2章(1) セントシュタイン
「ここがセントシュタインか…」
僕とサンディは、セントシュタインの城下町にいる
武器屋、防具屋があり、入口のそばには、大きな宿屋がある
町の奥には、とても大きなお城が建っている
僕は少し進むと、宿屋の中に入るリッカとルイーダさんを見つけた
「…どうしたの?リッカさん、もしかして…緊張してる?」
「…はい、今さらですけど…私みたいな小娘がいきなりあらわれて今日から宿屋を始めるなんて…そんなの、だれも納得してくれないんじゃないんでしょうか?」
「…それはそうかもね、でも私は、人の才能を見抜く自分の眼力を信じてるわ」
「で…でも…」
「大丈夫!心配いらないって!!」
と、ルイーダさんがいい、リッカの肩をたたいた
「は…はい…」
「それじゃ、一緒に働く仲間を紹介するわ」
そう言い、リッカとルイーダさんは宿屋に入って行った
「ただいまー!!私たちの希望の星を連れてきたわよー!!」
と、中から響く声がした
「…なーんか面白そうじゃない?」
そう言い、サンディが妖精の姿になる
「まぁ…知らない仲じゃないし…行ってみようか」
「そうこなくっちゃ♪ちょっと見てみよーよ!!」
そう言われ、宿屋に僕とサンディは入って行った
宿屋に入ると、女の人とルイーダさんが口論をしてるところを目撃した
「ちょっとルイーダ?何考えてるのよ!」
女性の大きな声が響く
「この子に宿屋を任せる?ただでさえ危ないのに、あんたここをつぶす気?」
「まぁまぁ、落ち着きなさいよレナ、私がただの女の子を連れてくると思う?」
そういうと、リッカの背中を少し押して
「こう見えてリッカさんはすごい才能の持ち主なのよ、きっとこの宿を救ってくれるわ!」
「…あんた、私を誘った時もそんなこと言ってなかったっけ?私に金庫番の才能があるとか…ハァ…自信満々にこの宿の救い主を連れてくるっていうから期待してたのに…それがこんな小娘…あてにしたのが間違いだったわ」
そうレナさんが呆れたように言うと、リッカが大声で
「ちょっと待ってください!!私、頑張りますからっ!!宿屋のことは、父からもいろいろ教わっていますから!!」
「…ふ~ん、あなたのお父さんも宿屋人だったの?父親の夢を娘が継ごうってわけね…その心意気は買うけどさ、宿屋やるってことはそんなに甘いものじゃないのよ、だいたい、あなたに教えたというお父さんがどれほどの人だったか…」
そうレナさんが言ったら、ルイーダさんが少し微笑んで
「その言葉を待ってたわ!!さあ、リッカ、今こそあれを見せるときよ!!」
「あ…あれって…?…あ、わかりました!これですね!?」
そういうと、持ってきたトロフィーをリッカはレナさんに見せた
「…何?それ、宿王リベルト…宿王リベルト?!ってことは…あなたは…」
「そう、これはセントシュタインの王様から直々に送られたトロフィー、これこそ、宿王の実力と彼女がその血をひくものであることのまごうと無き印よッ!!」
そういうと、店内にいたお手伝いさんも口々に「え?あの娘さんが…?」とか「宿王リベルトさんの…娘?」という声が聞こえてきた
すると、さっきまで自信満々だったレナさんが急におとなしくなり
「で…伝説の宿王の娘…ッ?!は…ははーーーーっ!!」
と、リッカにひれ伏した
「あ…あの…そんなみんなひれ伏さなくっても…」
「…リッカ」
僕は、その時、彼女の名前を呼んだ
すると、リッカは振り向き
「あっ、エフィータ!!さっそく来てくれたんだ!!でもごめんなさい、私たちも今着いたばかりで、まだ準備ができていないの」
「うん、大丈夫だよ、今日着いたばかりで疲れてるだろうから、ゆっくり休んでよ」
「ありがとう…」
そんな雰囲気を作っていたら、ルイーダさんが
「なーに二人でいちゃついてるの?」
と、割り込んできた
頬を赤らめたリッカは
「あ…あのッ…ちょと宿屋のじゅびをしてきますッ!!」
と、少し噛みながらもそそくさと退散していった
「まったく、最近の子は公共の場でも平気でいちゃつくから困るわ…」
そういうと、僕のほうを向き
「あ、そうそう、私はここで酒場をやってるの、ルイーダの酒場っていってね、出会いと別れの酒場としてここでは評判を得てるわ」
「そうなんですか…」
「あなたにも仲間を紹介したいけど…あいにく今はちょっと仲間を探してる人が見つからなくてね…」
「そうなんですか…大丈夫です、僕は平気ですから」
「あ、そう?じゃあ、別にいいか!!でも、今はいないから…この辺で仲間を探してきたらどう?」
「わかりました!!では、ありがとうございました!!」
といい、宿屋から出て行った
…まずは、仲間を探さなきゃな…
最終更新:2009年08月26日 22:01