434 :静宮 :2009/01/15(木) 00:35:45.98 ID:K.jz23k0
『ソプラニスタ』
『ソプラニスタ』
「はぁ…ぼくは一体どうすれば良いんだろう…」
僕は控え室で溜め息をついていた。
何故かと言うと…ぼくは合唱団でボーイソプラノを担当している。
そして、中学生になった最近は思うように声が出なくなってきている。
そう、『声変わり』である。
世の中には声変わりを経てもソプラノを歌える『ソプラニスタ』って言う人も居るみたいだけど、
残念ながらぼくにはその才能は無かったらしい。
「どうしよう…このままじゃ、ソプラノで歌えない…お母さんとの約束を守れないよ」
435 :静宮 :2009/01/15(木) 00:36:30.69 ID:K.jz23k0
ぼくのお母さんは、オペラ歌手をやっていていつも色んな所に行っていたので、一緒に居た記憶は余り無い。
でも、お母さんはいつもぼくの歌声を褒めてくれた。
『綺麗な歌声ね。貴方はきっと素晴らしい歌手になれるわ』
そう言いながら、ぼくの頭を撫でてくれた。
お母さんが褒めてくれるのが嬉しくて、ぼくは歌う練習を一生懸命頑張った。
僕は控え室で溜め息をついていた。
何故かと言うと…ぼくは合唱団でボーイソプラノを担当している。
そして、中学生になった最近は思うように声が出なくなってきている。
そう、『声変わり』である。
世の中には声変わりを経てもソプラノを歌える『ソプラニスタ』って言う人も居るみたいだけど、
残念ながらぼくにはその才能は無かったらしい。
「どうしよう…このままじゃ、ソプラノで歌えない…お母さんとの約束を守れないよ」
435 :静宮 :2009/01/15(木) 00:36:30.69 ID:K.jz23k0
ぼくのお母さんは、オペラ歌手をやっていていつも色んな所に行っていたので、一緒に居た記憶は余り無い。
でも、お母さんはいつもぼくの歌声を褒めてくれた。
『綺麗な歌声ね。貴方はきっと素晴らしい歌手になれるわ』
そう言いながら、ぼくの頭を撫でてくれた。
お母さんが褒めてくれるのが嬉しくて、ぼくは歌う練習を一生懸命頑張った。
でも、ぼくの歌声を褒めてくれたお母さんはもう居ない。
3年前に、事故で死んでしまったのだ。
元々、お父さんも居なかったぼくは女さん―お母さんのマネージャー―の養子となり、合唱団を続けていた。
「何か、方法は無いのかなぁ…女の子になれれば、声が変わらずに居られるのかなぁ…」
436 :静宮 :2009/01/15(木) 00:37:18.77 ID:K.jz23k0
そんな風に悩んでいると、ノックが聞こえた。
「ぼく君、入るわよ?」
そう言って女さんが入ってきた。
「やっぱり、悩んでたかぁ…でも、こればかりは私でもどうにも出来ないから、受け入れるしかないわよ?
それに、声変わりしたとしても、ぼく君ならカウンターテノールで十分やっていけると思うわ。」
そう、女さんはぼくに目線を合わせて諭すように優しく語り掛ける。
「でも…お母さんはぼくのソプラノの歌声を褒めてくれた。
その声が変わっちゃったら、ぼくはお母さんに褒めて貰えなくなっちゃう。
それじゃ、ダメなんです!」
ぼくは真剣な顔でそう言った。
そうすると、女さんは困った顔をして、
「もし、お母さんが居たら絶対そんな事は言わないと思うけど…
でも、お母さんに甘えられず寂しがる気持ちは分からなくも無いわ。
どうしてあげれば良いのかしら…」
とどうしたら良いのか分からない様子だった。
437 :静宮 :2009/01/15(木) 00:38:20.32 ID:K.jz23k0
その後自宅に帰り、ご飯を食べお風呂に入って後は寝るだけになった時、
女さんが「明日、日曜日だし動物園にでも行こっか」とぼくに言った。
実の所、ぼくは動物―特に小動物―が好きだ。
何て言うか、見てて癒される所とか。
ぼくはその提案に賛成し、少しワクワクしながら眠りに付いた。
438 :静宮 :2009/01/15(木) 00:39:17.68 ID:K.jz23k0
『ピピピピピ……』
毎日聞いている目覚ましで起きる。
何だろう…身体がだるい。風邪をひいちゃったんだろうか?
今日は折角の動物園だって言うのに…。
そんな事を考えていると、女さんが起こしに来てくれた。
「あ、女さん。おはよ…」
そこで、僕は自分の声に違和感を感じた。
女さんも感じたらしい。
「ねえ、ぼく君。声が変だけど…大丈夫?熱は無い?」
ぼくはその瞬間、自分に起きた変化に気付き服を脱ぎだした。
そして、僅かだが膨らんでいる胸とあるはずのものが無くなった股間を確認する。
「わ…やった、ぼく女の子になった…ホントに女の子になったんだ!!」
ぼくは嬉しくて、さっき感じた身体のだるさなんて吹き飛んでしまった。
そして、ぼくは声を確認してみる。
前と同じ、もしくはそれ以上に澄んだ綺麗なソプラノの音が出た。
呆然とその様子を見ていた女さんは、
「…えーと、貴女はぼく君…なの?」
その声を聞いて僕はすぐに
「うん、そうだよ。きっと…これはお母さんがぼくの願いをかなえてくれたんだね!」
と、満面の笑顔で答えた。
…それから女さんは苦笑しながらぼくに幾つか質問をした。
「…うん、確かにぼく君に間違いないわね。
とりあえず…そのままじゃ動物園には行けないから、色々と準備をしましょ」
439 :静宮 :2009/01/15(木) 00:39:51.92 ID:K.jz23k0
このときは気付かなかったけど、ぼくは身長が縮んでしまっていた。
中学生には見えないくらいに。
不安が無いと言ったら嘘だけど、ぼくには歌とお母さんがくれたこの声があるし、女さんも居る。
身支度を整えて、ぼくは女さんを引っ張って外へと出かけた。
まず最初に、この身体に似合う服を揃える為に――
3年前に、事故で死んでしまったのだ。
元々、お父さんも居なかったぼくは女さん―お母さんのマネージャー―の養子となり、合唱団を続けていた。
「何か、方法は無いのかなぁ…女の子になれれば、声が変わらずに居られるのかなぁ…」
436 :静宮 :2009/01/15(木) 00:37:18.77 ID:K.jz23k0
そんな風に悩んでいると、ノックが聞こえた。
「ぼく君、入るわよ?」
そう言って女さんが入ってきた。
「やっぱり、悩んでたかぁ…でも、こればかりは私でもどうにも出来ないから、受け入れるしかないわよ?
それに、声変わりしたとしても、ぼく君ならカウンターテノールで十分やっていけると思うわ。」
そう、女さんはぼくに目線を合わせて諭すように優しく語り掛ける。
「でも…お母さんはぼくのソプラノの歌声を褒めてくれた。
その声が変わっちゃったら、ぼくはお母さんに褒めて貰えなくなっちゃう。
それじゃ、ダメなんです!」
ぼくは真剣な顔でそう言った。
そうすると、女さんは困った顔をして、
「もし、お母さんが居たら絶対そんな事は言わないと思うけど…
でも、お母さんに甘えられず寂しがる気持ちは分からなくも無いわ。
どうしてあげれば良いのかしら…」
とどうしたら良いのか分からない様子だった。
437 :静宮 :2009/01/15(木) 00:38:20.32 ID:K.jz23k0
その後自宅に帰り、ご飯を食べお風呂に入って後は寝るだけになった時、
女さんが「明日、日曜日だし動物園にでも行こっか」とぼくに言った。
実の所、ぼくは動物―特に小動物―が好きだ。
何て言うか、見てて癒される所とか。
ぼくはその提案に賛成し、少しワクワクしながら眠りに付いた。
438 :静宮 :2009/01/15(木) 00:39:17.68 ID:K.jz23k0
『ピピピピピ……』
毎日聞いている目覚ましで起きる。
何だろう…身体がだるい。風邪をひいちゃったんだろうか?
今日は折角の動物園だって言うのに…。
そんな事を考えていると、女さんが起こしに来てくれた。
「あ、女さん。おはよ…」
そこで、僕は自分の声に違和感を感じた。
女さんも感じたらしい。
「ねえ、ぼく君。声が変だけど…大丈夫?熱は無い?」
ぼくはその瞬間、自分に起きた変化に気付き服を脱ぎだした。
そして、僅かだが膨らんでいる胸とあるはずのものが無くなった股間を確認する。
「わ…やった、ぼく女の子になった…ホントに女の子になったんだ!!」
ぼくは嬉しくて、さっき感じた身体のだるさなんて吹き飛んでしまった。
そして、ぼくは声を確認してみる。
前と同じ、もしくはそれ以上に澄んだ綺麗なソプラノの音が出た。
呆然とその様子を見ていた女さんは、
「…えーと、貴女はぼく君…なの?」
その声を聞いて僕はすぐに
「うん、そうだよ。きっと…これはお母さんがぼくの願いをかなえてくれたんだね!」
と、満面の笑顔で答えた。
…それから女さんは苦笑しながらぼくに幾つか質問をした。
「…うん、確かにぼく君に間違いないわね。
とりあえず…そのままじゃ動物園には行けないから、色々と準備をしましょ」
439 :静宮 :2009/01/15(木) 00:39:51.92 ID:K.jz23k0
このときは気付かなかったけど、ぼくは身長が縮んでしまっていた。
中学生には見えないくらいに。
不安が無いと言ったら嘘だけど、ぼくには歌とお母さんがくれたこの声があるし、女さんも居る。
身支度を整えて、ぼくは女さんを引っ張って外へと出かけた。
まず最初に、この身体に似合う服を揃える為に――