第1章(1) 旅芸人
私が普通に生活していると
滝から人が落ちてきたんです
とても大きい飛沫があがり
人が一人、浮かんでいました
私は急いで救い、一生懸命、けがを直す努力をしました
彼は助かり、名前を聞いたら、こう答えてくれました
「…旅芸人の…エフィータ」
自分の像をこう見るのは初めてだ
なんか…聖天使のような感じで、ちょっと恥ずかしい
でも…結構うれしくも感じる
そういう風に見てみると、後ろから声をかけられた
「…おっ、誰かと思ったら、この前の大地震のどさくさで村に転がり込んだエフィータじゃねぇか」
「あっ…ニード…」
皮肉たっぷりに言われ、少しカチンときたが、今、僕は何もできないことは、僕が一番知っている
後ろにはニードと男の子が立っていた
「ニード「さま」だろ?!ったく…お前、こんなところで何ボーっとしてるんだ?」
「いや…なんかこの像が気に入ってさ…」
「…はぁ~、リッカってば、なんでこんな得体のしれない奴の面倒見てるんだ?」
得体のしれない奴…ちょっと当たっていて、言い返す言葉がない…
天使といっても、誰も信じてくれないだろう、そう知っていたからだ
「どこから来たのかも言わないし、来てる服は変てこだし…どう考えても怪しいだろ?」
自分のことは極力隠している、言っても信じてもらえないのと、嘘をついてもすぐばれてしまうと思ったからだ
「きっとあれっすよ、こいつの名前が守護天使と同じだから、それで気に入ってるんですよ」
と、そばにいる男の子が言う
「…フン、その名前も、本当かどうか?大方売れない旅芸人が天使の名前を語ってただ飯にありつこうって魂胆だろ?そうだろ?」
自分は、何も言い返す言葉が浮かばない、自分が困っていたらさらに
「いいか?よ~く覚えとけ!この村で妙な真似したらおれがタダじゃおかねぇからな!!」
こんな風に言われてしまった
「ニードさんはなぁ、リッカがあんたばかり構うのがおもしろくなくてらっしゃるのさ!!」
「バッ…馬鹿野郎!!余計なこと…言うな」
少しほおを赤らめて、ニードが言う
すると後ろで、リッカの声が聞こえてきた
「ちょっと?二人とも?」
「あっ…」
ニードが急におとなしくなる
「うちのエフィータに、何か用なの?」
「よ…ようリッカ、なーに、ちょっとこいつに村のルールを教えてやってただけさ」
ニードが目を泳がせながら言う
「おい、行くぞ!!」
そういうと、ニード達はそそくさと逃げるように去って行った
「あ…ちょっと二人とも!!…どうしてニードってあんなに威張ってばかりいるのかな?昔はもっと素直だったのに…」
そういうと、僕のほうに顔を向けて、やさしくこう言ってくれた
「ところでエフィータ、出歩くなんて、もうけがのほうはすっかりいいみたいね」
「う…うん、大丈夫だよ」
「そう…ここであなたを見つけた時、正直びっくりしたなぁ…あの大地震に巻き込まれて、滝から落ちたんだろうけど、ホントに危ないところだったのよ?」
そう、僕のけがを直してくれたのは、リッカのお陰だ
リッカは、宿屋をやっているが、結構充実した宿になっていて、巷で好評らしい
そんなリッカに、僕は感謝しなければ…
「さて…と、私はうちに戻るね、宿屋は暇になっちゃったし…散歩もいいけど、あまり無理はしないですぐ帰ってきてね!!」
と、念を押すように言う
そして、家の中に入って行った
最終更新:2009年08月18日 22:01