工事中



ゾルゲール哲と職人集団「トレジャー」が作り上げた
「ASTRO BOY 鉄腕アトム アトムハートの秘密」。
ゲームを作るにはまず仕様書なるものが必要なわけで。
ゾルゲールにその仕様書なるものを見せてもらったのですが、
これが実にわかりやすくて面白げ。

そこで、SECRETページを発見できた皆さんにだけ特別にゾルゲ仕様書見せちゃいます、
じゃじゃ~ん!
ソフトを実際ご購入いただいた後、プレイしながら、ここがこうなったのね。
こう変わったのね。なんつってコアな楽しみ方をするのもオツなもの。
ではご覧下さいませ。

はじめに

まず、アトムの10万馬力はめちゃくちゃすごいんだ!ということをまず印象づけます。具体的には、わらわら登場するザコを、もう手当たり次第ボコボコにして進むという豪快なもの。マンガチックに画面中を、敵やらアイテムやら得点表示やら電柱やらが飛び散りますイメージ的には「ガンスターヒーローズ」に近いですが、敵につかまれたりという部分もスッパリなくして問答無用に「わーすげーハデ、おもしれー」という演出に注力します。
横画面のアクションは、それこそ数多く発売されているので、とにかくとことん目立つものを、しかもシステムとしては徹底してオーソドックスにして遊びやすく、というのが基本コンセプトです。

基本操作

変に凝ったことをせず、誰でも親しみやすいオーソドックスなものにします。レスポンスやフィーリングもできるだけ素直にしましょう。
(後日談)これは開発最初期に描いたイメージボードです。既存のゲームキャラとは一味違うセールスポイントとしての「アトム十万馬力!」を強調しつつ、それがあまり残酷に見えないようにするために、「マンガみたいにグルグルふっとんでいく敵」というアイディアを盛り込みました。これ、やるのは結構大変みたいなんですが、やいまんさんとナオキマンさんが、ほぼそのままのイメージで実現してくれてます。アトムがまったく似てませんが気にしないで下さい。

歩行

十字ボタンの左右で歩きます。
キャラクターものなので、この基本パターンはとっても可愛くよろしく。歩くとおなじみの「キピ、キュキュ!」というかわいらしい効果音がします。

(後日談)やっぱりアトムは、あの足音が鳴らないとウソだろう!ということですがこの絵だとなんかキューピーみたいですね。本番では、ナオキマンさんの絵がかわいいです。

ダッシュ

左右どちらかに素早く二回入れるとダッシュします。
これもかっこいいというよりは、チョコマカ可愛い動きでよろしく。(イメージ・ゴールデンアックス)

(後日談)実際には、歩行が「走り」、ダッシュが「飛行」になりました。こういう「ロールケーキみたいなマンガ風の足」も、ちょっとやってみたかったんですが…。

ダッシュアタック

ダッシュ中にパンチボタンを押すとダッシュアタックになります。アトムの10万馬力を表現するために結構強力にして、パワーアップするとザコの群なんかこれで一気に突破できたりしましょう。また、コンクリートの壁など、ハデに気持ちよくぶちこわせるアイテムをステージのあちこちに配置します。(イメージ・ゴールデンアックス&ソニックの高速アタック)

(後日談)これも実際には、原作でおなじみの「飛びながらパンチ」になっています。初期のバージョンではソニックみたいな「ローリングアタック」でした。パンチになってからも、最初は普通にパンチをしてる絵でしたが、私が「ここはゲンコツが大きくないとイヤ~ン」と何度もゴネたので、今の「アレックスキッド」みたいなデフォルメした絵になってます。

飛行

アトムは飛べますが、あんまり自由自在に飛べると歩く意味がなくなるので、制限を付けようと考えています。二段ジャンプで一定時間(0.5~5秒、レベルアップにより増加)、いったん着地しないと再飛行できないというのが現在のプランです。この「飛行」を、いかに気持ちよく表現できるかが結構キモになりますので、噴射によるダイナミックな加速、飛行中に操作した場合の微妙な慣性など、調整をよろしくお願いします。{(イメージ・0移動爆装)

(後日談)これはかなり仕様から変わって、「多段ダッシュ」のようなシステムになってます。たしかに、そっちのほうが使い勝手がいいですね。

飛行2

しかし、飛び続けられないというのもアトムらしくないので、ステージの要所には横シューのような、強制スクロールの飛行面を入れていこうと思います。

(後日談)これはわりとそのままですが、このアトム、よく見ると足が一本しかないですな。

パンチ

パンチボタンでパンチします。あんまりリーチが短いとストレスがたまるので、パンチの軌跡を衝撃波のように描いたりして、多少かすったくらいでも当たったことにしてあげましょう。また、アトムの10万馬力を表現するために、ステージのそこら中に巻き添えでぶっこわれる様々なアイテムを配置して、なんか子供みたいだけどすごいパワーだなということを常にアピールさせましょう。

(後日談)これは、一見「海水パンツはいた子供」にしか見えないアトムが、いかにスーパーなのかを示すための演出として考えていた部分なのですが、敵以外にこういう演出を出すと、処理をけっこう圧迫するとのことで、1面の「ガラス割りまくり」あたりに、その片鱗をとどめる程度となっています。

フィンガーレーザー

LRボタンで攻撃を三種類に切り替えらます。その一つ。お約束のリーチ長いけど威力そこそこ

(後日談)ここらへんの仕様は、まったく変わっていますね。まさにこだわりのトレジャーの面目躍如の部分ですがいちおう全体を仕切る立場の私としては、なかなか仕様が固まらないのでそうとうハラハラ&イライラしました。(ただし、実際できあがったものは、この仕様よりもやはり圧倒的に遊びやすく、こなれています)アトムがキューピー状態でなく、ちゃんとパンツをはいているのも意外なポイントですね。右のよくわかんない敵はいったい誰なんでしょうか。

ためレーザー

パンチ同様ためが可能です。隙がデカい分、威力、貫通力がアップします。

(後日談)これは両手レーザーですが、実際にはアニメでおなじみ「アームキャノン」になりました。仕様もRボタン一発になりましたが、やいまんさんには「ため攻撃」が、戦闘のテンポをそぐという考えがあったみたいですね。

マシンガン(仮称)

LRで切り替える武器その3、スプレッド系の弾で、リーチは中くらい。広範囲の敵を倒せますが後ろにしか出せないと言うのがポイント。実は新作アニメ版のアトムはマシンガンでなく、アームキャノンを使用するという設定なので、どっちを使うかは未確定。いちおう、現時点ではためで画面中に乱射して敵一掃というのを考えています。
 これら三種類の武器はLRで常に切り替え可能。ためによる変化で合計6種類の攻撃が可能で、それぞれに一長一短を(威力、得点、リーチ、レスポンスなど)つけて、弾切れなどのケチくさいことはやめようというのが現時点での考えです。

(後日談)これは今回のアニメではオミットされた設定なので、当初セガ内部(とくに海外)では思いっきり反対された部分です。ただ、これを外したら世の中の手塚マニアは絶対怒るだろうというのと、ゲームキャラとしてはこういう毛色の変わった攻撃はやはり外せないので、無理を通させてもらいました。その際、大いに役立ったのがナオキマンさんが描いてくれたサンプルグラフィックです。「お尻からマシンガンなんて、ちょっとカッコ悪いんじゃないの?」という海外からの意見を、みごと覆してくれました。(私の絵がカッコ悪かったというのもあるかもしれませんが。)ただし結局、この仕様にあるようなバックアタックでなく、シューティングの「ボム」風の全方位攻撃となったのでナオキマンさんのサンプルグラフィックはゲーム中には使用されなかったのですが、せっかくですからここに紹介しましょう。

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最終更新:2011年04月18日 19:30