第2章(3) 湖
僕らは湖に着いた、周りには水と森ぐらいしかない湖だった
サンディが出て話す
「…黒騎士があの姫様を待ってる場所ってここ?てゆーか、黒騎士いなくない?読んどいていないってどゆ事?」
確かにわからない、黒騎士が呼んでおいてこないってどういうことだ?
「どーする?エフィータ、もうちょっとここで待っとく?」
「…うん、一応まっておこうか」
そういうと、フィリムが僕に聞く
「ねぇ?たまに思うんだけど…誰と話してるの?エフィータ」
あ、そうか、僕とヴェルン以外には見えないんだ…まぁ、ヴェルンがなんで見えるかわからないんだけど
「ここにサンディっていう妖精がいるんだけど、僕とヴェルンだけには見えるんだ」
「まぁ、なんでおれも見えるのか、わかんねぇんだけどな」
「ふぅん、そーなんだ…で、何話してたの?」
好奇心旺盛の目で僕を見つめる
「えっとね、黒騎士が来ないけど、まだまだ待つかって」
「ああ、俺まだ待つ!!褒美の品だぜ?きっと結構いいものだと思うし…」
真っ先に手を挙げたヴェルンは、王様に言われた褒美の品が気になるらしい
「私も待つ!!くろきしがどんな奴なのかしりたいし♪」
フィリムは、目がキラキラ輝いている、好奇心旺盛というのか、幼稚的というのか…
「ミリアは…どうする?」
「私は、黒騎士さんが約束したというのなら、待ってみてもいいと思います」
ミリアらしい返事だ
まぁ、でもともかく、満場一致で黒騎士を待ち続けてみるとしよう
1時間たった、まだ黒騎士はやってこない
フィリムはヴェルンと遊びだしてしまっている、これは相当つまんないらしい
サンディが怒鳴った
「…っていうか黒騎士来ないし!!女子との約束ブッチするなんてマジあり得ないんですケド!!」
そういうと、僕のほうを向いて
「アタシたち、帰っていくない?王様には黒騎士なんていなかったって言っとけばいいし」
「う~ん…」
そう言った後、フィリムが服をつかみ
「ねー、もうつまんない!!ここで待っても意味ないと思うし、今日はもうかえ.ろう?」
そう言ってきた、するとヴェルンも
「俺も、こんなところで待っていたら、かえってくたくたになっちまうよ」
といった
「1時間も待ってこないんですし…「今日はやってこなかった」そう伝えれば、きっと王様だってわかってくれますよ」
と、ミリアが提案する
確かに、もう1時間も待ってるんだ、来ないなんて普通はありえない
「それじゃ、帰ろうか」
そう言い、一歩ずつ歩みだす
湖を出ようとすると、サンディがいきなりこう言いだした
「…なーんつって振り返れば奴がいる…みたいな?!」
そういうと、後ろを振り向いた、するとサンディの表情が見るみるかたまっていく
「おいおい、何が見えたんだよ…」
そう言い、ヴェルンが後ろを向く、ヴェルンもびっくりした表情を見せる、まるで前もって2人が打ち合わせしてたかのように
でも、後ろに何かがいることはわかっている、後ろを振り向くと…そこには
黒騎士がいた
「ま…マジッすかーーーー???!!!」
サンディの声がこだまする
「お…おい…マジかよ…?」
ヴェルンもびっくりしたようだ、女性2人も、後ろを振り向いて驚いた表情を見せている
月夜に浮かぶ、黒い不気味な影…そう言えるだろう
黒い馬にまたがった黒騎士は、高台から飛んでこちらにやってきた
「…誰だ…貴様…?」
低い声が、かえって不気味に思わせる
「僕は…王様の命令でここに来た、エフィータだ」
「…フン、貴様に用はない…姫君はどこだ…?」
そう言い、周りを見回す、するとフィリムがこう叫んだ
「お姫様はいないよ!!あなたね…お姫様をさらおうとしている黒騎士っていうのは!!」
そう言い、戦闘モードに入る
「…フン、やる気か…良いだろう…やってやろう」
そういうと、背中から剣を出す
「さぁ、姫君を出せッ!!我が麗しの姫を…!!」
そういうと、仮面を外した
その仮面の下は、人間顔じゃない
まるで…骸骨のようだった
最終更新:2009年12月01日 20:18