【ウエストコーストの旅(カンボジアのだけど...)】
第4話)海路でゴー、コンポンソムへ

《カンボジア旅行記|ココン|コンポンソム|シアヌークヴィル|プノンペン》

翌朝、ココンからカンボジア最大の港町コンポンソム(シアヌークヴィル)へタイ湾を高速ボートで向かう。乗客はカンボジア人とツーリストが半々くらいだ。波止場で一服していると一人の年輩西洋人が僕に話しかけてきた。

コンポンソム行きの高速艇
コンポンム行きの高速艇

 「お前は日本人か。日本かぁ。随分前に行ったことがある」

 「いつごろ行かれたのですか?」
 「東京オリンピックのころだよ。 お前さんはまだこの世にいないころさ。」

 「東京オリンピック!随分昔ですね。仕事でですか?」
 「いや客船の乗客としてさ、あのころは金があった。」

このおじさん何者だ。東京オリンピックといったら40年前だぞ。そのころ客船に乗客で乗る身分だとしたら、いったい今幾つなのだ。

そんな只者ではない乗客たちを乗せて、高速艇は海路をぶっ飛ばす。船内は冷房が効きすぎて風邪引きそう、ハクション!これじゃクーラーの付いていない船内トイレが一番居心地がいいぞ。

カンボジア西海岸の海
高速艇は途中、名も知らぬ島に立ち寄る

5時間後、ボートはコンポンソム港に到着。ここはカンボジア最大の港町であるとともに、シアヌークヴィルというフランス風の別名も持つビーチリゾートでもある。港には早速わらわらとバイタクの運ちゃんが群がってきてコミッションのもらえるゲストハウスへ獲物を引きずり込もうとウズウズしていた。

僕はここらで有名なMゲストハウスに行くようバイタクの運ちゃんに命じた。すると、

 「そこはクローズだ」 
 「(どうせ嘘に決まってるサ。)ともかくMゲストハウスへ行け!」

そう命じてバイタクにまたがった。Mゲストハウスはコンポンソム気象台の丘にある。このゲストハウスを中心にちょっとしたツーリストタウンが出来上がっているそうだ。バイタクはそれらしき丘を登って、とあるゲストハウスの前にとまった。

 ちょっと降りてみる。

 が、なんだか様子が変だ。

ツーリストタウンになっているはずなのに、それにしてはやたら周囲が寂しい。第一ここのゲストハウス、看板すらないぞ。さてはこいつ、Mゲストハウスに行くといいながら、キックバックの貰えるゲストハウスに連れれて来やがったな。

 「ここはどこだ!」 
 「いや~、Mゲストハウスの別館だよ」

おおと、そんな白々しい嘘で切り替えしてきたか。

 「いや、オリジナルのMゲストハウスに行け!行かなきゃ金は払わん!」

と凄むと、仕方なくバイタク運ちゃんはコミッションのもらえるゲストハウスを後にした。

到着したMゲストハウスは評判どおりすばらしかった。こぎれいな部屋でホットシャワーが出て1泊7ドル!しかもレストランから眺める海の景色は一流ホテル並み。これなら評判になるのも道理である。

本物のMゲストハウスa-カンボジア・コンポンソム
本物のMゲストハウス

にしても、カンボジアのバイタクは行きたいところに思うように辿りつけない。気を抜いてると変なところに連れてかれてしまうから困ったものだ。

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Mゲストハウスのロビーには読みかけのバンコクポストが置いてあった。新聞を見るのは3日ぶりだなと何気に一面をのぞいてみる。すると、「TSUNAMI」の文字が。どっかで津波でもあったのか、どれどれ、と呑気に僕は新聞を手にとった。

 えっ!津波がプーケットを襲って何万人も死者が出た、だと。

しばらく声が出なかった。僕が高速ボートで渡ってきたタイ湾側は、半島をはさんでプーケットの反対側だったので全く被害はなかった。だが、もし地震がタイ湾側で起こっていたらと思うと、、、、

(続く)


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最終更新:2016年08月27日 18:13