【チップと値切りのエチオピア旅行】
第10話)国際空港に荷物預かりがない理由

《エチオピア旅行記|アジスアベバ|バハルダール|タナ湖|ラリベラ》

ラリベラから国内線でアジスアベバの空港に戻ったのは昼前だった。この日の深夜の国際便でエチオピアともお別れ。残された時間はあと半日しかない。もちろんこの乗り継ぎ時間だってムダに過ごす気はない。アジスの街をできるだけ見てまわるつもりだ。

エチオピア旅行記|エチオピアの国内線
エチオピアの国内線

だが、そのためには荷物を預けておかねばならないが、初日の入国の際に確認した限り、この国際空港に荷物預かりなどはないようだった。最悪安宿を借り、荷物だけ置いておくことも考慮して、500ブル(約2,350円)を引き出しておく。

そして念のためチェックインカウンターの係りに聞いてみた。

  「この空港に荷物預かりはありませんか?」
  「ございません。」

新築されたばかりのアジスアベバ空港は、この中にいると先進国にいるような錯覚が起こってくる。するとやはり荷物預かりぐらいありそうに思えてならない。

  「どうして荷物預かりがないのですか?」
  「セキュリティ上の理由です」

セっ、セキュリティ上の理由だと? 何を言う。エチオピアの空港検査システムはやたらと厳しいではないか。建物に入る前と搭乗前と二回、しかも靴を脱がせ、ベルトを外させてのチェックだぞ。

ムダな宿代などでぎれは出費したない。何か手立てはないものだろうか? 僕は空港出口に向かって歩きながら、策を考えていた。すると観光案内所のブースが見えたので「なんとかならないか」と聞いてみる。

「じゃ、ここで預かりますよ。夜9時に戻ってくるのですね。このブースは3時にクローズしますが、戻ってきたときにまた開けます。」

おお、何と融通の利くことよ!!

  「そのかわり、おチップ、お願いしますよ。」

なんだ、そういうことか!!

アジスアベバ国際空港には荷物預かりがない理由-それは観光案内所職員のサイドビジネス既得権保護(?)が原因だった!?

(続く)


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最終更新:2016年08月24日 10:08