【カイザースラウテルンの悪夢-悲劇のドイツ旅行】
第2話)SOS、ヤミ業者と連絡が付かない!!

《ドイツ旅行記|フランクフルト|マンハイム|カイザースラウテルン》

翌日、僕らより先に現地入りしてたOさんとマンハイムで落ち会う。彼は筋金入りのW杯観戦狂で、日本戦がすべて見られるTSTチケット(特定チームの試合を追っていくチケット)を現地ヤミ業者を通じて約30万円も払って予約している。全くツワモノである。その財力と一ヶ月近い休暇の得られる境遇は正直妬ましい。

ドイツ|マンハイム|フリードリッヒ広場の給水塔|W杯観戦
マンハイムのシンボル、フリードリッヒ広場の給水塔

しかし、世の中そう甘くはないものだ。

 「現地業者と連絡がつかない。どうしよう。」

出発前、彼はこう青ざめていたのだ。そこで、僕らの余ったチケット(僕らは4枚セットで当選していたので2枚も余分があった。)を彼に定価で譲ることにした。

 「とりあえず初戦は何とかなりました。でも残りの試合はどうしよう…」

と、Oさんは不安をかかえたままドイツ入りしていた。

W杯の度に巻き起こるヤミ業者問題はいつまで経ってもなくなりそうにない。しかし、そもそも資力に余裕のない僕は闇チケットなど手が出せないから、一生ヤミ業者問題とは無縁でいられる。低カースト層の特権である。

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さて、日本戦前日のマンハイム市内であるが、何もここには日本とオーストラリアのサポーターばかりが集結しているわけではない。

各国からの出稼ぎが多いせいか、様々な国のサポーターが闊歩し、ミニサッカーの特設コートか設置されたり、と街中を歩いているだけでウキウキしてくる。

W杯モード満開のマンハイム市内
W杯モード満開のマンハイム市内
W杯モード満開のマンハイム市内

レストランやカフェでは大型スクリーンで全試合を放送している。僕とNさんもカフェや公民館で各国サボーターに混じって、セルビアvsオランダ(1500~)、メキシコvsイラン(1800~)、アンゴラvsポルトガル(2100~)と3試合もテレビ観戦を堪能してしまった。中継とはいえ、時差なしで見られるW杯は最高だ!! (ただし、ドイツ語のドの字の「”」すら知らない僕らにとって、現地の実況は ? ? ? の連続であったが…)

ともかくヤミ業者に法外な料金を払わなくても、いや、例え試合チケットを持っていなくとも、開催地にいるだけで楽しい。それがW杯現地観戦の醍醐味だ。

(因みにOさん、その後業者とコンタクトが取れ、何とか残り試合を観戦できたそうです。)


(続く)


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最終更新:2016年08月24日 08:30