【タナトラジャ犠牲祭+αの旅】
第9話)ローカルバスで出会う人々
《インドネシア旅行記|タナトラジャ|ランテパオ|マカッサル|ジョグジャカルタ》
ジョグジャカルタ郊外にはプランバナン寺院やボロブドゥール遺跡と言った世界遺産があり、世界中から観光客が押し寄せる。
ジョグジャカルタの街に近いプランバナン寺院は、空港行きのトランスジョグジャの終点が寺院入口なので、初日にサクッと訪れた。
そして翌日はローカルバスでボロブドゥール遺跡に向かった。
遺跡行きのバスが発着するバスターミナルまでは冷房の効いたトランスジョグジャで行けるのだが、そこからのバスを見てのけぞった。
あわわ、ノンエアコンバスだ!!
東南アジアで冷房のないバスがあっても驚くには値しないのだが、インドネシア有数の観光地へのバスが冷房なしとは想定外であった。まぁ、大抵の観光客はツアーバスで遺跡にやって来る。主に地元住民が利用するローカルバスが、おんぼろのノンエアコンなのも仕方がない。
バスに乗り込んで出発を待つ。するとここは東南アジア。いろんな人たちが乗り込んでくる。
弁当売りやら、スナック売りやら。
まあここまではタイなどでもお馴染みの光景で、想定の範囲内であった。だが、次にやって来たのは、
「ヤクルトいかがですか?」
なんと、ヤクルトおばちゃんがバスターミナルで乗客を待ち伏せて狙い撃ち。
日本にも数多くのヤクルトレディがいるが、路線バスの中に乗り込んで商売を始めるという事はありえない。なんという斬新な販売チャネルの開拓!! これにはスワローズのゆるキャラ「つば九郎」もびっくりだ。
バスが走りだすと途中からからマンドリンを抱えた女性が乗り込んできた。そして楽器を弾きながら見事にインドネシアの歌を披露する。一通りの演奏が終わると、乗客はおひねりを渡していく。無論流れでオイラも幾らかを出さざるを得ない。一通りこのバスのお客からもらうものをもらうと女性はバス降りていった。
ストリートライブと言うのは世界各国で見かけるものだが、ストリートを走るバス内ライブというものは初めて見た。
この国を生きる人々の生命力の逞しさを見た気がした。
最終更新:2018年09月04日 00:34