【非常事★タイの、泰国東海岸】
第5話)スパトラーランドはパラダイス?

《タイ旅行記|パタヤー|チャンタブリー|ラヨーン|スワンナプーム》

翌日はチャンタブリーからラヨーンにエアコンバスで移動した。この移動はバス・ターミナルからバス・ターミナルなので楽勝だ。

さて、タイ政府観光局のウエブサイトによると、ここラヨーン郊外に「スパトラーランド」なるフルーツ食べ放題の農園公園があるという。5~6月はタイ・フルーツの最盛期だから時期的には申し分ない。

ぜひ訪れたいと思ったのだが、既存のガイドブックには載ってない施設なので、ネット検索してみると、タイ在住者の訪問記やサイトが幾つかヒットした。が、いずれもタイ人の友人に車で連れて行ってもらったとか、パタヤからツアーで1200バーツ(3,600円)も払って行くとかで、ラヨーンの街から公共交通機関を使ってどうやって行けばいいのかが分からない。

一応スパトラーランドにも 公式サイト があるが、全文タイ語なので、オイラの乏しいタイ語力では歯が立たない。

しかし、ITの進化は恐ろしい。あの某Gーグルの翻訳サービスに昨年からタイ語が加わった。そこで公式サイトを自動翻訳させてみると、完璧には程遠いもののそれなりの手がかりは見えてくる。それによると、ラヨーンからは「プルワックデーン」行きのローカルバスに乗って30分で着くそうだ。

プルワックデーン行きのローカルバス
ปลวกแดง(プルワックデーン)行きのローカルバス

実際「プルワックデーン」行きバスは、ターミナルで簡単に見つかった。料金はたったの23バーツ(69円)だが、予想どおりノンエアコン。ともかく車掌に「スパトラーランドに着いたら教えて」と念を押し、乗り込んだ。

バスは10分も走ると長閑な田園地帯に突入し、農村地帯を突き進み、程なく広い農地の真ん中で停まった。

 「スパトラーランドだよ」

と車掌が告げる。ホントにここが観光施設なのだろうか? と一瞬不安になるが、道路の一角にสุภัทรา แลนด์(スパトラーランド)とタイ文字看板が掲げてあったのでホッとした。公園の駐車場にはミニバンや自家用車がいっぱい停まり、タイ人となぜかロシア人の観光客がうじゃうじゃいた。でも、ローカルバスでここにやって来た勇気ある観光客は僕ただ一人だった。

スパトラーランドの看板 ドリアンのモニュメント
สุภัทราแลนด์(スパトラーランド)の看板と、ドリアンのモニュメント

300バーツ(900円)の入園料を払うと、いきなりウエルカムドリンクのココナッツジュースがサービスされた。ノンエアコンバスで揺られた身にはたまらない美味しさ!

農園はだだっ広い。なのでカートのようなバスに乗って回る。カートに乗って数分、最初のスポット・ランブータン果樹園に到着だ。おやっ、あの変な棒は何だろう。観光客がわらわらとその棒を手にするゾ。その2m程の長さの棒の先にはフックが付いており、もう一方の先端はハサミになっている。フックを引っ張ると2m先のハサミが動くという仕掛けだ。つまり、自分でこれを使ってフルーツを収穫しろ、ということである。

カートに乗って農園を回る 農民となってフルーツを収穫する
カートに乗って農園を回り、農民となってフルーツを収穫する

観光客は一斉ににわか農民に早変わりし、思い思いにランブータンの収穫にいそしむ。むろん刈り取ったフルーツはその場でいただける。日本で買えば冷凍物でも1個200円はくだらないランブータンが食べ放題なのだから、こりゃもうもうたまらない。ムシャムシャ。

でもランブータンだけで満足してなどいられない。次のスポットに到着すると、そこにはあらゆるフルーツが屋台に並べられ、オバちゃんたちが食べやすくカットしてくれていた。マンゴー、パパイヤ、スターフルーツ、ライチー、パイナップル、ドラゴンフルーツ、etc. etc.

食べ放題と聞いてたので昼飯を抜いてきた甲斐があったというものだ。スパトラーランド最高!もう、このまま死んでもいいぞ! 

 いや待て。未だ死んではいけない。果物の王様・ドリアンを食べていないだろ。

 でも、さすがに高価なドリアンは食べ放題ではないのか?

すると、少し離れた屋台からむっちりとした微かな発酵臭が漂ってきた。おお、ドリアンだぁ。ここスパトラーランドではドリアンだって食べ放題なのだ。兄ちゃんが次々とナタでドリアンの硬い殻をぶち割り、中のむちむちの果肉を取り出してくれている。

南国フルーツ食べ放題
南国フルーツ食べ放題コーナー、もちろんドリアンも
南国フルーツ食べ放題 ドリアンだって食べ放題

さて、このドリアンであるが、実は熟れ具合によって食感が多いに異なることを、ここでいろいろ食べ比べて初めて実感した。熟し具合が不十分だと果肉の中に繊維質が残ってイマイチであるが、十分熟したものに当たるとこれはもう最高! チーズのようなクリーミーな食感が口いっぱいに広がる。

東南アジアでドリアンを食べたことは何回かあるが、こんなにクリーミーなドリアンに遭遇したのは初めてだ。スパトラーランドでも全部が全部「当たり」ではないが、食べ放題だからかなりの確率でその極上品に出会える。もうこれで入園料300バーツ(900円)は安いと言わざるを得ない。

フルーツ食べ放題コーナーを後にして、次のスポットに向かう。カートの運転手はなにやらジョークを飛ばし乗客を笑わせているが、生憎僕のタイ語力では何を言ってるのか分からず残念。だが、乗客がしきりに「กิน ได้ไหม่(キーン ダイマイ)(食べられるの?)」と質問しているのは分かる。次のスポットでは何があるのだろうと、またもや期待が膨らむ。

そして停まったのはブドウ畑の中に設けられた食堂だった。そこで提供されたのはソムタム(青パパイヤのサラダ)の無料サービス!!  むろん作り置きでなく、その場で突いて作る本物である。細長く切った未熟なパパイヤのシャキシャキ感に、ライムの酸味とブラウンシュガーの甘味。そこにナマ唐辛子の辛味とピーナッツの香ばしさが加わりとても美味しい。これでカオニャオ(モチ米)があれば最高なのだけど、さすがにフルーツ農園に米はなかったが、まあいいだろう。口直しに取れたてのブドウをいただく。ああ満足満足。

ソムタムのサービス1
おいしいソムタムのサービス
ソムタムのサービス1 ソムタムのサービス2

カートに乗って農園入り口に戻る。さあこれでアトラクションは終わり、と思ったら未だであった。最後は蜂蜜のテイスティングだ。辺りにはミツバチの巣箱がいっぱい。そこから蜜のついたネットを取り出し、遠心分離機を回し、取れたてのハチミツを試食させてくれる。いやーホントに最後まで盛りだくさんでご馳走様ですぅ!

ハチミツを試食1 ハチミツを試食2
最後はハチミツの試食

と、いいこと尽くめのスパトラーランドであったが、他の客はワゴン車や自家用車で颯爽と帰って行くのに対し、僕は帰りの路線バスを待たねばならない。いつ来るやも知れぬバスを逃してはならじと道路を見つめる。ラヨーン行きの特急バスは幾らでも通過するのに、ローカルバスはなかなか来ない。痺れを切らして特急バスに手を上げて停めてみようと試みるけど、当然のごとく無視される。

路線バスをじっと待つ
トホホな気分で路線バスをひたすら待つ

結局40分ほどたって、やっと彼方からローカルバスの姿が確認できた。この瞬間、あのオンボロバスが飛行機のファーストクラスのように輝いて見えてしまったよ~ん。

(続く)

スパトラーランド / 住所 / 電話 / MAP
สุภัทราแลนด์ / 70 หมู่ 10 ตำบลหนองละลอก อำเภอบ้านค่าย จังหวัดระยอง
Suphattra Land / 70 Moo 10, Tambon Nong Lalok, Amper Ban Khai, Rayong, TEL.038-892-048


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最終更新:2016年08月26日 21:06