1章(3)

1章(3) ルイーダ


村に着くと、僕らはすぐに村長さんの家に戻ってきた

「親父!!良いことが分かったぜ!!」

そういうと、すぐに村長さんの目の前に行った

「土砂は、もうすぐセントシュタイン城の兵士が片付けてくれるらしいぜ!!」

「ほう、セントシュタイン城の兵士が片付けてくれるとな?」

「ああ、このことを知ったら、村の連中もきっと安心するぜ!!我ながらいいことをしたなぁ…」

そうしみじみと言ってると、村長さんが机をたたいて

「バカ者!!何を得意気に言っておる!!二人だけで峠の道まで行くなど危ないだろう、このバカ者がッ!!」

と、大声で言ったので、僕らは少し引いてしまった

すぐに立て直したような感じで、ニードが

「な…なんで怒られるんだよッ!?俺とエフィータが行かなきゃわかんなかったことだぜ?」

すると、まだ怒り顔の村長さんが

「別に知らなかったところで、道がつながればおのずとわかったことだ

命を危険にさらすほど価値のある情報ではないな、だからバカ者といっておるのだ」

と、さらりと言った

でも、その言葉が、どれほど息子を心配していたのかが僕にはすぐわかった

…まぁ、でも例のニードは

「うぐッ…」と、少し黙ってしまった

しかし、それを跳ね返すかのように、次にニードは

「…そ…そうだ!!もう一つ、セントシュタイン城の兵士から聞いたことがあったんだ

ルイーダとか言うねーちゃんがこの村に向かったまま行方不明だから探してほしいって話だったぜ!!」

というと、外にいたのか、リッカが部屋にバタバタ入ってきて

「ちょ…ちょっと?!その話、本当なの?!」

と言ってきた

「リ…リッカ?!なんでここに?」

「なんでって、あんたがエフィータを村の外に連れ出したりしてるからでしょう!?

…って、それよりもセントシュタインのルイーダさんが行方不明って本当なの?!」

と、僕に迫っていってきたので

「え…う…うん、そうセントシュタインの兵士さんが言ってた…」

と、少しびくつきながら言った

「そういえば、リッカはセントシュタイン生まれだったな、知ってる人なのかね?」

そう言われると、リッカは少しうつむき

「…父さんのセントシュタイン時代の知り合いにそんな名前の人がいたはずなんです

もしかして、ルイーダさんは父さんが死んだことを知らなくて、会いに来ようとしてたのかも…?」

と、語った

「…なるほど、しかし心配なのはもっともだが、探そうにも手がかりがなくてはな」

そう村長さんが言うと、ニードが思い出したように

「そういや、セントシュタインの兵士が、キサゴナ遺跡から来ようとしたんじゃないかって言ってたっけ…?」

「…うーむ、それが本当だとしたら探しに行くのは危険すぎるな…」

そういうと、リッカのほうを向いて

「リッカ…今日のところはエフィータを連れて帰りなさい、あまり思い詰めぬようにな…

エフィータも、今日は疲れたであろう、ゆっくり休みなさい

わしはこれから、このバカ息子をこってり絞ってやるとしよう」

「そ…そりゃねーぜ、親父ぃ!!」

と、ニードが叫んでいたが、僕らはそそくさと村長さんの家から出て行った



家に帰ると、リッカが心配したように駆け寄り

「それにしても、エフィータが村の外に出たって聞いて本当に驚いたんだから!!」

「うう…ごめん…」

「…でも、全然平気そうだね、エフィータって私が思ってるよりずっと強かったんだ…」

と、ほっとしたように話した

すると、次にまたうつむいて

「…ねぇエフィータ、もし…よかったらでいいんだけど…頼めないかな?

私、やっぱり行方不明になったルイーダって人が気になるの、だからキサゴナ遺跡に…」

と言いかけたが、すぐに首を小さく振って

「…ううん、やっぱりいい、いくらなんでも危険すぎるもの」

と、いい、後ろを向いて

「…そんなこと…頼めないよ…」

と、ぽつりとつぶやいた

「…やっぱりいいや、ごめんね!!今日はゆっくり休んでよ!!」

と、無理をしたように、自分の部屋に入った

僕も、自分の部屋に行って、ベッドに横になったけど、なかなか眠れない

(…やっぱり僕も心配だ…

ごめん、リッカ、ちょっと外に出て行って、ルイーダさん、探してくる!!)

僕は、すぐに外に出た

次は…キサゴナ遺跡だ!!

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最終更新:2009年08月20日 21:26
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