【アミーゴの国を行く・メヒコ旅行記】
第4話)ボニータちゃん発見

《メキシコ旅行記|グアナファト・ケレタロ・モレーリア》

グアナファトで二日過ごした後、バスでケレタロとかいう街に移動することにした。メキシコはバスのネットワークが充実している。ターミナルでチケットを購入すると、チケット所有者だけが入場を許されるラウンジに入れる。カフェでテイクアウトのコーヒーとスナックを買い込みラウンジのゲートをくぐる。あれれラウンジの中は禁煙なのかしら?白地に赤く×印のステッカーが貼ってあったので近づいてみると、×印がついているのはタバコの絵でなく、ピストルだった。タバコ並みにピストル持ってる者がいるってことか(汗!)。

ピストル禁止の標識-メキシコ
ピストル持ち込み禁止!

さて、バスの出発までコーヒーを楽しもうか。おや、そこにあるのはセルフサービスの無料コーヒーサーバーではないか。そういうサービスがあるなら初めから言ってくれよ。

バスに乗ると、これまた無料のソフトドリンクとスナックが配られるは、バスのシートは飛行機のビジネスクラス以上だわと想像以上に快適である。これでケレタロまでの料金が100ペソ程度(1000円くらい)だからコストパフォーマンスは最高だ。

3時間程でバスはケレタロに着いた。ここも旧市街が世界遺産になっている街だが、グアナファトに比べたらだいぶ平地だし、街の規模も大きい。僕はガイドブックが一押しのホテル・イダルゴに宿を取った。植民地時代の古い建物を改装したコロニアルホテルがたったの300ペソで泊まれるのだからガイドブックの推薦も納得である。見事な中庭でくつろいでいると時がたつのを忘れてしまう。

ホテル・イダルゴ-ケレタロ/メキシコ
コロニアルなホテル・イダルゴ

一息ついたところで街めぐりとするか。僕は街の中央広場に向かった。荘厳なカテドラルを従えた公園は手入れが行き届いて気持ちがよい。おや、クラシックな市電が止まっているぞ。いや市電ではない、電車型の市内観光バスだ。ツーリスト・インフォメーションで確認すると街の北側を巡るコースと南側を巡るコースがあって、それぞれ70ペソ(約700円)だという。次は30分後に出発だというのでチケットを買い込んでおいた。

30分後にカテドラル前に戻って観光市電バスに乗り込んだら、さっきのツーリスト・インフォのおばちゃんがやってきた。なにやらもう30ペソ払えという。スペイン語でまくし立てられても事の詳細は把握のしようがないのだが、どうやらこのバスは北側と南側両方を回るコースらしい。だから料金が高いらしいがまあいいだろう。

車内には続々と観光客が乗り込んできたが、今は老人のバカンスシーズンなのだろうか? 相変わらず美女の同行者はいない。いったいメヒコのボニータちゃんはどこに隠れてしまったのだろう(泣)。

この観光バスはガイド付きであった。陽気なラテン兄ちゃんが「さあでは皆さん出発ですよ~」と陽気に掛け声をかけ、バスが走り出したその瞬間である。通りの反対側からバスに向かって走ってくる女の子が一人。おお、これはなかなかの美女。ボニータちゃんではないか!

ボニータちゃんはバスに駆け上がるや、なにやらガイドの兄ちゃんと一言二言交わす。するとガイドの兄ちゃんはバスを降りてしまった。一体何事? と思ったらボニータちゃんがマイクを持って「さあ皆さんお待たせしました~」とやり始めた。なんだ彼女がこのバスの本当のガイドだったんじゃん。さてはちょこっと遅刻したな。しかしボニータちゃんと南北2コース分も一緒なんてラッキー!30ペソ追加料金払っても全然ハッピーだ。

市電型観光バスとガイドのボニータちゃん-ケレタロ/メキシコ
ガイドのボニータちゃん発見!

 「さーて皆さんはどちらから来られたのですかぁ」

と美人ガイドちゃんは観光客にマイクを向ける。

 「シダージ(メキシコシティ)」
 「エスパニョール(スペイン)」
 「アルヘンチノ(アルゼンチン)」

おいおい何だよ、観光客の海外組はみなスペイン語圏ではないか。あっ、まずい僕のところにマイクが回ってくる。やばい日本ってスペイン語でなんと言うのだっけ?

 「じゃぽ、はぽ、ハポン!」

ぎりぎり差し出されたマイクに間に合った。すると「Oh、ハポン!」と彼女は驚いた表情を見せた。おやおや、つかみはバッチグッ!かしら。

観光バスは街の南側を回っていった。ボニータちゃんは名所の解説を続けているが僕は全然聞いちゃいない。というかスペイン語じゃわからへん。でも彼女に見とれつつなんとかお近づきになれないものかと頭のなかで作文を試みるのだが、この3日でマスターしたスペイン語といえば「これ幾ら?」だけである。まさか彼女に向かって「あなた幾ら?」などと言おうものならぶん殴られてしまう。

そうこうしているうちにバスは街の南コースを巡回し終えてもとのカテドラル前に戻ってきた。コースが半分終わってしまった。北側を回っている間に何か気の利いた言葉を見つけなければ、などと思っていたら、、、なんとボニータちゃんはバスを降りて最初に乗っていたラテン兄ちゃんガイドと交代してしまった。

すぐさまバスは動き出し、名前を聞くまもなくボニータちゃんはみるみる小さくなっていった(泣)。

 追加料金30ペソ、返せ~!

名所の水道橋-ケレタロ/メキシコ
ケレタロ名所の水道橋

(続く)


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最終更新:2016年08月27日 16:53