【東チベット‐幻の僧院都市を目指せ!!】
第7話)90元を取り返せ!!

《東チベット旅行記|成都|丹巴|甘孜|康定|アチェンガルゴンパ|》

東チベットの旅も終わり日本に帰らねばならなくなった。帰国便の飛行機は朝6時半と早く、僕は宿にタクシーの手配を頼んだ。

「90元(¥1530円)です」と言われ前払いで料金をフロントに支払う。レシートは無くても大丈夫だというので、タクシー側と話は通っているのだろう。

翌朝4時半、迎えに来たタクシーに乗り成都空港へ向かった。

 「何番ターミナル?」
 「2番ターミナルです」

などと会話を交わしている間に運転手がメーターを倒していることに気がついた。おかしいなとは思ったものの特に気にもせずそのままにしておいた。

空港に着き荷物を下ろしタクシーを離れようとした。すると、

 「※#△●▽§¶‡*▽▲!!」

えらい剣幕で運転手が怒り出した。そしてメーターから伝票を出力し、タクシー代51元に高速代5元を加えた合計56元(約¥950)を払えと迫ってくる。

「タクシー代90元はホテルに既に払っている。なぜ二重に払わなければならないのだ!!」と中国語で糾弾したかったのだが、生憎おいらの中国語はそこまでの実力がない。仕方なく英語で怒鳴ってみるものの、今度は相手が英語を全然理解せず、暖簾に腕押しだ。

ここで揉めてる間に飛行機が出発してしまっては元もこもない。泣く泣く56元を支払った。そして、せめて何かの証拠にとダッシュボードに提示された運転手の営業許可証だけはカメラに納めておいたのだが、、、、

東チベット旅行記|とりあえず運転手の営業許可証だけはカメラに納めておいた
とりあえず運転手の営業許可証だけはカメラに納めておいた

さて、この二重請求されてしまったタクシー代、どうやって取り返す?

僕がホテルに直接訴えるよりも何か効果的な方法はないだろうか?

そうだ! ホテルを予約した時に使ったオンライン旅行会社を利用しよう。

今回、某Tcomという予約サイトを通じてホテルを予約した。Tcomは中国最大のオンライン旅行サイトである。そこから問合せが入ればホテルとしても無視はできないはず。

事の経緯をまとめ、証拠に運転手の許可証とタクシー代レシートの画像を添付して、某Tcomのカスタマーセンターにメールした。

さて、結果やいかに?

翌日、返信メールが届いた。すると、あの運転手はあつかましくもホテル側にもタクシー代を請求しに来たという。

そしてホテル側は不手際を詫び、徴収した90元を僕に返金する用意があるという。が、日本への銀行送金は難しいので(銀行を通じて国際送金すると手数料がべらぼうに高い)、WE-CHATで返金できないか聞いてきた。

 WE-CHAT

これは、日本ではLINEにあたる中国最大級のSNSだ。そのペイメント機能を使って個人間で送金ができる。

ちなみに中国ではWE-CHATを初めとする携帯バーコード払いが普及している。東チッベットの果てから成都の屋台まで、至るところで支払用のQRコードが掲げられているのを見かけた。

東チベット旅行記|屋台でもQRコードで支払える
中国は屋台でもQRコードで支払える

これを機会においらもWE-CHATを始めてみようと思ってアプリをダウンロード、そして個人情報を登録してゆくと、銀行口座情報を入力する画面が現れた。

 なにいぃぃぃぃぃ!!!!

中国の銀行口座を登録しろだとぉぉぉ、あるか、そんな口座!!

結局WE-CHATにはユーザー登録できなかった。一体どうやって返金してもらえば良いのだ。

そうだ! ホテル→某Tcom→Tcomに登録した自分のクレジットカード、と返金してもらおう!!

またまた某Tcomにメールしてみたところ「宿泊に関しては問題がなかったので返金は受けられない」と、実にまともな答えが返ってきた。

嗚呼 90元は泣き寝入りか、ええい、こんなメール削除してしまえ!!

そう思った瞬間、メールに続きがあることを発見した。そしてそこには

「今回はホテルの二重請求に関して、大変不愉快な思いをさせてしまい …(中略)… 90元に相当するポイントをご贈呈させていただきたく存じます」

マ、マジか!! 思わぬ形で90元相当が戻ってくることになった。

人民国資本の企業のサービスについては全く期待していなかっただけに、この某Tcomの神対応には本当に驚いた。
あとは、WE-CHATにユーザー登録できれば、ホテルからの二重返金も期待できるな、と神聖なチベットの高地から下界に降りたとたん、ゲスな考えに思いを巡らすオイラであった。

(劇終)


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最終更新:2019年06月16日 21:39