第2章(6) エラフィタ村
扉を開け、部屋の中にエフィータ達がゆっくり入ると、そこにはフィオーネ姫が椅子に座って窓を眺めていた
どこを見つめていたのかわからないが、ドアの音が聞こえたのか、フィオーネ姫は立ち上がり、エフィータのもとへゆっくり近づいた
「お待ちしていました、エフィータ様、お呼び立てをして申し訳ありません、この話を父に聞かれると、また反対されるだけですから…」
「いえ、僕の方は大丈夫です…」
すこし、ぎこちなくエフィータが話すと、フィオーネ姫は少しずつ話しだした
「実は…私、ルディアノ王国のことを耳にしたことがあるのです」
「!!そ…それは…」
そうエフィータが言った時、ヴェルンが口をはさんだ
「それは本当なのか?!」
と、ヴェルンがフィオーネ姫にずいと近付いたものだから、フィオーネ姫もびっくりしてしまったようだ
女子2人がヴェルンを押さえてる間、姫は一呼吸してまた話しだした
「…昔、ばあやが歌ってくれたわらべ歌の中にルディアノという国の名前が出てきたのです、もしかしたら、その歌が何か手掛かりになるかもしれません…!!」
「では…その歌は…」
そうエフィータが言うと、少し悲しげに下を向き、フィオーネ姫は首を振った
「申し訳ないのですが…何分昔のことなので、ルディアノという地名が出てきたというだけで、はっきりと覚えていないのです…」
「そう…ですか…」
「でも、ばあやは今、彼女のふるさと、エラフィタ村にいます…エラフィタは、シュタイン湖の西の方にある小さな村…」
そういうと、また窓の方に目をやった、どうやらエラフィタは、フィオーネ姫の視線の先の方にある村らしい
「わかりました、行ってきましょう」
「そうですか…ありがとうございます…!!…あの黒騎士は、父の言うような悪い人ではありません…そんな気がしてならないのです…」
そういうと、フィオーネ姫はまたエフィータに目をやった
「エフィータ様…どうかあの方のお力になってください…」
そういうと、姫は一礼をしてまた椅子に座った
「いったー…少しは加減をしろよ!!」
「だって、ヴェルンが姫さまに近づくからいけないんじゃない!!」
エフィータが歩んでる後ろの方で、肩に手をやりながら怒鳴っているヴェルンと、それをやっていたフィリムが口げんかをしている
ミリアは必死で仲裁に入ろうとしてるが、なかなか入れないようだ
そんな風に歩みを進めるエフィータ達
彼たちの歩む先には、エラフィタの村が待っている…
最終更新:2009年12月01日 20:26