1章(7) サンディ
先にリッカが出て行ったから、僕は心配でリッカの後を追いかけた
リッカはすでに家に入ってしまったらしい
そして、扉の前には、なぜかキサゴナ遺跡であった老人の幽霊がいた
試しに、少し話しかけることにした
「あのー…」
「うひゃうっ!!」
と言い、幽霊は思いっきり後ろを振り返った
「び…びっくりしたなぁ…脅かさないで下さいよ…もう…」
そう言って、老人の例は前を後ろを向いたが、すぐに僕をまた見て
「ってあなた私のことが見えるんですか?!私、とっくに死んでるんですよ?!」
と、いかにも驚いたという調子で話した
「キサゴナ遺跡で会った時も私に気づいてたみたいだし…全く不思議な人だなぁ」
「あぁ…そうですか…」
「…そういえば、自己紹介がまだでしたね、私リッカの父親のリベルトと申します、はやり病でポックリ逝って以来早2年…ご覧の通りいまだに地上をさまよっています
…ところで…あなたは?」
と聞かれたので、内心少しびくつきながら
「ああ、僕は、エフィータって言います…」
「そうですか、エフィータさん…ん?んんっ?!」
そうリベルトさんが言うと、僕の肩を掴んで―といっても、向こうは幽霊だから、僕は掴まれてる感じはないけど―
「エフィータ…エフィータって!?まさか…あなたは守護天使様…?」
と、言われたので、つい僕は
「え…まぁ…そうです…けど…」
と、少し引っ込み気味に話した
すると、どこらから
「そこ!!ちょ~っと待ったぁ~ッ!!」
と、若い少女と言っては大人っぽく、大人の女性と言ったら幼く聞こえる声が、どこからか聞こえた
その言葉の後、家の裏側から、ピンク色の光が僕のほうに飛んできて、ぶつかった
すると、光はたちまち、ギャルっぽい妖精に変わった
「いったぁーい…ちょっとぉ、ボケっとしないでうまくかわしなさいよぅ!!」
と、よくわからないが怒られてしまった…
「う…ご…ごめん…」
「…ま、それは良いや、それよりそこのおっさん!!」
「え?!私ですか?!」
と、リベルトさんはびっくりしたように返答した
「そう、あんた、あんたの発言聞き捨てならないんですケド!!」
「は…はぁ、何でしょう?」
そう言われると、妖精は僕のほうをみつめて
「今、天使とか言ったよネ?アタシもそう思ったケド、いまいち確信が持てないのよネ…」
「と…言いますと…?」
「わからないかなぁ…?その人には光る頭のわっかも背中の翼もないのよ!これって変くね?」
と、自分が少し気にしてた部分をはっきりと言われてしまった
「そう言われれば確かに…でも。変というならあなたのほうが…いったいどちらさまなのでしょう?」
「フフン…それを聞いちゃいマス?そうね、聞かれちゃったら答えないわけにはいかないわね…」
と、いかにも待ってました的な感じでしゃべり
「聞いて驚けっ!アタシは謎の乙女サンディ、あの天の箱舟の運転士よッ!!」
と、ポーズ付きで言った、顔つきがいかにも「決まった」と言ってるようだ
「…は…はあ…」
リベルトさんは、いかにも乗りにくそうに言っている
「…さて、このあたしに名乗らせたんだから、あんたも自分の正体教えてほしいんですケド」
「ぼ…僕?!」
「当たり前でしょ!?どう見てもただの人間なのに、天の箱舟や幽霊が見えちゃうあんたはいったい何者なの?」
「…僕は、エフィータ、この村の守護天使をしてたんだけど、この前の大地震で天使界から落ちてきちゃったんだ…その時、翼と頭のわっかがなくなっちゃったんだ、で、気がついたらこの村にいたってわけ」
そう聞き終わると、サンディは
「ふぅん…そうなんだ…」
と、つぶやいた
「どう?信じてくれた?」
「…なーんか信じられないんですケド」
と、すっぱり言われてしまった
「翼やわっかはなくしたのに魂を見る力は残ってるって何その半端な状態?」
「ええ?!じゃあ、どうしたら信じてもらえるの?」
「もし、どーしても天使だって認めてほしいなら、魂を昇天させてみなさいっての!!…ほら、そこにちょうど幽霊のおっさんもいることだしー」
「ええっ?!私ですかぁ?そ…そりゃ、私だってこのままでいいとは思ってませんけど…」
と、言ったらサンディが
「どうせしょぼい未練を引きずってるから幽霊なんかやってるんでしょ?よーし決まり!!このおっさんの未練を解決してやって昇天させんのよ!!」
と、強制的に決めてしまった
「まぁ…別にいいけどさ…」
「なーにその自信がない感じ、昇天させたら天使だって認めるし、天の箱舟に乗せてエフィータを天使界まで送ってあげるわ、そういうわけだから、しばらくあんたと一緒に行動するんで、よろしくねー☆」
といい、僕のそばに光の球になり、ふよふよと飛んできた
「…おかしなことになってきましたが、よろしくお願いします」
「えーっと…とりあえず、未練ってなんですか…?」
「え?私の未練ですか?!」
といわれると、リベルトさんは少し考え
「何だろう…高台に埋めたあれかな…?」
と、つぶやいた
「…わかりました、行ってきます!!」
といい、高台のほうに走った
高台に来たが、土が持ってある要は思えない
一応、茂みの中を探してみたら、何やら硬くて光ってるものが地面に埋まっているのを見つけた
それを掘り返し、茂みから外に出してみた
「これは…トロフィー?」
最終更新:2009年08月26日 21:58