【タナトラジャ犠牲祭+αの旅】
第8話)電車式バス・トランスジョグジャ

《インドネシア旅行記|タナトラジャ|ランテパオ|マカッサル|ジョグジャカルタ》

スラウェシ島を後にして、ジャワ島の古都ジョグジャカルタに飛んだ。

ジョグジャカルタにはトランスジョグジャと呼ばれる電車式のバス交通システムが整っていた。バスは決まった停留所のプラットフォームでしか人を乗り降りさせない。そのフォームには電車の駅のように改札があり、駅員ならぬバス停員が配属されている。

インドネシア旅行記|トランスジョグジャ
電車式バス・トランスジョグジャ

確かにこの方法であれば、地下鉄を作るのに比べたら、線路を敷く必要もトンネルを掘る必要もなく、格段に安く交通システムが出来あがる。

空港から街中までもこのトランスジョグジャで移動でき、しかも値段がたったの3500ルピア(約¥28)というのだからありがたい。

さてこのトランスジョグジャ、利用するには日本で言うスイカのようなICカードが必要とされている。現地に2日しか滞在しない旅行者にとって、利用範囲の狭いICカードにお金をチャージし過ぎると、未利用分が使えなくなって非常にもったいないことになる。

さて、どうしたものかと思いつつ改札口に行くと、ICカードを使っている市民は誰一人いない。みな改札で現金を払い、職員が手持ちのICカードを当ててゲートを開けているのだ。

これにはICカードの導入でがっぽり儲けようと目論んでいたICチップの製造会社はがっかりだろう。

ただ短期旅行者にとっては、都度現金で払えば済むので、無駄がなくてありがたい。

それにしても、本来業務の効率化や合理化のために導入しているはずのICカードだが、このトランスジョグジャを見ていると全く逆のことが行われているように思える。

インドネシア旅行記|トランスジョグジャ
トランスジョグジャの車掌はバティック柄のユニフォームを着用

そもそもひとつのバス停に3~4人も職員はいらないだろう。そしてバスの中には必ず車掌がいる。この車掌は集金をする必要がない。お金は全て改札で払い済みだ。なのでバス停の名前を告げるためだけに車掌が乗っていることになる。そんなの録音テープで十分だよな。

何か無理やり雇用の場を捻出している気がしてならないのだが、車掌もバス停係員も愛想がよく、行き先や乗り換え地点を丁寧に教えてくれる。

ま、結果として旅行者には親切なシステムに仕上がっているので、良しとしよう。

今世界中で自動運転の車の開発競争が激しさを増している。もしそれが完成し自動運転のバスがインドネシアで導入されても、ちゃんと自動運転してるかどうかを見張る係員がきっと配備されるに違いない。

(続く)


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最終更新:2018年09月04日 00:32