【泰緬鉄道の跡を追う? = タイ・ミャンマー陸路ノービザ国境越えの旅】
第1話)戦場からリゾートに

《タイ・ミャンマー旅行記|カンチャナブリー|ダウェイ|モウラミャイン|ノアラボーパヤー》

ミャンマーがノービザで入国できる。そんな情報を耳にして調べてみると、1年間だけの試験措置として日本人・韓国人限定で運用が始まった。

このノービザ入国、空路のみならず陸路でもかまわない。

その昔ミャンマーの陸路入国は国境沿いの街のみ滞在が許されたが、今は国内を横断し例えばヤンゴンまで行くこともできるという。これはもうミャンマー政府の気が変わらないうちに行くしかないでしょう。

あわてて年末の休暇調整と航空券の手配を済ませ、先ずはバンコクへと飛び立った。

飛行機は深夜に到着。このまま朝まで空港のベンチで仮眠し、朝一番のエアポートトレインで市内に向かった。

タイ・ミャンマー旅行記|エアポートトレイン
エアポートトレイン

今回の旅の目的は第二次世界大戦中にタイとミャンマーを結んでいた泰緬鉄道の跡を辿る事だ。今はタイ国鉄の一支線である泰緬鉄道は、タイ領ナムトックで行き止まりとなっている。

ナムトック線の出発地の街がカンチャナブリーである。そこからナムトック行き列車に乗ることが本日のタスクだ。

実はバンコクからカンチャナブリー経由でナムトックまで直行する各駅停車が存在する。しかしこれに乗ると硬い木製シートに延々何時間も揺られるハメになる。

軟弱なオイラは、先ずカンチャナブリーまで快適な高速バスで先回りし、バンコクから来るこの列車にカンチャナブリーから途中乗車することにした。

おびただしい数の連合軍捕虜や現地労働者の犠牲の上に建設された泰緬鉄道であるが、大半の観光客はオイラと同じように楽をしたいと考えており、ここカンチャナブリーから列車に乗るのがメジャーだ。そのため、バンコクから来た列車はカンチャナブリーで大幅に車両が増結された。

タイ・ミャンマー旅行記|カンチャナブリー駅で増結される車両
カンチャナブリー駅で増結される車両

カンチャナブリーから先のクウェー川沿い一帯が映画「戦場に掛ける橋」の舞台であり、風光明媚なことで知られている。川沿いに北上した列車はやがて最大の名所、タムクラセー駅手前の木橋を渡る。オイラはここで途中下車し、折り返しの列車を待つことにした。その間に名所の木橋を見物をする。

 オイオイ! 終点まで行かないのか? それでは泰緬鉄道の跡を追ったことにはならないだろう!!

そうである。だが引き返えせねばならぬ相応の理由があった。

ナムトックから先のタイ・ミャンマー国境はまだ閉ざされままだったのだ!! つまり泰緬鉄道オリジナルのルートは辿れないのだ。

だが最近カンチャナブリー南方に新しい国境が開通した。こちらを経由するため、カンチャナブリーに戻らねばならない。

タムクラセーの木橋付近は最大の難工事区間であったというが、現在はすっかり観光地化されており、大勢のツーリストが徒歩で木橋の上のハイキングを楽しんでいる。そして線路を挟んだ対岸は観光開発が進んでおり、リゾートホテルまである始末だ。

タイ・ミャンマー旅行記|タムクラセー木橋付近
タムクラセー木橋付近
タイ・ミャンマー旅行記|タムクラセー木橋付近

小一時間程で折り返しの列車がやって来た。カンチャナブリーに戻ると博物館に寄って見た。

そこには橋や鉄道の建設に関わるあらゆる資料が展示されていた。中でも印象的だったのは痩せ衰えて骨と皮だらけになった連合軍捕虜の写真だ。この状態で労働適格者とされていたという。

タイ・ミャンマー旅行記|死の鉄道博物館-カンチャナブリー
死の鉄道博物館-カンチャナブリー

おびただしい犠牲者を出した歴史が、現在世界中から観光客を集め続け、その結果この地がツーリストマネーで潤っている。そんなことを考えると、何だか複雑な心境にあるのであった。

(続く)


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最終更新:2019年02月25日 23:23