め、この技で多くの星を「花火」にしてきた。劇場版やゲームではクウラも同様の技を使い、劇場版では悟空のかめはめ波によって打ち返されている。ゲームでは、大きいデスボールに置き換えられることがある。
デスボール/100%デスボール/デススパーク/この星を消すっ!/この星を消す!
スパークを纏った黒い球状の気を作り放つ。指先で作る場合と両手の平で作る場合とがある。この技でナメック星の中枢を破壊し、爆発寸前に陥らせた。ゲーム上の置き換えやどことなく似ているからか上記の「スーパーノヴァ」と同技と誤解されがちだが、全くの別物である。ゲームではクウラも使用している。
サイコキネシス/サイコブラスト
所謂超能力。岩の欠片をぶつけるなどして攻撃するが、本人は軽い脅しのつもりで使っていた。クリリンの浮遊など束縛行為や、ドラゴンボールを運ぶなど補助的なものとして使われることが多かった。
悦楽のフリーザタイム
第2形態の時に使用。角で対象を串刺しにして揺さぶったあと、投げ捨ててとどめのエネルギー波を放つ。原作・アニメではクリリンに使用(最後のエネルギー波は無し)。
デスバレット/クレイジーフィンガービーム
第3形態時に使用。「ひゃひゃひゃひゃひゃ……」の奇声とともに凄まじい速さの光線(デスビームとは異なる)を両手の人差し指と中指から連射する。ピッコロにこの技を決めている。
サイコロックスマッシャー/サイコビーム/レッドスフィア/今度は死ぬかもね
最終形態の時に使用。特殊な赤いエネルギー波で相手を金縛りにした後、後方に吹き飛ばして爆破する。前述の「サイコキネシス」で相手の注意を引き付けつつ自身は後ろに回りこみ使用する。
デスウェーブ/大地裂斬/フリーザカッター/エネルギー斬/グランドウェイブ/惑星切り
最終形態時に使用。指先にエネルギーを集め、振りかざすことで対象を切り裂く。この技で、悟空たちの目の前でナメック星を切り裂いた。
デスクラッシャー/ノヴァストライク/エネルギークラッシュ/デスダイブ/デスクラッシャー
最終形態フルパワーの時に使用。渾身の力を込めて球状のオーラを纏いつつ体当たりする。悟空のかめはめ波と衝突するも、上手く避けて悟空に直撃、ダメージを与えた。
デスソーサー/デススライサー/繰気円斬/追跡気円斬/誘導気円斬/気円斬
最終形態フルパワー時に、超サイヤ人の悟空に使用した技。円盤状のエネルギー波で対象となる相手を追跡し、切り裂く技。技の外観はクリリンの「気円斬」に酷似しているが関連は不明(第二形態の時に気円斬で尻尾を切られている)。フリーザが使用するものは色が赤っぽい紫で、クリリンのものとは違い遠隔操作が可能。悟空に技の欠点を見破られ、無惨にも自滅した。 GTでもこの技を使ったものの、悟空に筋斗雲の要領で乗り回され、さらに皿回しの要領で跳ね返されて再び自滅した。
オレに殺されるべきなんだ!/デスキャノン
最終形態フルパワーの時に使用した最後の技。片腕を突き出してエネルギー波を発射する。追跡気円斬で自滅して瀕死状態になり、悟空に命乞いをして分けてもらった気を使って、宇宙艇へ向かおうとした悟空に放ったが、結局は悟空の怒りを込めたかめはめ波(実際は構えや掛け声は無く、片手で放ったので、かめはめ波かは不明。ゲームによっては「怒りのかめはめ波」という技名になっている)によって押し戻され、敗れることとなった。
GTで披露した技
ヘルズバスター
悟空を大地獄に送るためにセルと使用した合体技。相手を捕縛し大地獄に落とし、様々な地獄を味わわせて最後は氷付けにしてしまう。「地獄でセルと一緒に考えた」と発言している。
補足
その絶対の自信と余裕から、「サービス」と称して相手にハンディキャップを与えることがある(左手だけで戦う、両手を使わない等)。ただし、自分が不利に陥るとあっさりと独断でサービスを終わらせる。また、惑星を一つ軽々と破壊できるほどの戦闘力を誇り、自分が他の者に倒されてしまうようであれば、星ごと消滅させることも辞さない[13]。
作中ではその印象の強さから、以後登場する敵のある種の「スタンダード」とされ、「フリーザよりもとんでもない敵」や「フリーザぐらいの戦闘力のものならば…」といった具合に、敵の強さの基準として引き合いに出された。
悟空は、精神と時の部屋で悟飯を超サイヤ人に覚醒させるために、自分やピッコロがフリーザやセルに殺されるところを想像してみるよう促していることから、悟飯たちZ戦士に、想像だけで超サイヤ人に覚醒させるほどの怒りを植えつけていたことが伺える。
原作での出番が終了した後も、アニメでは地獄にいる彼の姿が描かれたり(上記のストーリーへの絡み参照)、劇場版やOVAで復活するなど度々再登場している。その際は半身が機械化されたメカフリーザとしてではなく、生身の肉体で登場している。また、容姿こそ最終形態だが、口調は第1形態のものになっていることが多い。のちに、「地獄へ行く魂は洗われ記憶をなくし別の生命体になる」ことがピッコロの口から言及されていたが、アニメでは肉体を持ったフリーザ、コルド、セルらが地獄にいたため、この設定とは矛盾する。後にバビディも、フリーザ同様の扱いで地獄に落とされている。
原作で登場する家族は父のコルド大王のみだが、劇場版では兄のクウラ、『ネコマジンZ』では息子のクリーザが登場している。クウラは第5形態まで変身可能であり、弟以上の強さを誇る。また、息子の頭の形は名の通り栗のような形である。しかし、息子は第2形態までしか変身できない。ただし、その外見はフリーザの第4形態に酷似している。コルドのことは「パパ」と呼ぶが、クウラに関しては媒体により呼び方が異なる。『Sparking!』シリーズでは「クウラさん」「クウラ」または「おにいさん」(ただし嫌みが入っている)、『真武道会2』では「兄さん」、『舞空烈戦』では「兄上」、OVA『ドラゴンボールZ外伝 サイヤ人絶滅計画』では「クウラ」である。同作では、クウラ、ターレス、スラッグとともにゴースト戦士となって復活。アニメでの映像においてフリーザとクウラの兄弟が共演した数少ないシーンである。フリーザは以前殺された恨みからか、トランクスに襲いかかっている。
鳥山はピッコロ大魔王親子を作品最大最後の宿敵として描くという当初の予定が延びたため、このフリーザこそ、その位置に持っていくつもりであったことから、サイヤ人編から続く多くの物語の首謀者として描き(作品で語られなかった過去を含めた首謀者でもある)、全てフリーザとの戦闘において収束するように設定されていた。鳥山自身も「これ以上の強さの描写は難しい」と発言していたが、当時の『ドラゴンボール』の人気の高さが絶大なものであったことから完結は許されず、結果的にさらに「吸収によるパワーアップ」という新たな概念を持ったフリーザ以上の強敵・セルが考案されることとなった。
なお、フリーザのモデルとなった人物は、当時の鳥山の担当者で、『Vジャンプ』編集長の近藤裕であるとの説もあり、近藤本人は「自分はトランクスのモデル」と言い張っているようである[14]。しかし、鳥山自身はあまり意識した覚えは無いとしている[15]。
ゲーム『超ドラゴンボールZ』の家庭用版では、通常のフリーザのほかにメカフリーザが登場。鳥山明監修によるリデザインが行われ、基本は原作のメカフリーザ同様だが腰部にリモコン爆弾・右背部にミサイルランチャー・左背部にグレネードランチャー・尻尾に対人地雷と、多数の武器を装備した姿となった。なお、腰のリモコン爆弾以外はスキルツリーで該当する技を習得した後にゲーム中の姿に反映される。
データカードダス『ドラゴンボールZ』のCMで、ベジータに続いて驚き役を担当するなど、近年の出演作ではギャグキャラクター化の傾向が顕著である。
フリーザを演じた中尾の演技はスタッフを感動させ、「ハマリ役」との評価を受けている。兄クウラの声も中尾が担当しており、フリーザとはまた違った口調で演じ分けている(ゲームでは息子クリーザも担当)。
パラレルワールドでのフリーザ
パラレルワールドを描いたゲーム作品でのフリーザ
PS2の「Z1」や「Sparking!」シリーズ、「舞空闘劇」や「舞空烈戦」ではIFストーリーが製作されており、フリーザが主役となるIFストーリーだけでなく、やられ役として登場するIFストーリーも多い。『ドラゴンボールZ Sparking!』の宇宙の帝王編では、超サイヤ人となった孫悟空に勝利し、クウラと戦闘を行っている。その続編『ドラゴンボールZ Sparking! NEO』の『美しき野望…』編では、部下のザーボンに裏切られるというパラレルワールドが描かれており、不老不死の計画を知られてクウラと戦闘を行っている。『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』のギャラクシーバトル編では、原作とは逆に団結したサイヤ人に先手を打たれ、ギニューら主力部隊を率いた隙を突かれてしまう。フリーザ自身は援軍として一足先に帰還、ベジータ親子やバーダックと連戦に。同シリーズでは、本編再現モードでもバーダックに倒されてしまう場合がある。同じく『Sparking! METEOR』の意外な救世主編では、メカフリーザとなってコルド大王や部下たちとともに地球に来襲するも、偶然そこに居合わせたアックマンと対決することになる。元が邪心の塊のような性格だけにアクマイト光線の効果は抜群で、イベントでアクマイト光線を浴びせれば即死となる。
『超こち亀』でのフリーザ
秋本治の漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』には、部下のザーボン・アプールとともにフリーザが1コマ出演、両津勘吉と共演したことがあり、その後も『こち亀』30周年記念本『超こち亀』で2度目の共演を果たした。
経緯
『こち亀』69巻『新たなる旅立ちの巻』においてキャラクターとして1コマだけ出演。上述した二人の部下ともども、自分たちの世界に放り込まれた両津を訝しがる。 またその続編として、『超こち亀』にもアプールとともに登場。こちらではまともに両津に攻撃を仕掛けたが、何度本気で攻撃してもすぐに無傷になる両津(ギャグマンガの登場人物ゆえの特性)を怖れて宇宙船で逃亡するという情けない役割での登場。しかも逃亡した後には「わたしは何も見ていない」、「わたしは誰とも会っていない」と現実逃避までしていた。また、アプールに「しりとりでもしませんか?」と言われた際、「宇宙の王者はそんなことしません」とあしらっていた。
フジテレビの番組への出演
トリビアの泉 ~素晴らしきムダ知識~
「トリビアの影ナレ」という副音声版にて、中尾がフリーザの声で担当した(第1形態のシルエットも表示、2006年5月17日放送分の前半)。後半担当のハイジ(声:杉山佳寿子)と交代をする際に、ハイジに対し「何ですか、あなたは?消し去りますよ」との挑発的な台詞を浴びせた。
脳内エステ IQサプリ
同番組の2時間スペシャルの回で、「IQミラーまちがい7」というコーナーにてドラゴンボールZとのコラボレーションで登場。内容は、悟飯たちを倒してナメック星のドラゴンボールを全て集め、今まさに願いを叶えようとしていたところを悟空が登場。あっという間に第1形態から最終形態まで変身し、超サイヤ人になった悟空と死闘を繰り広げるも、最後はかめはめ波で吹き飛ばされて敗北するというものだった。なお、このアニメにおけるフリーザは、神龍の呼び出し方(=願いの叶え方)を知っているという設定になっていた。なお、間違いの1つとして、デスボール(らしき技)のポーズで巨大な「モヤッとボール」を持っていた。
1. ^ 『ドラゴンボール フォーエバー 人造人間編〜魔人ブウ編』159ページ。 2. ^ ドラゴンボール大全集、および、超エキサイティングガイドの記述より。 3. ^ ただし、会社のような組織というわけではない。 4. ^ このとき、自分の多数の部下たちも巻き添えにしているが、意に介してはおらず、高笑いを続けていた。 5. ^ トランクスがいた未来の世界では、地球に帰還した悟空によって父親ともども倒されたことになっている。 6. ^ セルを「セルさん」と呼んでいるが、セルに対して顔を歪めるなど、従っているのは本意ではないようである。 7. ^ ネイルを「部下に欲しいくらい」と評している。 8. ^ 『復活のフュージョン!!悟空とベジータ』など 9. ^ この形態では、全力のうちの50%程度を出せば、悟空を「宇宙のチリにできる」と宣言している。 10. ^ ドラゴンボール大全集の記述より。 11. ^ アニメでは瀕死で宇宙を漂っていたところをコルド大王の宇宙船に回収され、惑星基地にて手術を受けてこの姿になる描写がある。 12. ^ ナッパが地球来襲時に決めた爆発波の『挨拶』と性質は近い。 13. ^ ただし、フリーザは気の概念を知らないため、Z戦士やベジータのように相手の気を感じるということができず、あくまで目で相手の姿や技を確認している。 14. ^ 『犬マユゲでいこう』より。また、犬マユゲ本編にてフリーザ風の姿の近藤が描かれている。 15. ^ 『ドラゴンボール フォーエバー 人造人間編〜魔人ブウ編』149ページ