【モザンビークで観光旅行?!】
第1話)人はモザンビークで観光できるのか?

《モザンビーク旅行記|マプート|カテンベ|イニャンバネ|トーフ》

数年前、東京の日比谷公園でアフリカンフェスタなるイベントが行われた。アフリカ諸国の大使館などがブースを出展、自国の産物やら観光地をアピールするお祭りであるが、僕はこういう催しの度にマイナー国のパンフレットをかき集めるのが大好きだ。書店のガイドブックには載っていない未知なる国々の情報がいっぱいで、想像力を刺激してとても楽しい。

モザンビーク地図
モザンビークの地図

そんな、集めたパンフレットの中に妙に気になるフレーズがあった。

『観光でモザンビークに行く?! - 数年前だったらモザンビークに観光旅行で行くなどということは考えられませんでした。よほどの冒険家でない限り。しかし内戦の終結と多数政党制の制定にともない、モザンビークは国連が調停している国々のなかでもっとも成功を収めた模範国として生まれ変わり.....』

A4のコピー用紙にプリントしただけの簡素なモザンビーク大使館の白黒パンフレットの書き出しである。当時の僕には、モザンビークなんて内戦が終わったばかりで一般人は絶対行けないところ、といった漠然としたイメージしかなかっただけに、観光旅行ができるとは意外な驚きであった。

そうこうするうちに洋書のガイドブック・ロンリープラネットがモザンビーク篇を発売したことを知った。ロンプラが発行されているということはそれだけ旅行者がいるという証だ。

ふとしたきっかけで気になりだしたこの国は、いつしか僕の心なかでいつか行ってみたい国のひとつに変わっていった。旧ポルトガル領というのもなんとなく哀愁を誘うではないか。

とはいえ、日本からはるか遠い馴染みのない国。訪れるにはなかなか踏ん切りがつかないでいたが、2007年の夏とうとう思い切って行ってみることにした。とりあえず航空券とビザを手配し退路を断つ。そうでもしないと一生ぐずぐずして行かなくなりそうだったから。。。

最近はネットでかなり辺鄙な国の情報も簡単に入手できる時代だ。モザンビークの観光情報ぐらいサクっと手に入るだろうと検索してみると、この国に関してヒットする日本語情報は政府関係や援助関係の仕事に携わる人のものがほとんど。

しかも読めば読むほど行く気を失わせてくれる。外務省HP曰く、「首都マプートでは、銃器を使用した強盗、空き巣、車両強盗(カージャック)が夜間だけでなく日中発生し、警察官をも攻撃するなど手口が大胆になっており、十分な注意が必要です。」などとのたまっている始末。

ほんとにこんなところに行くのか、俺。やっぱ航空券キャンンセルしようかなぁ、などと弱気になったりしているうちに出発の一週間前になってしまった。

(続く)


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最終更新:2016年08月24日 09:22