第1章(5) 脱出
目の前には、僕の何倍もの体長の魔物
どう立ち向かおうか、悩むが
今は鞭が手元にある、なんとか行けそうだ
しかし、魔物が飛んで地面を揺らした
すると、上から、瓦礫が落ちてきた
「うわっ!!」と、横によけたが、そこにはあのピンク色の巨体が目の前にいた
それも何とかよけたが、少しかすり傷を負ってしまった
目の前には牛のような突進力がある魔物
そして僕は、あまりスピードはない
そうするべきか…そう考えるが、少し案が浮かんだ
魔物はまた飛ぶ
その時、足を鞭で絡める!!
…そして、狙った通り、魔物は転んだ
巨体と足が短いおかげで、なかなか起き上がれないようだ
そのすきを見て
「うおおおおおおおおお!!」
と、鞭を連打する
魔物は起き上がるが、起き上がったらすぐに
「だあああああああああ!!」
と、頭に鞭をぶつけた
魔物はその一撃が重かったらしく
すぐに倒れて、動かなくなった
しかし、死んだわけではなく、気絶しているようだ
そういえば、あの女性はどうなったのだろう…後ろを向くと、普通に立っている女性を見つけた
「…あなた、見かけによらず強いのね、おかげで助かっちゃったわ」
と、落ち着いてせりふを語る
「あの~…瓦礫は?」
「ああ、あれ?戦いで地震が何度も起きたでしょ?そのドサクサでうまく足も抜けたの!!」
そして、幸せそうに女性は言った
「さぁ、いつまでもこんなとこにいて、また魔物に襲われてもつまらないから外に出ましょ」
そう言い、速足で外に向かって歩き出した
僕も、急ぎ足で後をついて行った
「ここまでくれば、もう安心ね!!はぁ…もう薄暗い遺跡の中はたくさん!!」
と、少しうっぷんを晴らした後、僕のほうを向いて
「私はルイーダ、セントシュタインの城下町で酒場をやってるわけありの女よ」
と、自己紹介をしてくれた
「ルイーダ…あ、あなたがルイーダさんなんですか?!」
「ええ…まぁ、そうだけど?で…あなたは?」
「あ、僕…エフィータって言います、ウォルロ村から…ちょっと…」
「ええ?ウォルロ村から来たの!?」
驚いた様子だったが、すぐに我に帰り、そして
「…そうだったわ!私、ウォルロ村に急いで行かなくちゃ!!
それじゃあ、お先に失礼するわね!お礼は改めて…」
そう言って、先に走った後、後ろを向き
「それでは、アデュー!!」
といい、投げキッスをして、走って行った
最終更新:2009年08月20日 21:28