【東チベット‐幻の僧院都市を目指せ!!】
第6話)蔵饗ツァンサン(チベット料理)と兎頭トゥートウ(ウサギの頭)

《東チベット旅行記|成都|丹巴|甘孜|康定|アチェンガルゴンパ|》

結局アチェンガルゴンパに行くことができず山を降りることになった。成都(チョントゥ)までの直通バスはあまりにも長時間のため、戻りは途中の康定(カンティン)という街まで戻ることにした。それでも甘孜(カンヅ)を朝6時半に出て到着したのは午後3時半だから約9時間のバス旅である。

東チベット旅行記|康定(カンティン)の街並み
康定(カンティン)の街並み

康定(カンティン)は東チベットの入口にあたる山合の街で、松茸が安く手に入ることでも有名なのだという。

どこかに松茸を食べさせる手頃な店はないかと宿のスタッフに尋ねてみると、生の松茸は一か月後からがシーズンで今は乾燥モノだけだと言われ、興味が失せてしまった。

康定(カンティン)の街中を歩いてみると「蔵饗(ツァンサン)」と書かれたお店を幾つか見かけた。蔵とはチベットを意味する。蔵饗とはチベットレストランのことだ。

ここで奇妙なことに気がついた。

昨日までいた甘孜(カンヅ)の方が、文化的にも民族構成的にもよりチベット度は高いのに、チベット料理店を見かけなかった。むろん中華料理店は無数に見かけたのだが・・・・

東チベット旅行記|康定(カンティン)のチベットレストラン
康定(カンティン)のチベットレストラン

東チべットにまで来てチベット料理を一度も食べずに帰るというのもおかしな話なので、ありがたく頂いた。「牛肉蓋飯」なるものを注文してみたら、塩味が素朴なリゾット風料理が出てきた。厳しい自然のなかで育まれた食文化ならではのシンプルな一品であった。

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翌朝、康定(カンティン)を離れ成都(チョントゥ)に戻る。成都(チョントゥ)では是非食べてみたい物があった。

老媽兎頭(ラオマートゥートウ)と呼ばれるウサギの頭である。

普通の中国人はウサギを見ると可愛いと思うが、四川人は美味しいと感じるらしい。そのくらいウサギは四川ではポピュラーな食べ物で、老媽兎頭(ラオマートゥートウ)はカテゴリーとしては小吃(シャオチー)、すなわちスナックに分類され、基本はテイクアウト用として成都(チョントゥ)では至るところその辺で売られているのだという。

これは是非挑戦せねばと思うのだが、「その辺で売られている」と言っても「その辺」ってどの辺だ?

初めて訪れる土地で「その辺」とアバウトに言われても困る。それにテイクアウトが基本だと、座って食べられるところを探さなければならない。

どうしたものかと思いつつ、とりあえず寛窄巷子(クワンチャイ シャンヅ)に行ってみた。中国の都市にはたいてい老街(ラオジエ)と呼ばれる古い町並みを観光用にリノベーションしたエリアがあり、成都の老街がここ寛窄巷子(クワンチャイ シャンヅ)である。

「そこら辺」にあるものがここにないわけがない。

そして読みは見事に当たった。

「老媽兎頭」のサインを掲げたお店を発見。そしてショーケースに並んだウサギの頭を見た感想は、

  ウサギって顔小さっ!!

東チベット旅行記|老媽兎頭(ラオマートゥートウ) - ウサギの頭
老媽兎頭(ラオマートゥートウ) - ウサギの頭!!
東チベット旅行記|老媽兎頭(ラオマートゥートウ) - ウサギの頭

ズラリと積み重なったウサギの頭は、革が剥がされ、モフモフの毛が無い状態で調理されているため、予想以上に小さく感じた。

それにしても、ズラリと積み重なったウサギの頭の壮観なことよ!!

値段は一個10元(約\170)。早速買ってどこかで食べよう。

おばちゃんに「これが欲しいのだが、どこか座って食べられる所はないのか?」という意図を伝えたかった。だがオイラのでたらめな中国語では全く通じない。

幾つか老媽兎頭(ラオマートゥートウ)のお店をフラついていたら「小吃城」なるコーナーを発見した。フードコートだ。ここにはテーブルと椅子がある。よし、では「老媽兎頭」を買ってきてここに持って来よう。

さて、ウサギの頭を食べる要領。それはブリカマを食べるのと一緒だ。あるいはカニを食べるのと同じといっても良い。

注文するとビニールの手袋が付いてくる。それを使って手づかみで頭の骨のパーツをカチ割るように外していく。そして外した骨に付着した肉をすするように食べる。柔らかい肉に痺れる辛さの麻辣味が絡んでうまい!!

東チベット旅行記|老媽兎頭(ラオマートゥートウ) - ウサギの頭
ウサギの頭を頂く

顎の辺りを分解すると、小さな舌が出てきた。牛タンならぬ "うさタン" は、コリッとした食感がオツである。

外した骨の裏についた肉をすすった後は、頭蓋骨の中に詰まった小さな脳味噌をいただくが、これもまた淡白な味わいでなかなか美味である。

小さな中にいろんな食感が詰まっいるのがウサギの頭だ。同時に腿も頼んだのだが、頭と比べると味が一本調子である。

 頭10元、腿15元

食べ終わったときにはビニール手袋をしていたにもかかわらず、指先はオレンジ色の麻辣油がべッタリとついていた。

それほど夢中になって喰っていたということだが、なんだかヤバイ。これからウサギを見ると、可愛いと思わず、「美味しそう」と言ってしまいそうだ。




(続く)


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最終更新:2019年06月06日 23:44