【タイの真中辺りを行く】
第1話)「ไม่มี(マイミー)="ない" です」 な一日
《タイ旅行記|ターク|メーソット|スコータイ|ピサヌローク》
バンコク北バスターミナル・通称モーチットは、タイ中北部へ向かう長距離バスの一大ターミナルだ。次々と出入りする大型バスと大勢の客で構内はごった返している。これから僕はタイ中部の遺跡地帯へと向かう。その中心といえばスコータイ遺跡群。しかしバンコクからバスだと7、8時間はかかるのがちょっとつらい。
そこで僕はスコータイとバンコクの中間、バスで3~4時間で行ける街、ナコーン・サワンで一泊して、のんびりと遺跡地帯に向かうプランを立てた。
ターミナルのインフォメーションでナコーン・サワン行きの切符売場を尋ねると、窓口番号24から30番のコンソンチャムカ社のバスだと言うので、そこに行ってみる。タイ中部の各街とバンコクを結ぶコ社の窓口看板にはちゃんと「ナコーン・サワン」と書いてあるので一安心。
切符売場は人、人、人、人。タイも年末は帰省客が多いのだろうか。随分多くの人でごった返している。僕はまず26番の窓口でじっと自分の番を待ち、やっと僕の番がやってきた。
僕 :จะไปที นครสวรรค์(ナコーン・サワンに行きたいのですが)
窓口26:ไม่มี(ないです)
僕 :え"っ(この列はナコーン・サワン行きではなかったのかぁぁぁぁ)
窓口のオバチャンが隣の列を指差すので、27番の窓口でまたじっと自分の番を待つ。この窓口看板も「ナコーン・サワン」って書いてあるので、今度は間違えて並んではいないだろう。
さっきと同じように順番待ちして、やっとまた僕の番が来た。
僕 :จะไปที นครสวรรค์(ナコーン・サワンに行きたいのですが)
窓口27:ไม่มี(ないです)
僕 :ありゃっ、りゃっ、(この列も違うのかぁぁぁぁ)
僕はそのまた隣の28番窓口に並ぶ。はっきり言ってもう並び疲れた。今度こそ正しい窓口であってくれ~。
そしてまたまた僕の番が来た。
僕 :นครสวรรค์!(ナコーン・サワンくれ!)
窓口28:??
僕 :นครสวรรค์!(ナコーン・サワンに行きたいんだい!)
窓口28:นครสวรรค์、FULL!!
僕 :FULLだとぉぉぉ
なっなに~!何度も並んだあげく、目的地行きのバスは満席。要するに「マイミー( "ない" です)」とは、ナコーン・サワン行きのバスが "ない" のではなく、バスの座席が "ない" という意味であった。
えぇぇぇ~い、こうなったら近くの適当な街でいいや。僕はガイドブックのタイ全国地図を取り出し、適当な街を探す。近くに「カンペーンペッ(変な名前ぇ~!)」って街があるようだ。
僕 :กำแพงเพชร มีไหม?(カンペーンペッはある?)
窓口28:ไม่มี(ないです)
僕 :こっ、ここも満席なの~!!
僕は焦った。後ろには大勢の客が並んでいる。待たされてる後ろの客は「はよせんか~」光線を僕に浴びせている。ええーい。もう成り行きだ。僕は当てずっぽうで地図にあった別の街の名前を告げる。
僕 :ตาก มีไหม?(ターク行きはある?)
窓口28:มีค่ะ(あるわよ)
おぉおぉ、やっとチケットが買えた。ともかく予定は第一歩から大きく狂ったが、マアいいか。タイだもん。
しかしタークってどんな街なのだろう、、、、
かくして何の予備知識もなく「ターク」なる街に行くことと相成った。さてさてこれからどうなることやら・・・。
※注)現地の人との会話は、カタコトのタイ語と身振り手振りでなされました。当然のことですが、意思疎通には誤解や曲解がつきもので、実際はこんなにスムーズに会話が交わされたわけではありません。
最終更新:2016年08月26日 21:38