character episode3-1 孤児ミリア
「ここが…教会…」
町のはずれにある割にはデカイ
その大きさに、僕はただ呆然とするしかなかった
「うわぁ…でっけぇなぁ…どれくらいあるんだ?」
ヴェルンが手をサンバイザーのように当ててジャンプをしてみてる
それ見そうだろう、ヴェルンが見てたとしても、これほど大きな教会は見たことはないだろう
その時だった
「あの~…」
と、扉のそばでか細い声が聞こえた
見てみると、水色の髪の女の子がこちらを恐る恐る見ている
「この教会に、何かご用でしょうか…?」
「あ…えっと…お祈りです…」
そう言いながら、大きな扉―といっても、普通の教会の扉よりもちょっと大きいぐらい―の前に立つ
これほどの大きさの扉だ、さぞ重いだろう…
そう思っていると、フィリムが僕の目の前に立って
「あぁ、もう、イライラする!!ほら、さっさとあける!!」
と、思いっきり引いた、が、扉はびくともしなかった
まぁ、幼い子、しかも女の子が引くんだからそりゃ僕よりも何倍も重く感じるだろう
自分も引いてみたが、やっと普通に引けるくらいだ
そう思いながら、中に入って行った
中はすごく明るい、シャンデリアというのか…それっぽいのが天井に何個かつるされていて、とてもきれいだ
ただ、シャンデリアにしては明るいと思う、そう考えると、それに似た電灯と考えるのが自然だろう
奥のほうに進んでいくと、神父さんが立っていた
「あ、こんにちは神父さん」
「おお、迷えるものですかな?何でも聞いてくだされ」
そう言ってくれたので、僕はとりあえず質問してみた
「あの…このあたりで、何か変わったことはありませんか?」
「変わったことですか…そういえば、セントシュタインの城のほうで、何やら大事が起こってるらしいですぞ、行って話を聞いてきた方が、貴方にとっても、そしてセントシュタインも幸せに導かれるでしょう」
「わかりました、ありがとうございます!!あと、一つ聞きたいのですが…」
「…?何ですかな?」
「扉の前にいた、水色の髪をした小さな女の子…できれば、誰なのかを教えてほしいんですが…」
神父さんは、少し考えたが、すぐに思いついたように
「…ああ、ミリアのことですね、ミリアは実は孤児なのですよ」
「…孤児?」
そう僕が聞くと、神父さんは重々しく話した
「ミリアは、とてもよい子です、しかし小さいころ、魔物の総攻撃に村があいまして…両親が亡くなったのですよ」
「…!!おじさん、それ本当か?!」
ヴェルンが激しく反応する、自分も両親どころか身寄りがいないので、同じ気分になってるのだろう
「…はい、彼女は大けがを負っていましたが、奇跡的に一命を取り留めて、今はこの教会で聖女になるためのいわゆる勉強をしてるところなのですよ」
「そうなんですか…ありがとうございました、それとヴェルン、神父さんにおじさんといったこと謝ったら?」
「うう…ごめんなさい…」
「別に大丈夫ですよ、では、神のご加護があらんことを…」
そういうと、神父さんが祈りを僕らにささげた
僕らは教会を出ようとしたその時
「ドカアアアン!!」
と、大きな音が教会に響いた
最終更新:2009年11月30日 21:15