【タイの真中辺りを行く】
第2話)続:「ไม่มี(マイミー)="ない" です」 な一日

《タイ旅行記|ターク|メーソット|スコータイ|ピサヌローク》

ほとんど偶然に「ターク」なる街へ行くことになり、バスに乗りこんだ。車中でこの街の事をガイドブックでチェックしてみると、何のことはない。ほとんどスコータイに近いところにある。つまりバンコクから7~8時間はバスに揺られていなければならないのだ。

ピン川沿いに佇むタークの街
ピン川沿いに佇むタークの街

結局「ターク」には日がたっぷり暮れてからの到着となった。時刻は夜の8時過ぎ、街外れのバスターミナルから寂しい夜道をとぼとぼ街の中心に向かって歩いていった。

おや、何だか街中はすごく賑やかそうだ。僕の足取りは自然と早くなる。

賑やかなのも道理である。街はお祭りの真っ最中だった。広場には屋台の出店が所狭しと軒を連ね、ムエタイのリングや、歌や踊りの仮設ステージが立ち並んでいる。そして幸いなことに、こんな遅くなのに観光案内所が今日だけはまだオープンしていた。僕はそこでこの街の地図をもらい、宿に印を付けてもらった。ともかく早く重い荷物を置きた~い。

一泊300バーツ(1バーツ=約3円)也のメーピン旅社という安宿の前に、僕はたどり着いた。

 僕  :มีห้องว่างมีไหม(ミー ホーン ワーン マイ)(部屋空いてますか?)
 受付A:ไม่มี(マイミー)( "ない" です)

ありやりゃ、この宿は満室だ。お祭りのせいだろうか。しかたがない今日はすこし贅沢して高いホテルに泊まってやるぅぅぅぅ。

今度はこの街で最も高級なヴィエンタークホテルに向かった。なにせここは一泊1000バーツもするのだ。そう簡単に満室にはならんだろう。ふふふ。

 僕  :มีห้องว่างมีไหม(ミー ホーン ワーン マイ)(部屋空いてますか?)
 受付B:ไม่มี(マイミー)( "ない" です)

え"っ!ここも満室!

ううーん。昨今のタイ人はこのぐらいのホテル、平気でとまってしまうのだなぁ。これは困った。僕はさらに街に出て宿を探す。やがてサグァーンタイ旅社なる安そうな宿を発見した。もう「ไม่มี(マイミー)( "ない" です)」なんて聞きたくないぞ。

だいたいタイ人はどうして「ไม่มี(マイミー)( "ない" です)」って言うとき、なぜあんなに嬉々とした顔するんだ。少しは申し訳なさげに言ってくれい。

 僕  :มีห้องว่างมีไหม(ミー ホーン ワーン マイ)(部屋空いてますか?)
 受付C:มีค่ะ(ミー カッ)(あるわよ)

おおおおおおおおおぉぉぉおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!、やっと部屋があった。よかった~~。いったい今日一日、何回「ไม่มี(マイミー)( "ない" です)」と聞かされたことか。やれやれ。

部屋は一泊220バーツの値段相応の作りであるが、まあ仕方がない。さてシャワーでも浴びよう。僕は蛇口のお湯の栓をひねった。

 が、、、

   あれ? 

     お湯が出ない。

急いで着るものを羽織って受付に行く。「ここにお湯はないのかぁぁぁぁ」

 受付C:ไม่มี(マイミー)( "ない" です)

まっ、またしても「ไม่มี(マイミー)」か! タイとはいえ12月の夜は結構寒く、水シャワーはかなりつらい。僕は修行僧になった気分で一日の疲れを洗い流した(ハックション)。

(続く)


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最終更新:2016年08月26日 21:39